グラフィックアクセラレーター

日本語版でははじめてのIntel純正グラフィックアクセラレーターを搭載したPDAが発売になりました。
ATIのものはImage100とかが既に多くの機種に搭載されており、その性能をようやく発揮し始めました。
勿論、PDAにとってそれだけが物差しとなるべきものではありませんが 現在のPDAの速度を比較する上での大きな指標になっていることは確かでしょう。
もう、既にPDAでのデーターの限界を超え始め(大体はメモリーカードの速度と、データ量にバスの遅延が出始めること)て30fpsでどこまでのビットレートの画像を表示出来るかでなくて、同じ画像のフレームレートをどこまで上げられるかになっているようです。
勿論、記録メディアの容量の問題がありますから ビットレートの速度の向上はナンセンスなのかもしれませんが・・・
一般的に、グラフィックアクセラレーターは描画に特化してゆくのですが、そうした場合の演算は 3Dの計算を考えると一概にそうも言えませんが 命令がシーケンシャルに処理できる場合が多いので 複雑な命令を全てハードウエアー的に用意されたユニットで処理し 内部のデータスループットを向上させることに力を入れると言われています。
故に、データを流す際に データの動く速度の高速化とバス幅を広げてゆきます。
32bitCPUのコンピューターに付いている アクセラレーターカードが128Bit処理してたりしますから(一概に、ここのものがそのままとは言いがたいのですが)
一般的には、データの処理速度は バス幅を2倍にすれば2倍の消費電力で4倍の効果といいます。
データの転送速度に関して言えば、高速の信号が走れば徐々に抵抗が増えてゆきます。
それが熱となって消費電力に消えますし、電子の速度が決まっている以上上限は決められています。
PDA用に関して言えば、出来る限りバス幅を広げて処理速度を落とす方向に進むのが性能と消費電力のバランスを取る上で重要なことと成るのでしょう。
今回の2700Gは専用にバスを取り、専用のメモリーを16M付けているようです。これで 例えば動画の再生でも どういったコマンド体系になっているかは解りませんが メモリーカードから来たデータをそのまま垂れ流しただけで再生できることになるわけです。
624MのCPUに対して、75Mのアクセラレーターですから、同じ作業をした場合にその効率は雲泥の差でしょう。
程度の差こそあれ、124Mhzのクロックで 動画の再生を可能にし 尚且つPDAも動かすCPUがありますから(CLIEのやつですね)速度としては十分なのでしょう。
ただ、考えてみれば判ると思うのですが 今までのCPUでは満足にフルフレームの動画が見れなかったのですが、これでちゃんと見れるようになったと言うわけなのです。逆に言えば今までのPDAでは満足な動画が見れなかったということです。
さて、この2700Gですが どちらかと言うとまだ1世代目のルーキーです。試行錯誤の部分もあるでしょう。
ユニットの中で、どの部分を独立させるかとか クロックの動的変動はどうすればいいかといった事に関しては未だ未知数なのではないかと。
例えば、アクセラレーターの付いていないPDAで動画再生をすれば、勿論その処理の重さに応じて 動的にクロックが変化し 必要の無いところでは遅いクロックで消費電力を下げ 必要なところではクロックをあげると言う処理を自動的に行っているのですが 今のところそういった処理をされているようには見受けられません。
また、多くのデコーダーを搭載しているのですが テレビのSWのスタンバイと同じでいつ使われるかも解らない付加機能は 電気を切るわけではなくスタンバイの状態で待っているのでしょうがその際にも待機電力に相当するものを消費しています。
また、制御の面でもLCDへの出力を2700Gを使って表示するモードと バイパスして直接表示するモードがあり バイパスする時には2700Gを止めておくといった使い方も可能なのですが OSはそういった制御をサポートしていないので 今後、アプリケーションによってどちらのモードで動くかなどメーカー提供の(誰か作ったりして)アプリケーションが出て アプリケーション毎に動作モードを変えるといった動きも出てくるでしょう。
MP3の再生時に、アプリケーションによって電池のもちが違うと言うような書き込みをどこかで見ましたが、画面の表示などの詳細な部分を無視すれば その動作はハードウエアー的に動作するMMXコアの処理で動作し パワーマネージメントが正常に働いているならば 恐らく今までのPDAの2/3程度の消費電力で再生することをハードウエアーでは可能にしています(ともあれ、じゃあどのソフトがそれに対応しているかと言うとわからないし 意外と全部対応してなかったりするのですよね)
例えば、表で無線LANでインターネットを行うとしましょう。
今までのPDAの場合とPXA270の場合。
Anyのフリースポットでは大きな差にはならないでしょうけど、今後セキュリティが強化されていった場合 暗号化処理を付け加えられた無線LANの場合 勿論ハード的に対応していれば良いのですが そうでない場合PCですら負荷に成る処理です PDAにおいては何を言わんとする。そういった部分に置いてはPXA270の搭乗は喜ばしいことでしょう。
当然、ハードが出なければソフトが対応することは無いのですが 現状、ハードウエアーを設計した人達の意図がどうにもあまり反映されていない状態のような気がします。
みんなの言うところのキラーアプリ BetaPlayerも 2700Gに対応して初めてX50vの価値が再認識された感があります。
他の機能も結構すばらしい物なのですが、WEPにしても 各ポイントがそれで無いと繋がらないような状態でなければ価値も半減です(って、ソフトが対応して後ですよ)。
せっかくのVGAの液晶も、ソフトがネイティブに対応していなければ 多くのアプリケーションで折り返しは無いものの、画面の1/4ぐらいの部分だけに細かい表示がされているだけになっています。
故に、「VGA機 以外では見れたもんじゃない・・・」となるのも嫌なのですがなんとなく3段階ぐらいに表示するモードがあってもいいと思うんですが・・・
スマートフォンとまで言わなくても、電話兼用のPDAなんかでVGA表示はつらいでしょうから。
ハードが出て、一番乗りに買って楽しむのも面白いですし ソフトが出揃ってから実用的に使うのも悪くないですし それだけのタイムラグが発生すると言うことは それだけ複雑な機器になってきているのでしょうね。
Palmのリストウオッチがでて 私のX−PROがあって どちらも一昔前のPalmOS4ながら動画も音楽も聞かないのであれば十分実用になるデバイス
動画も、音楽も楽しめるようになったという事だけでも大きな進歩だと思っている今日この頃です。
勿論、X−PRO君は実用本位といわれても十二分に可愛いですよ。
他のどの子よりも・・・