電話料金のねじれ

固定電話で、Ip電話以外では双方の通信が無料になるというパッケージは存在しません。
これがPHSならWILLCOM、携帯電話ならSoftbankやE−Mobileで存在します。
価格的にも距離やプランによっては携帯電話が安くなったりします。
価格のねじれが起こっていて、頭では分かっていても感覚的に起きているということに矛盾を感じていませんでした。
今回勧告に出かけて初めてそのねじれを感じたわけなのですが・・・
 
私たちはプリペイドを持って、携帯電話にSIMカードを入れて使うという使い方をよくしているので最近あまり手を出すことがなくなったのですが、携帯電話を旅行者が普通に帰るようになってきたのはどの国でも最近のことで、それ以前は多くの国で購入することができませんでした。
その時に通信手段としてよく使ったのがテレフォンカードです。
といっても、日本でいうところの公衆電話に入れて使うテレフォンカードではなく 海外への通話を安価に行うためのカードです。
 
海外でのテレフォンカードは、まず裏に書いてある電話番号に電話して、ガイダンスに従い同じく裏に書かれたシリアル番号とパスワードを入力し、相手先電話番号を入れるとつながるような仕組みとなっています。
多くの場合は、フリーダイヤルになっていてこのカードの料金以外必要がないというようになっています。
なぜこのカードを使うかというと、料金の問題で日本国内で長距離通話をするのに比べても安い料金で韓国から(もしくは購入した国から)通話ができます。
実は私の家の近所でもたくさん売っていて、日本から韓国に電話するのにこの仕組みで安価に電話できるカードとして売っています。(コリアンタウンの近くに住んでいますので)
で、別に買うわけではないのですが つい目が行ってしまって 日本までの料金を見たりすると日本の市内通話+アルファ程度の料金でOKでした。
その、価格表の中に Phoneと Mobile Phoneと二つに区分けされていて双方で料金が異なります。
そして、Mobile Phoneに対してのほうが日本では安く通話ができます。
一応、一覧の中を見てみても こういう価格配分になっているのは日本だけのような気がしました。
 
こういったテレフォンカードの仕組みはどうなっているのでしょう?
たとえば韓国の場合、インターネットに接続されたPCを二台用意して 双方に電話回線をつなぎます。
当然、一台は韓国で一台は日本。
韓国から電話したい人は 韓国のPCに電話してPCのアナウンスの通りに操作すると、このPCでデジタル化された音声データが日本のPCまで届きます。
日本のPCは韓国のPCに指定された電話番号に電話をかけてデジタル化された音声データを音声化して電話線に乗せるという作業を行います。
この場合、かかる費用はインターネットの回線や設備費用を除くと 韓国の市内通話料金+日本の市内通話料金(基地局の場所次第)だけがかかります。
この料金にそのほかの経費と利益を乗っけた金額がお客に請求されるというわけです。
インターネットの回線使用料が請求されないので、距離が遠いほどお得となります。
反面、回線が必ずしも安定しない場合もあり経路によっては 遅延や音質の低下が顕著に出ます。
また、回線が混んでくると大した回線数を用意していないので簡単にパンクしてつながらなくなったりします。
仕組みとしてはすでにカビが生えるほど昔からのやり方です。
 
最近、IP電話と携帯電話を組み合わせたプランが出てきています。
例えばBBフォンなどでは昼間のソフトバンクとの通話が無料であるとか。
であれば、たとえばこういったカードで電話をかける先がソフトバンクであると特定されていのであれば最初から専用のゲートウエィを用意すれば、前の例でいけば時間によっては韓国の市内通話の料金だけで日本国中のソフトバンク携帯と無料で通話できます。
同様のプランがほかのキャリアからも出てくれば 先に相手先さえ決めておけば携帯電話は全部無料も難しくない。
たとえばSkypeの日本法人(ってあるのかな?)ソフトバンク限定でここにかけると基本1分1円とかも可能になってしまいます。
利用の仕方にいろいろと制約があり、約款等に書いてあるでしょうが 海外の業者が個人契約でこういったことをした場合には、あくまでも日本国内のPCが電話をするだけですから特定することなど無理に近い。
取り締まることは物理的に難しくなるわけです。
すでに、PHSつまりWILLCOMではIP電話(050)の電話において24時間無料になっているのですから そこに関しては今でも出来る訳です。
これに関しては、キャリアが異なっても無料なので、約款ウンスンを超えてしまいだめとも言えない訳です。
もしかしたら、こういった回線を使っているのかもしれません。
 
逆転ととるか、固定電話の料金体系がおかしいと取るかは人それぞれですが、どんな僻地でも人さえ住んでいればNHKと電話は使えるというサービスを提供するのが原則となっていますから そのコストを首都圏の人が負担しているとすれば その価格に疑問があるのもやむ負えない。
逆にいえば、日本以外では 僻地は電話が通じないものというのが常識の国もたくさんあります。
どれがよいかは選挙を通じて国民が決めることですが、経済効率だけを優先したこういった外圧が流れ込むと効率だけになるかもと
E−Mobileも人口の多い地域だけしたサポートしなければ安くできるという理屈であれば 今後を考えると・・・