第3の携帯電話 ソフィアモバイル

最近、ヨドバシカメラなどに行くと時折見かけるのが「ソフィアモバイル」という電話なのですが 実は正体不明と思われている人が殆どと思います。
海外への電話が安くなるなどのアピール点に関しては 恩恵を受ける人が少ないことから海外からやってこられている方などが見られているのを見るぐらい。
DOCOMOAUなんかに比べて知名度も低いし そもそも電話の何をやっているんだという感覚ではないでしょうか?
形態や規模はともかく DOCOMOAuなどと同じ国内で携帯電話を提供するキャリアの一つであるわけです。
あまり一般的にはならなかったのですが、IDEOSの発売時に 日本通信からもIP電話が出たこともありますし、AUでもSkypeを標準実装してIP電話を売り文句にしたこともあります。
それらと同様ソフィアモバイルもIP電話を利用した音声通話を提供するキャリアとなります。
 
IP電話という発想は昔からなかったわけではありませんがなかなか実用的にはならなかったわけです。
勿論、固定電話では少なからず出てきていますし 突き詰めれば現在の携帯電話はデジタル方式に変更されてから Ip電話と言えなくもないという感じなのです。
ただ、電話というのは音声を扱うので 伝達の遅れである 遅延に非常にシビアで 途中で途切れたりすると情報の伝達そのものが成り立たなくなるので 再送というめんどくさい結果となるわけです。
それを支えるためには安定した高速な回線が必須なわけです。
最近話題になっている パケット通信時に発生するパケットロスが多いとか少ないとかいうレベルで少なくないと成り立ちにくいサービスなのです。
パケットロスは再送を発生させ 再送が発生すると どうしても伝送に遅れが出てしまいますので
ソフィアモバイルは回線にDOCOMOの携帯電話回線を利用しています。
恐らく日本の携帯電話用の回線の中では最も安定している回線であろうかと思われます。
このデータ通信専用回線を使ってIp音声通話サービスを提供しています。
 
最大の特徴はその料金です
月額(二年契約の場合) 4200円が料金のすべてとなります。
他には通話料のみとなります。
通話料もIp電話らしく ソフィアモバイル間は無料です。
国内に関しては固定電話は距離に関係なく 6円/分 携帯電話相手には17円/分となります。
海外に関しては 国内固定電話より安い価格が設定されているのですが 個人で使われている人の多くにはメリットがあまり出ない事でしょう。
何よりものメリットは この料金の中にはパケット通信の費用全てが含まれていることと、このパケット通信の範囲にはPCを利用したデータ通信も含まれているという事です。
最も近い形態の契約でいえば E-Mobile日本通信のTalking SIMとなると思いますが
e-Mobileの場合4580円が基本料金で通話はこれより高くなります。
Talking SIMの場合は パケットの通信速度を同じ速度に合わせたとすると 6260円となってしまうわけです。
勿論、通信速度を落として安くする事は出来るわけですが それではパケット通信がメインと考えているユーザーにはフェアな比較とはなりません。
この価格はデータ通信専用と考えても高くないものとなるわけです。
 
音声通話の品質について
この辺りは実際のところ聞いてみないと解らないのですが、Skypeを例にとるなら回線状況さえ良ければ わずかに遅延を感じる程度で音声そのものはかなりクリアに聞こえるというのが現在の印象です。
恐らく同等以上の品質ではないのかと思われるのは 実はDOCOMOMVNOと簡単に言っていますが どうも DOCOMOから直ではなく日本通信を経由して借りているようなのです。
基地局に直接つながるような回線を与えられている日本通信は、IDEOSの通信の時にでも 300Kという帯域しか与えていないIDEOSできっちりIP電話を通して見せました。
どこまで両者が親密な関係を持っているかわかりませんが その辺りの配慮があれば優先的に帯域を割り当てられていることも考えられ それ故に安定した通話が可能なのではと思われるわけです。
僅かな遅延が気になるならともかく、最近相手がIp電話のところも少なくなく 少なからず遅延していますので(結構 BTヘッドセットでも遅延してますし)気が付かないレベルのような気もします。
 
じゃあ問題が無いのか?というと実はそうでも無くて
端末そのものの問題として、端末側でIp電話のアプリケーションを動かしますので 重さはあります。
端末が通常の問題であれば問題ないのですが 重みのかかるアプリケーション、例えば動画再生中などに電話がかかってきたときに正常に対応できるのかとかいう問題があります。
そして、これは正しいデータを出してほしいと思うのですが Hpの端末の情報 IDEOS X5なのですが
待ち受け時間 GSM:最大300時間 WCDMA:最大350時間 となっていますがこれはIP電話アプリケーションを動かしての時間ではありません。
IP電話のアプリケーションを実行すると 相手から電話がかかってきたときに1秒程度の遅延で反応(電話が鳴る)する必要があります。
故に、常時パケット接続がされ続けている状態となります。
一般的なスマートフォンでもメールの受信ですら15分や30分に一回と設定するように常時接続の状態はバッテリーの消費が少なからず発生します。
それに加えて、Wifiでの利用も想定されていて それも接続しっぱなしとなります。
そして通話中はアプリケーションが動き続けているので スリープに入ることが出来ないので 通話中のバッテリー消費量も一般の通話に比べて大きくなっているはずです。
つまりバッテリーの持ち時間が少なく 不安を覚えることとなるはずです。
 
ただ、IP電話ならではの利点もあります。
ソフィアモバイルでは「内線」と表記されていますが、例えば夫婦でこの電話機を持っているとしましょう。
旦那さんの方に電話がかかってきて話をするわけですが「そういえば 奥さんにも用事があったんだ・・・」なんて言われたときですが 普通なら一緒に居なければ「じゃあ奥さんに掛けてください」と電話番号を教えることとなるわけですが、この電話では「ちょっと待ってくださいね!!」と言って 奥さんの電話に通話中の電話を 転送することが出来ます。
プライベートで登場する機会はそうないのでしょうが、会社であれば会社にかかってきた電話をそのまま 営業担当者の電話に転送したりという使い方もできるわけです。
実際に携帯電話キャリアでも 電話交換機とセットにしてこの機能を使える製品も出ていますが、端末を契約するだけでこの機能を使える点は大きなメリットとなるはずです。
あとは、常時通信が成立している状況にあるという事なら メールなどの受信もリアルタイムで受けることが出来るわけです。

パケットの利用規制などの話が盛り上がっている中、将来的にこの定額サービスが維持されてゆくのかどうかという点には不安要素が無い訳ではないのですが
「使える」というレベルで電話を選ぶのであれば、こういった選択もありという事なのかもしれません。
恐らく 法人契約メインで販売されているのでしょうが 個人での契約も可能なようです。
端末代金は必要ですが、月4200円のデータ通信専用回線でDOCOMOという条件で考えても決して高くないというか安い回線の一つです。
その中での検討という意味では悪くないかなと正直思うわけですが、恐らく誰もノーマークだと思うので 書いてみました。
IDEOS X5も ちょっと欲しいし(笑 もちろん技適対応 日本語版ですよ!!)

written by HatenaSync