電圧のお話し

自転車にのって気持ちよく走っているとしよう。
平坦な道を普通に走っているとペダルを1分間に10回回転させていてそれぐらいは普通の状態で 汗を書かない適度な運動として良い状態でした。
しかし、前に坂道がやってきたのです。
まあ、自転車の話だとすると 少しスピードを上げて坂道に備え 坂道で速度をおちること覚悟で突っ込むわけです。
汗をかきながらなんとか登りきったところで恐らく速度は最も落ちた状態になっている事でしょう。
自転車の話だとすると 坂道の所で変速して 足の回転数を変えないようにギアを下げてトルクを稼ぎ出して体力の消費を抑えて速度を落としたりもするわけなのです。
逆に下り坂に入ったとたん スピードは上昇してゆくのですが 足に力が入っている訳もないので 風邪が気持ちいい(今の季節は寒いかな?)となる訳です。
この辺りは なんとなくイメージとして解ってもらえるかと・・・・
 
電気の世界もそんなに変わらない訳で
動かす機器が重くなって ペダルをこぐ人間の能力次第では耐え切れなくなるわけです。
ペダルをこぐ人間を電池とすると 電池の能力には限界があります。
電池の性能として よく話題になるのはその容量です。
水筒が1l入りか2l入りかという貯められる電気の量を示すような値です。
問題は話題にされにくいのですが 水筒の注ぎ口の大きさなのです。
実はリチウム電池というのはその注ぎ口が非常に大きく、NiMHと言われるニッケル水素、NiCdと言われるニッケルカドニウム電池などは注ぎ口は比較的小さい物となります。
乾電池はというともっと注ぎ口は小さく、容量も小さい物となる訳です。
もう一つ、5Vの電池という物は存在しません。
故にリチウム電池であれば3.7Vを昇圧して5Vにするか 直列に二つつないで7.4Vを降圧して5Vを作ります。
それ以外の場合は1.2Vを4本で4.8Vを昇圧 若しくは5本で6Vを降圧となるのですが この場合は本数の切が悪いので 4本となることが多いわけです。
その昇圧、降圧回路にもいろいろな種類があり 最も単純な降圧回路は抵抗1本だけという物から インバーター式のICで昇圧をかけるものまであります。
そしてこの昇圧、降圧回路は 水筒から水を送るパイプのようなものなので この太さも文字通りボトルネックとなる訳です。
 
SmartPhoneは大容量のバッテリーとなっているのは普通の話として出ているわけです。
この場合、貯めれる電気の量が増えているという状況です。
貯めてる電気の量が増えているという事は 使える時間が長くなって良くなったという訳なのですが 実は困ったこともあるわけです。
いままで携帯電話をバケツとすると、SmartPhoneやTabletはごみを入れるポリバケツだったり 風呂桶だったりのサイズとなる訳です。
普通に水道でバケツに水を入れて拭き掃除を入れるのは良いのですが、これがポリバケツや風呂桶となるとそのレベルでやっていると仕事にならないのです。
最近は減ってますが市場などに行くと 大きな蛇口の水道が有ったりします。極端な例でいうと消火栓みたいなものです。
こういった 大きな蛇口の水道で一気に水を送り込むと貯めれるわけですが 普通んお水道で送っていると お風呂が溜まるのを待つように20分ぐらいかかるわけです。
普通の水道をUSBの給電とすると 500mAという電気の量を供給するので 効率が100%として 7000mAのTabletの充電には14時間かかってしまうわけです。勿論、効率は最低でも30%以上落ちるので もっとひどい事に・・・・
一日おきにしか使えないとなると不便なので TabletやSmartphoneには大きな蛇口の水道を用意するわけです。
それぐらいにしないと、充電できないからなのです。
 
で、リチウムバッテリーはともかくNiMhのバッテリーなどの場合 もともとの蛇口が小さいのに 大きな蛇口に替えないとSmartPhoneやTabletに充電できないので大きな蛇口に付け替えては見たものの 流れる水の量が少なければ話にならないので 水を送り出す側をちょっと高い位置に持ってきて水が落ちる力を利用して余分に引き出して水の量を増やしたわけです。
これで、何とか太い蛇口並みになったわけなのですが 機械を繋いでいる間は良いのですが 繋いでない状態で非常に低い負荷 例えばテスターで計るだけとかの状態になると・・・
そう、蛇口の太さでは無く圧力のかかった水が飛び出している状態、つまり電圧は高いが電気の量は少ない状態となります。
でも、この蛇口にSmartPhoneやTabletを繋ぐと 蛇口の太さの分に水が回って飽和して 適正な圧力となる訳です。
故に、テスターを当てたときに6Vでも実際にSmartPhoneやTabletを繋いだた5Vになるという物もあるわけです。
逆に5Vがテスターで測定できたから安心と思っていても 機器を繋いだら4Vとかに落ちる機器もあるわけです。
電子パーツ屋さんで ACアダプターのコーナーなどを見に行くと「解放電圧」と書いてある項目があると思うのですが これは無負荷でテスターを当てた際の電圧で、安定して機器を繋いで発生する電圧を定格電圧という表記になっているわけです。
 
SmartPhoneやTabletで使える外部電源なのですが
まずは蛇口の太さの分供給できるだけの電気の量を持っている必要があります。
どんなに頑張ってもストローぐらいの細さしかないパイプで供給されているもので 風呂桶サイズの入れ物を満たすのは不可能に近いのです。
充電の場合ある一定以上の電気の量が無いと充電ではなく それが呼び水となって電気が減ってゆくという状況が起きたりします。
もう一つはもともと持っている電気の量の問題。
これは1Aや2Aとかいてあるあれで 電気の量的に足りなければいけないわけです。
多くの場合、この手の器具の実験でテスターを当てて電圧を計っているわけですが これは解放電圧を計っているにすぎず 器具を繋いだ後の負荷電圧でなければ ほとんど意味が無い訳です。
解放電圧と負荷電圧の差が少ないほど余裕のある回路だろうという事が解る程度なのです。
特に定格最高値 1Aの器具であれば2Aで充電するGalaxy TABなんかを繋ぐと 電気の量が足りなくて電圧が低下したりという状況が発生します。
これが1Aしか給電できないが 電圧低下も起こさないタイプの充電器であれば充電は行われるが、同じ1Aタイプでも上記のような器具であれば充電がされないという事が起きるわけです。
おかげで、充電アダプターや外部電源によって使えるもの使えないものが出てくるわけです。
昇圧回路を付けて充電が成されたりするのは 下がる前提で持ち上げて下がった状態が充電できる電圧にしているに過ぎないわけです。
 
自転車の例でいうと 私がいくら頑張っても自動車ほどの速度にはなりませんし、とくに坂道がきつい場合役立たずなわけです。
それが競輪選手のような人を連れてくれば へっちゃらで坂道と気が付かない勢いで登ってしまうわけです。
それでも自転車を降りて二人が並んでいれば(解るけど)坂道をぐいぐい上るかどうかなんてわからないわけです。
電圧という物は変動しない なんてことはなくて 非常によく変動します。
その変動を捕まえて、何故そうなったかが解らないと このあたり迷ってしまうばっかりで・・・・
後は、中国製が多いので 「うそつきは誰だ!!」と見極める能力も必要という訳なのですが・・・・

written by HatenaSync