夢のレンズ

カメラを使っていて、距離に合わせてピントを合わせる仕組みなのですが レンズを前後に伸ばしたりちぢめたりしてレンズ間の距離を調整してピントを合わせます。
故に、内部なり外部なりで前後に動くメカニズムが必要なのと 複数枚のレンズの組み合わせとなるわけです。
レンズが一枚で済めば レンズ一枚分透過するだけなので 明るくなること請け合いなのに・・・・ なんて思ったことないですか?
そんな夢のような話ができないから こうやって組み合わせのレンズを使うんだろう・・・なんていう人は頭の固い人でしょう。
すぐ近くに 実は非常に良い例のレンズがあることに気が付いてないだけだろうと思うわけですが・・・
それが 動物の目なわけです。
 
人の目、それも人間の目というのは 人が感じることのできる色や光にチューニングされた専用のレンズを装備しています(当たり前)
このレンズは非常によくできていて やわらかい樹脂のようなレンズをその周囲についた筋肉で引っ張ったり離して縮めたりという動きでレンズの厚みを可変させてピントを合わせているのです。
故に、近くも遠くもピントの合う絵を網膜に作り出してくれるわけです。
映し出す受光素子もよく考えられていて ドーム状になることでレンズからの距離を等しい長さにして レンズで発生した歪みを吸収するわけです。
じゃあ同じものを作ればいいだろうとなるのですが これがなかなか難しく 幾つかの実験室での商品なんかはあったりするのですが 実際には商品にならないというのが現在の所なのです。
 
先日、というかテレビで紹介されたりもしているのでしょうが ベンチャーな会社が面白い眼鏡を発売しました。
アドレンズ・ジャパンという会社の開発した 社名の付いたアドレンズ p.o.vという商品です。
詳しい事はどうも書いてないのですが 仕組みなどの簡単な説明から見る限りでは 樹脂製のやわらかめの板を二枚合わせて その真ん中にシリコン樹脂を充填してある仕組みのようです。
そして、シリコン樹脂の量を外から押し込んだり抜いたりで 圧力を変えてレンズの厚みを変化させるようにできているようです。
実際の商品はというと 我慢できずに買ってしまうわけです(笑
 
まず本体は非常にシンプルでスタイリッシュなケースに入っています。


中から出すと ちょっと珍しい形をしたメガネが・・・・

最も特徴的な部分は、眼鏡のサイドのつまみ部分です。

レンズが円形なのは 変形時に偏った変形をする可能性があるので 必然ではないかと思います。
そして、そこに入っているシリコンの量を調整するのは両サイドのつまみを回すことで行われます。
いくらなんでもデザイン的にどうかと・・・・と言われるかもしれませんが 実はこのつまみは外せます。
外して写真を撮りたいところですが 一度外すと二度と付かないので 貧乏性の私は一生外すことができないような気がします。
外した後には中の圧力が変えられなくなりますので 付属のキャップで塞いでおくと 普通の眼鏡のデザインとなります。
レトロチックではありますが 今ならあってもおかしくないという感じです。
 
何よりもこのメガネの特徴はレンズなわけですが・・・どう表現したらわかり易いでしょう。
うーんと、こんなのはどうでしょう?
同じ被写体をこのレンズを通して見ます。


見難くて申し訳ないのですが 前者は最大拡大ですので 移っているマクドナルドのチラシは拡大されて映っています。
二枚目は逆に最少なのでレンズ内にチラシの端まで映ってますが レンズの外にチラシの端がまだ見えているような状態です。
つまみを回すことで 右目左目毎に可変することができるわけです。
目で見てわかるほどの効果があるわけです。
実際私が掛けてみてですが 0.01〜0.02の私でも何とか調整可能範囲で見ることができます。
 
実際に日常使うとなるとどうだという事なのですが 実は日常には少なくとも私は使えません。
私の目は強度の近視なので 既にレンズに歪みが入っています。
という事なのでいわゆる乱視状態にあります。
流石にこの仕組みでは乱視まで可変することはできないのでその関係で 見えるようになっても普通の眼鏡のようにはならないわけです。
それでも、このメーカーでも書いていますが 発展途上国向けなどでは威力を発揮することでしょう。
目が見えないから教育が受けられないとか 十分なまともな生活が送れないなど世界ではそういった人たちも少なくありません。
また震災の時のように 着の身着のままで逃げだしたとき 眼鏡屋さんの復旧なんて それこそ何日ま手放されるかわからない。
その時にこれがあれば 多少乱視がどうだといったところで 見えないよりは100倍も1000倍もましなのです。
 
カメラのレンズに使えるのか?
おそらくあまり調整を続けると持たないだろうと思いますし シリコン樹脂という事であれば透過度も今のレンズほどではないような気がします。
表面の処理もそれほど固くはないと思うので 長持ちするかというと困ってしまう事でしょう。
それでも 1万円しない価格でこういったものが出てくるという事は正直 こんな技術も期待できるなと。
これから安いカメラなんかでは レンズが3枚ぐらいしか入ってないとかもあり得るかなと思うとちょっと楽しくなったわけなのですが・・・
 
アドレンズさんのHPはこちら http://adlensjapan.co.jp/
私はJust Shopで買いましたが Amzonなどでも手に入るようです。
かなり面白い仕組みです。

written by HatenaSync