電線から火を噴いた!!

最近、コンセントから火が出たとか話題になることがあるわけですが あれは「トラッキング火災」なんて呼ばれるもので
無人島にたった一人で流れ着いたら・・・なんて番組がありますが火を起こすのに木の棒をこすりあわせて火をつけて・・・なんてシーンをみることがあると思います
もちろん、木を擦ったぐらいで火は起きなくて弓のような棒を作って その弦に棒を巻き込んで前後の運動を棒の高速な回転運動に変換した上で 実は綿ぼこりのような物に火をつけているわけです。
簡単に言いますが、くすぶった綿ぼこりの火を何かに移すのが一番大変なわけです。
と、同様にコンセント内に入った綿ぼこりに火がついたのがこの火災です。
じゃあ、コンセントの中は熱いんだと誤解されてしまうかもしれませんがふつうは温いぐらいで火が着くほどではないのです。
なぜこんなことになるかというと これもほこりが悪さをするのですがコンセントは金属で出来ていてプラグも金属で出来ていて 両者が接触することで電気が流れるわけですがこの間に埃が入ると接触している面積が埃が挟まった分小さくなって、その分電気の流れる道が狭くなると電気を流したときに発熱してしまうわけです。
そして、その熱が挟まった埃に移って・・・となるわけです。
 
電気を例えるには水や空気を例に出すことが多いのですが、この場合解りやすいのが掃除機などが解りやすいと思います。
隙間ノズルなんかで棚の奥などを掃除していると 実はノズルが思った以上に熱くなっていてびっくりと言うことがあると思います。
これはノズルが絞られたところで、同じ量の空気を狭い空間に押し込んだので空気の速度が上がって温度が上がったわけです。
もっと言うならストローを指で潰して息を吹き出しても温度が上がることは確認できると思います。
あくまでも同じ量を流そうとするから 無理が来てしまうわけです。
「この延長コードでこの機械を使ってて大丈夫??」なんて聞かれることがあるわけですが その場合はその機械を最大出力にしてもらって電線を握ってもらうとこの電線の温度が上がらないぐらいなら大丈夫と言う程度に答えています。
危ないものであれば5分もたたずに熱くなってくるのでよくわかります。
これも同じで、電線の太さは家庭用の延長コードであれば1.25とか1.6とか2とかある程度決まっていてその太さに応じて流せる電気の量は違ってくるわけです。
単純に太ければ多くの電気が流せて細ければ小さな電気の量しか流せないわけです。
これが、大丈夫かどうかの判断基準となるわけです。
 
ここで、電気の量という表現を使っていますが
電気の量ってなんでしょう?
一般的な理解では「電気の量=電圧」ですが、コンセントにはそんな表記していないですよね。
電気を表す単位には電圧のVだけではなく、電流のA(アンペア)何かが使われるわけですが どちらかというとこのAの方が電気の量という意味では それを表現している物となるわけです。
本来は電圧と電流を併せて、W(ワット)なんて単位で表記するべき物なのですが それを見なくても常に電圧は100Vなのでこの機械が電気をたくさん消費するかどうかはAを比較してやれば解るわけです。
電流と電圧を掛ければ、消費電力となるわけですから。
 
日本では100Vなのですが海外では200Vで使われているところが多いわけですが、なぜでしょう?
実は日本でも、電柱の上には6600Vの高圧で流れてきていて電柱の上の丸い機械で100Vに落とされているわけです。
水で表現しましょう、水鉄砲でぴゅっと飛び出す水は圧力が高いので遠くまで飛ぶわけですがそのまま水タンクをひっくり返して水を投げてもあれほどの距離は飛ばないわけです。同じように発電所からはすごい距離があるので 高い圧力で送る方が届きやすいのです。
もっと言えば変電所まではもっと高い電圧で送っているわけです。この方がエネルギーに無駄が出にくいからなのですが、じゃあ家庭に何故入れないかというと入れると近づくだけで電気が放電して簡単に死人が出るからで、山の中を走っている鉄塔などがむやみに高いのはそれだけ高い電圧で送っていると言うことなのです。
でも、高ければ高いほど効率はよいので アメリカ式に導入した日本は100Vですがそれ以降に導入したところは200Vが増えてゆくわけです。
日本でも最近200Vの家電が増えてきているのはそのせいなわけです。
 
先日、質問いただいたのですが「海外で使う延長コードは何を使ってますか」なんて話なのですが、幾分グレーなところも通るわけですが
「私は日本で売ってる奴を そのまま使ってます」なんて返事をしました。
最初に書いたとおり、電気の量は電圧×電流で表記するわけですが 電圧が100から200になると、電流は同じで電気の量は倍消費される・・・とはならないわけです。
機械が使うエネルギーが同じと言うことは使われる電気の量は同じです。だから100から200になった分は電流が下がるわけです。
と、いうより最初に書いたとおり延長コードの使えるかどうかは電気の量で決まるわけですから 100Vで使えたコードは200Vでも使えるわけです。
もちろん、近づいただけで放電が発生するような高圧は別としてですが・・・・
で、グレーな点ですが 日本で携帯電話を使うときに技術適合マークがあるかどうかというような話があるのと同様各国は各国なりにこういった製品に関して技術的にその国の法律に乗った作られ方をしているかどうかの規定があるわけです。
日本は、この点においても独自の規格を採用していて(おそらく世界で一番めんどくさくて役に立たない。今でも天然のゴム素材を要求する電線があるって・・・どんな時代錯誤)日本でOKならまあまあ大丈夫なのですが 必ずしも国の法律に適合しているわけではないのでお気をつけください。
もちろん、コンセントの形状が異なりますので変換アダプターはお忘れなく。
そして、240Vまで対応の機器だけをつないでくださいね。
 
では、何でもいいのか?というとそうでもなくて
話題に出たのはうSBアダプターの内蔵された物の場合なのですが、実はこれ台湾のメーカーが一時期出荷していたものでこの会社の製造ではないかと思われるのですが これは分解してみましたが100Vオンリーの対応だったので200Vに突っ込むとここが燃えてしまうはずです(実際にはヒューズが入っていたので 壊れるだけなのですが)。
他にも、サージプロテクターの着いたタイプの一部で電流そのものが流れないものや ワットチェッカーの着いたタイプの針が振りきったりと色々なことがどうも起きるようなので何も着いていないタイプを選びましょう。
最近ACアダプターの殆どが100−240V対応なので、変換プラグの先に日本の蛸足タップをつけて使う充電方法は実は私もよくやっていてトランクには3口アダプターが入っています。
じゃあACアダプターの消費電力なのですが 非常に大きいと思われる100V1.2A程度なので120W程度。
おそらくここにそれ以上の物がつながるとは思えないのでもっとも細いタイプでも700W程度の耐圧はあるのでここにTablet&Smartphoneをつないでも200Wにも到達せずに問題がないわけです。
女性の方は気をつけていただきたいのがドライヤーです。日本は電気が潤沢なので1200Wとかの物があるわけですが、海外ではそこまでの消費をする器具を元々つなぐこうとを想定されていない場合があります。
安ホテルではつけたとたん焦げ臭い臭いが始まって・・・なんて事もあります。
もっというと、線が切れていきなり停電もあるのでこれは気をつけてください。
エアコンを2時間以上連続して点けるなというような注意を受けたホテルもあるので(どこに泊まっていると言われそう)必ずしも安心してはいけないことではあるのですが・・・・
 
海外でも日本でも実は電気は電気で変わるものではないので 理さえ外さなければ
是非、海外でもモバイルライフを楽しんでくださいね!!

追記:ちなみに、200Vが怖いということですがLANケーブルの中の線ありますよね。あの細い奴。
   あのケーブルの耐圧は500Vですので 他のケーブルのことも推して知るべしという話です。