危ない互換性!!

最近Tabletの記事を見ていて気になるのが 「充電アダプターが独自の・・・」という表記。
確かに、充電アダプターを機種毎に持ち歩くなんて・・・という気持ちは解らなくもないわけですが
 
携帯機器のバッテリーはリチウムポリマー電池の登場で大きく変化します。
両端の電極の間にポリマー樹脂の溶液に入ったリチウムが蓄電する仕組みなので形の自由度は非常に大きく 昔は電池と書けば丸い円筒状の物だったわけですが シート状の形状で 厚みも面積も形すらも変えれるというものになりました。
ゆえに、中国などで特殊な端末のバッテリーを頼むと 現物合わせで鋏でポリマー電池を切って電極を付けて出来上がりという 高度な技術なのかどうかが解らないような提供のされ方をしたりするわけです。
もちろん、これが安心して使えるものではなく 以前、交換騒ぎになったリチウムポリマーバッテリー等は そのポリマー樹脂の中に落ちた金属片に電気が集まり発熱したような状況なのです。
鋏で切ったバッテリーに金属片どころか何が混ざるかわからないわけで それを使っていればどうなるかぐらい想像がつくはずです。
まあ、サードパーティー製のバッテリーは50歩100歩なので まあそういうっものだと思えばいいという話なのですが。
このバッテリーも初期のものが登場した時は爆発騒ぎを起こすはなしもあり 危険物だったのですが 温度を測定してその温度で制限をかければ何とかなるとわかってからは バッテリーに内蔵する温度計などが部品市場では一躍注目を浴びたりしたわけです。
リチウムイオン電池用の温度計チップだけで成り立っている会社もあるぐらいだから バッテリーの出荷量とその需要は驚くべきものなわけです。
 
扱いが安定してくると 当然その性能に対する要求も厳しくなり 非常に薄いそれこそ紙のようにとまではいかないものの 薄いノートぐらいのバッテリーはいくつも出てきていますし その容量も携帯電話に利用するサイズの物ですら2000mAなどというすごい容量になっています。
折り畳みのガラケーといわれるものが 市場を占有していたころは 300mAとかのバッテリーで動いていたのでいまやその何倍も増えている割にはこの程度で収まっているということが驚異的なのです。
そして、少し大型のTabletとなると5000mAとか巨大なバッテリーを装備しています。
それこそ、2時間ぐらいだったらノートパソコンも動きそうな・・・というレベルなのです。(mbookを考えればですが・・・)
 
当然、それだけのサイズのバッテリーとなると出る電気も多いということ以外に それを貯めるのにも時間がかかるわけです。
ゆえに大容量のアダプターだったり、電圧を高くして充電を行ったりという細工が 急速に充電するためには必要となるわけです。
バッテリーそのものは 3.7Vがセルあたりの電圧なので 5Vで何とか充電可能なわけです。
急速に充電するためにはできれば5.2V〜5.5Vぐらいあればよいのですが・・・・といいう端末がいくつかあるのもご存じだろうと思います。
流石に、電圧の異なるものを刺すと壊れるかもしれないと思うのは 昔子供のころに理科の実験で電池を2個、3個と増やしてゆくと豆球の明かりが明るくなって ある一定を超えたところで切れてしまうことから学習して知っているので電圧の違いに関してはよくわかるのですが 電流の違いに関してはあまり気にしていないように思われます。
 
電気を説明するのに水によく例えますが 普通にUSBで充電できる機器だとすると蛇口から水を注いでコップに入れている状況としましょう。
それに対してタブレットは多きばばっってりーなのでコップではなくバケツなのです。
コップに水を入れるのは1分だとすると バケツが5分としましょう。
実際のSmartPhoneの充電に5時間かかるとすると バケツは5倍なので25時間かかるとなってしまうわけです。
これじゃあTabletが次の日までに充電が終わらないので、1分で充電するためには5倍の径の蛇口を用意する必要があるわけです。
解りやすくということで 適当なものに例えると消防のホースみたいなところから水を出して貯めることにしました。
この大きな蛇口というかコックから水を灌ぐとすごい量の水が出るので 1分でバケツ一杯の水をためることができるようになりました。
よかったよかったと言いたいところなのですが 場所が狭いので蛇口を一つにしたいと使い勝手の面から考えて 大は小を兼ねると大きいほうだけを残せばどうでしょう??
バルブを開けたとたんに コップの太さぐらいの水が一気に流れてきて コップに水が一瞬で満たされるわけですが それが綺麗ではないわけです。
回り中に水が飛び散り コップの水は勢いで溢れてしまいました。
正に、電流量の多いACアダプターでSmartPhoneに充電するというのはこういうことなのです。
 
危険な要素としてもう一つ
水道の蛇口からホースで水を出すときに よく端っこの所を指でつぶして使ったりしませんか?
端っこを潰すことで 同じ水の量でも出口が小さくなったので圧力が高まって遠くまで水が飛ぶようになるので 水を撒いたりするときには効果的なのですが・・・
先ほどの消火栓の太さで来た水が、水道の蛇口に使うホースにつなぐという状況が正にこれに近いわけです。
頭の中で考えていただいてもわかるとおり 水の勢いは増すだろうと。
同じことが5V3Aとかいう巨大な電流量のアダプターからの出力が SmartPhoneに繋がれた状況を考えてもらうと
もともとACアダプターは5V3Aが流れることができるケーブルを使うのですが コネクターから基盤までのケーブルや基板上のパターンがこれに耐えれるように作られているでしょうか?
実は、メーカー製であればほとんどここは大丈夫なのです。
でもそのあとで、細くなった分電圧が上がったりということがあっても困るのでそれに対する保護回路などが1チップであってカバーするのですが  それでも許容範囲があってある一定以上となるとこれが壊れて抜けてしまうわけです。
そうすると、誰でもわかる高い電圧がSmartPhone本体にかかってしまうわけです。
 
過電圧には過敏になっても、過電流にはあまり敏感にならないわけですが
おおよそ、5V2Aぐらいまでは自己責任の世界で SmartPhoneに流してもどうということはないのですが それを超えると端末によってはおかしくなることがあります。
それも再生不能なレベルに。
故に、多くのアダプターでUSB端子毎に電流量の規制を設けて2A程度以上のアダプターはあまり無いようになっています。
ところが、それでは辛いのがTablet達なのです。
普通の2倍程度の電流量では充電に時間がかかりすぎてしまうわけです。
故に大きな電流量のアダプターを用意するわけですが 普通にUSB端子と 普通のUSB経由のケーブルにしたらどうでしょう?
Tabletは充電されない程度なので影響はないわけですが、逆のパターンでTablet用のアダプターをSmartPhoneに繋いだらどうなるでしょう?
事によってはSmartPhoneは一瞬で壊れてしまったり 長時間の充電でバッテリーが破損したりと 色々と考えられるわけです。
じゃあどうする??となれば 普通の感覚であれば刺し間違えないようにせざる得ないと判断する必要があるわけです。
もう一つ、電極も複数用意して 安定した給電を満たすために 平型の大きなコネクターに他のアクセサリー端子も含めて構成した部品となるわけです。
必然であり、安全対策なのです。
 
メーカーも馬鹿ではないので、ユーザーの声を多く取り入れたいわけです。
ですが、理屈としてできないこともあるわけです。
たとえば、マイクロUSBで大きな電流量を給電するアダプターでは Arrows Tab LTEなんかがあるわけですが こちらはインテリジェントな作りになっているようで普通には大きな電流雨量を流さず 機器を認識して初めて大きな電流量を流すように・・・って 無駄な努力だと思いませんか?
故に、機器認識に失敗するとちゃんと充電されない事態が・・・・ってBIOSで対応とかって 泥縄をなんとやらなわけです。
そんなことをするぐらいなら ACアダプターを二つ付けたほうがというのが海外の発想で そこを技術でなんとか・・・というのが日本の発想のようですね。
まあ、とにかく あまり的外れなことを言ってもあれなのですが・・・


written by HatenaSync