PHEVというクルマ

 
過渡期の非常に中途半端な車だと思います。
電気自動車とガソリン車 両方を持っているわけですから 電気自動車と比べるとガソリンエンジン分重くなって効率が悪いわけです。
それなら ガソリンエンジンの苦手な発進や停止直前のガソリン効率の悪い時だけ電気でカバーするハイブリットの方が燃費的には効率が良いのである。
アウトランダーPHEVにおいて バッテリーだけで約300kgあるわけですから その分を考えると効率が悪いのです。
一つはバッテリーの重量が直接燃費に影響することで、もう一つは重量故に設計そのものが重量に対応したものが必要になること。そして、なによりバッテリーが高いことだ。
 
アウトランダーは中型SUVなのでかなり私にとっては大きな車なのだが、じゃあプリウスまで待てばとなるのだが サイズ差はわずかなのだ。
プリウスPHVにしてかなり大型の車となるわけです。
それはバッテリーの置き場所を必要とするために どうしても床面積を広げる必要があるからで、もしもトランクを潰してそこにそのままバッテリーを積み込んだと仮定すると その重さで前後バランスの非常に悪いクルマになってしまうから できるだけ薄くして面積で稼ぐという手法を取るわけです。
そうすると、床面積が広がって 車が大きくなる理屈です。
おかげで純粋な電気自動車のリーフなども見た目からは想像できない大きさなのです。
 
電気の最大の欠点は 燃料補給に時間がかかること。
充電がいかに早いといえど 80%まで25分ぐらいはかかります。
ガソリンスタンドに行って 25分末となればガソリンスタンドは回転率が低くてやってられないでしょう。
もちろん、乗ってる方も待ってられないのです。
5分以内に充電して出れるようにしなければ・・・・
バッテリーの改善で 間もなくその時代が来るという人もいますが 来るかもしれませんが それだけの電気を一気に流し込むという今の電気の消費の仕組みそのものを考え直すような電気の使い方が必要になることでしょう。
安全性の問題や、短時間の大電流をどう供給する仕組みを作るかなど。
それこそ、電気スタンドの下には大型バッテリーが埋まっていて・・・なんてことにならないと供給側も困ってしまうのです。
 
エンジンと電気の両方を積むことにはそれなりの意味があるわけです。
おそらく多くの人が知らないと思うのですが エンジンの自動車の場合100馬力(この書き方が既に古い)の車で長時間は維持できないかもしれませんが 必ず100馬力の出力が出ることが保証されています。
しかし、電気自動車の場合 アウトランダーでもそうですが モーターの出力=馬力ではないのです。
実はモーターの出力の最大を発揮できるほどには 電池が電気を供給することができないのです。
中国から新しい電気自動車の会社がタケノコのように登場するのは、要はバッテリーさえ電気を十分に供給してくれれば0−100mとよばれる短距離の加速などでは モーターのトルクがはるかにガソリンエンジンを上回っている(エンジンと違っていきなりトルクが出せるのでそうトータルの意味)ので いくらでもスーパーカーが作れるわけです。
もちろん、バッテリーの技術がいきなり向上するわけではないので 安全マージンをどれだけ削るかとなると 現状の名前の知れたメーカーは危なくてできないわけです。
バッテリーは危険物なので 危険を顧みない実験がどれだけできるかも開発スピードにかかわってきますので。
また、何年もかけてプロジェクトを立てても 結果発売のころにはバッテリーの性能が格段上がっていると既存の製品を組み合わせた 手組の製品にかなわなかったりするわけです。
 
日本の車に乗る人たちの95%ぐらいは 一日60km走れたら十分なようなので、60kmぐらい走れるバッテリーを積んだ そしてバッテリーが切れた時はエンジンで走れる車ということで アウトランダープリウスPHVも登場してくるわけです。
じゃあ、電気自動車でもと言いたいのですが 週末出かけようと思うとリーフの200Kぐらいでもちょっと不安なのです。
ガソリン車でもそうですが書いてある通りの燃費にならないからです。
そして、電気が切れた時にどこでもすぐに充電できない電気自動車はやはり怖いのです。
レンジエクステンダーと言われる小型エンジンの発電機を積んでどうしても足りない時だけカバーするという手もあるのですが 走りながら発電しては追いつかないのです。
バッテリーが残っている間に 減りを少なくする、もしくは止めて充電するという用途となってしまうわけです。
 
もう一つ、電気自動車には欠点があります。
実際にはいろんな手段で解決しているメーカーもあるわけですが、モーターの出力を直接タイヤに伝える方式を取るほうが効率がいいこともあって ダイレクトドライブである車が殆どです。
その場合、発進から最高速までモーターの回転数を変化させることで速度を調節しています。
ガソリンエンジンの場合、500回転ぐらいから6000回転ぐらいまでの回転数ですが それだけでは足りないので 変速機を付けて速度に合わせてギアを変えているのです。
そのせいで、最高速度が下からのトルクを十分に出すと 低くなってしまいます。
例えば ノートE-Powerの場合 120kぐらいとなります。
モーターも回転数の幅を持たせると 最高回転辺りではかなりの熱が発生し効率が下がり高速道路では燃費の低下を起こすということになってしまうわけです。
 
それらの欠点を補うためにPHEVやPHVと呼ばれる電気自動車だけど、時折会陰人でアシストするというクルマが登場するわけです。
それが アウトランダーであり プリウスPHVなのです。
電気だけで60kmぐらい(実際は40kmぐらい)走り 高速や電池切れの時にはエンジンで走れるというクルマです。
 
非常に合理的に考えられているというわけですが、前述通り価格が高くサイズが大きく重たいという欠点も併せ持っているわけです。
そんなに遠くない時期に 何らかの形での電気自動車が登場してくるでしょうが その気分を味わいたい人には現在できるわずかな選択の一つとなるわけです。