アウトランダー PHEV(中古)を購入した。その9

アウトランダーPHEVには面白い癖がある。
というか、おそらく乗り始めた人は面食らうかもしれない。
 
一日の最初、充電プラグを抜いて充電キャップをしてて 今日はいい朝だとスタートします。
駐車場から出て、すぐに表通りは空いていて 軽く加速した。
目の前で信号が変わって ブレーキを踏んだ瞬間に「あれ?」ってことになる。
 
アウトランダー PHEVのハンドルの両脇にはパドルがついている。
これで 回生力を加減する。
左のパドルで回生力を上げて レベル5まで来ると 普通のオートマチックの車で 走行中に2ndのポジションに移したぐらいの効果がある。
つまり、まるでエンジンブレーキがかかったかのような力が働いてブレーキとなります。
立ち上がりが比較的スムーズなので がくんとはなりませんが一気にスピードが落ちます。
このポジションでは停止まではいきませんが 街中でめんどくさい時に殆どワンペダル状態でアクセルペダルだけで加減速を調整して運転することができます。
これが、ノートe-Powerなどだと 停止まで行けるので本当に楽なのですが。
逆に0にすると ガソリン車ではニュートラルにギアを入れた時よりなお軽い状態になりそのまま転がってゆきます。
で、ブレーキを踏んだ時はブレーキパッドで運動エネルギーを熱に変えてこすりつけて停止するわけです。
前述の 回生ブレーキの場合発電機が運動エネルギーを電気エネルギーに変えてバッテリーに送り込みますので 幾分なりと充電がなされます。
ところが、ブレーキを踏むと ブレーキパッドは減るし 電気も帰ってこないとなるわけですが 実はここでも回生を行うようにできているわけで 非常に難しいプログラムが書かれているわけです。
ブレーキを踏んでも電気は充電されるので 少し安心できるというわけです。
 
でも、この回生なのですが働かないもしくは働きにくいパターンがあるのです。
先ほどの回生力の調整ですが より多く電気を発生させるということはそれだけたくさんの運動エネルギーを消費するので止まるわけですが 発生させた電気の行き所がない時が問題なのです。
そのパターンが、前述の朝の走り出しで起きるのです。
状況としては バッテリーは満タンなので 電気が発生しても行き所がないわけです。
その場合、ブレーキはブレーキパッドの力だけに頼るので いつもより制動力が少なくなってしまいます。
それが、朝に毎朝起こるわけです。
ブレーキが利かない車だなって 最初は思いました。
 
じゃあ本当にブレーキが利かないかというと そういうわけではありません。
実際に急ブレーキになっても、社内の物は総崩れなぐらいのブレーキがかかっても 十分に制動されるわけです。
ただ、踏んだ感覚で感じるところというなら いつもより効かないが 止まらないという感覚に代わるのです。
で、この車はブレーキが弱いと感じてしまうわけです。先入観として。
普段ならそんなことを考えないにもかかわらず・・・・・
 
もう一つ、より普通の車らしくという考えだと思うのですが クリープ現象を演出してあります。
演出というのは電気で動くのであれば アクセルを完全に戻した状態であればスイッチが切れている状態で十分なのです。
ところが、オートマチックは流体内で接続されるクラッチを使っていることが多かったので流体の回転で微妙に動力が伝わっていて ブレーキを離した状態だとじわじわ前に進むのです。
いまは機構的に必ずそうでもないのですが 違和感をなくすためにそういう動きがわざと作られています。
アウトランダーPHEVにおいてもです。
普通に、アクセルを離すと前に出ようとするのですが 無駄に消えてゆくエネルギーではなく前に進むべきエネルギーでより低速に強いので ブレーキを緩く踏んでいるとジワーっと前に出てゆこうとするのです。
普通の車なら 間違いなく止まっている状態においてもだ。
これは 信号待ちで油断しているとどんなに遅い速度でも進める利点が発揮され 気が付かずに進んでいるということがあるわけです。
これが本当に遅いスピードで気が付かないのです。
 
特性というか癖というか、新しい仕組みにはいろいろな新しい問題が伴うわけです。
ちなみに最初の問題で ブレーキの利きが悪くなるというやつですが 実はハイブリット車でも発生します。
ハイブリット車の場合 小さいとはいえバッテリーがあるわけですがこのバッテリーが満充電の状態というのはそうそうないわけです。
外から充電するわけではないので ブレーキかけた時に充電する程度ですから本当に少しづつ程度なのです。
ところが、これが満充電になるパターンがありその時に急激にブレーキの利きが悪くなります。
それが、山の上から下ってくるような道の時。
ひたすら 車輪で発電された電気をバッテリーにためながら抵抗として降りてきます。
バッテリーがそんなに大きくないので 満充電までの時間が短いわけです。
そして 満充電になると電気的なブレーキが利かなくなって 機械的なブレーキだけになると一気に効きが悪くなるわけです。
まだ、毎日のように覚悟して慣れているPHEVのほうがましかもしれませんね。