二つのジンバル

 
実はジンバルを二つ持っている。
一つは 先に買った方でSnoopa M1という最近はやりのクラウドファウンディングから登場したものだ。
先日の、香港の電子展でもブースを出していたのでぜひ生き残ってほしいと思うものだ。
そして、もう一つはSmoothQという老舗といっていいのか 早くから登場したジンバルメーカーのものだ。
 
全社は、コンパクトに折りたためて とにかく可搬性が良い。
ジンバルは自由に稼働する3本の腕を持っている。
そして、その腕がモーターでバランスを取りながら 水平を保つ仕組みを持っている。
ゆえに、駆動軸にモーターを埋め込むための場所とバランスをとるためのアームがあるので持ち運びに気を遣う。
ブラシレスモーターとはいえモーターだ。
永久磁石(主にネオジウム磁石)とそれに電気の力で反発する電磁石の力をもって動く。
力の強いモーターは当然強力な磁石が必要となる。
永久磁石とはいえ 実は永久なんてとんでもなくて熱や磁力による反力で弱ってゆくことから 磁石の寿命でモーターの寿命がやってくる。
稼働中であれ、そうでなかったとしてもモーターの軸を動かすことは寿命を縮める行為なのだ。
一般性のあるSmoothQは想定しているSmartPhoneのサイズのおおよそ半分の長さのアームを持っているので その長いグラグラしたアームをできる限り無理に動かさないように移動させるとなると 必然的にそれが入るまるでウクレレケースのようなものが必要となる。
SmoothQの良いところは 立派なそんなケースまで付属しているところだ。
 
動きに関しては 断トツSmoothQなのである。
滑らかさや SmartPhoneを縦にした撮影、上下を逆に構えるなどSnoopaM1にはできないことがたくさんある。
ジョイスティックによるコントロールも SmoothQだけの機能だ。
そして、アプリで認識した物体を自動で追いかける機能などは廉価版のジンバルではほとんどついていない機能なのだからこれは大きなアピールポイントとなる。
もちろん、この利点の殆どは殆どのジンバルで叶えられていることで SnoopaM1が特別なのだ。
SmoothQだけというなら バッテリーの大きさで 出力端子も付いているのでSmartPhoneに給電しながら使うこともできるのでそれは大きな特徴となる。
 
今回、こんなことを書こうと思ったのは じつはSmoothQを手放そうと思うからだ。
それに対してSmoothQに対してネガティブなイメージを持たれるといやだったという事なのだ。
SmoothQは良いジンバルです。
もちろん、ジョイスティックの反応が速すぎて滑らかさに欠けるとか(これはアプリで調整可能)、調整しても 電源を切るとSmartPhoneを接続するまで忘れてしまうとか細かい点では値段の高いものにかなわない点があります。しかし、価格的にはもっともよい選択の商品ではないかと今でも思っています。
では 何が気に入らないのか?
 
これは、SmoothQにではなく SmartPhone用ジンバルに限界を感じた点です。
先月に、船で軍艦等に向かう時に このときはSnoopaM1が役に立たなかったのです。
両社の比較でいうと SmoothQは常に重量バランスをとっていて 傾きを補正するタイプに対して SnoopaM1は電源を切ったら下手するとアームが下にぐるんと回るのに合わせて勢いよく回って SmartPhoneが落ちかねない勢いです。
感覚的にですが SmoothQはモーターの出力がSnoopaM1より弱いという感じがします。
これは、不慮にジンバルのアームにあたった時などに思うのですが SnoopaM1は強引に戻そうとしますが SmoothQは押された勢いを抑える程度で戻すほどの勢いは感じられません。
実際の出力はわかりませんが 制御なのか出力なのかでそういう風な動きをします。
ゆえに、SmoothQの画像は滑らかなのだという風にも思います。
その時のSnoopaM1の画像は一気に90度ぐらいゆり戻す いわゆる動画酔いする画像となります。
だが、そのSnoopaM1においても 前に進む漁船の上では使えなかったのです。
5インチを少し超えるサイズを持つ画面の中サイズのSmartPhoneの表面に受ける向かい風はジンバルのモーターの力をはるかに上回ってしまうのです。
実際、手で持っていても結構な風の力を感じるレベルでした。
よくよく考えるとドローンのカメラには樹脂のカバーがついているのですが なぜ画質が落ちるにもかかわらずつけるのかと思えば付けないと風に負けてしまうからなんでしょう。
多分ですが、自転車につけたりしても全くダメだろうという事は簡単に想像できます。
 
もう一つ、これはジンバルというよりSmartPhoneのカメラの設定とジンバルの相性の問題ですが SmartPhoneのカメラは近くから遠くまできれいに映るので 非常に性能の良いフォーカスシステムを実装しています。
ところが、ジンバルの対象とする画像の多くは景色などなんですが 何かにさえぎられた瞬間などにそちらにフォーカスがあってしまうのです。
近いものに優先的にフォーカスが合うようです。
設定はできるものもありますが ないものも少なくありません。
それが 画面の揺らぎにつながるパターンが今回使っていて少なからずあるわけです。
 
じゃあ対策はというと、ぶっちゃけていうと対策はないのです。
無茶苦茶強力なモーターで風に対抗するか 風の抵抗を少なくして パンフォーカスな高精度カメラにするというような方向性になってしまうわけです。
ただ、いくつかの改善策は見つかります。
まず、風の抵抗を少なくする方法ですが SmartPhoneを小さくすれば当然面積が小さくなるので風の影響が小さくなります。
じゃあカメラが良くて 小さなSmartPhoneを・・・・って そこSmartPhoneである必要があるかな??と考えれば話が速い。
オートフォーカスがなくて、高性能、できれば手振れ補正が・・・・となると これも、必ずしもSmartPhoneでなくてもとなってしまうわけです。
で、そういえばActionCamってあったよね!!
本体が小型化すれば 当然本体サイズの約半分のアームも短くなり、軽ければ駆動モーターに余裕もできる。
 
なんか、全面的にSmartPhone用ジンバル否定みたいになってしまいましたが そういうわけではありません。
ちょっとした室内撮影には わざわざ二台のカメラはいらないのでSmartPhone用のジンバルが良いのです。
距離が近ければオートフォーカスも絶対的に欲しい機能です。
でも、屋外中心に撮影するときで アウトドアでもへっちゃらとなると 必ずしもそうでなくてもいいのです。
というわけで2台持てばそれがベストとなるわけで、じゃあ二台にの方向性を 正規のジンバルと携帯用ジンバルから、携帯電話用ジンバルには携帯性だけを求め それいがいは別の・・・・って
とすると、余った一台が!!
 
ところがあまりにもかわいそうな子なんです。
最初のテストで、モーターの反応がそうだとわかって 方向性が決まったので ケースから一度しか出されることのなかったかわいそうな子なのです。
そのまま眠るには いかにも惜しいのだ。
ゆえに、オークションにと。
 
最初に戻りますが、SmartPhone用ジンバルは 本当に面白い動画が取れます。
SmoothQはその中でも 特別に安く多機能です。
プロを目指すならともかく Youtube程度であれば 平均より良い画像を提供してくれることは間違いないものです。
歩いたり、走ったり程度であれば全然屋外使用も問題はないのです。
どころか 長時間撮影も考えると非常に頼りになる相棒です。
私としてはぜひ他の人にもお勧めしたいので Auctionに出したのです。
逆に1台しか持たないのであれば SnoopaM1はあまりお勧めしません。
勧めるとすれば ジンバルでの撮影をしたい 旅人さんでしょう。
無造作にカバンの中に投げ込んで使える便利さはぴか一です。
その便利さは やはりほかの追従を許さないのです。
 
各ガジェットにはそれぞれの特徴があります。
各自にあった機器を選ぶことが大事で どれがだめという事ではないことが多くあります。
今回もそのパターンという事で。