先日お話をした人の会社の話だが

業務連絡を YammerというOffice365のアプリケーションでやっているそうだ。
出張の許可申請などもやっているそうだが 中小とはいえ300人規模の会社と聞いて驚いた。
その方は部長職だったのだが、それだけのタスクをこなしているという事に驚いた。
そもそも、出張が日常茶飯事の会社で それの許可申請をその部長が出しているという事で 確かに透明性は高くなるが日日の作業は大変だとおもう。
会社勤めでない人もいると思うが 一般の会社では中間管理職というのがいて 課長とかが近距離の出張などは許可してしまうので そこまで回ることがないわけです。
金額が高くなる 長距離の出張などだけを見ているので頻度が下がるわけです。
逆に言うと、フラットな組織で 中間管理職が少ないと思われるわけです。
もしいたとしても、結果的に出張の可否などを許可する権限がない つまり形だけの管理職となっている可能性が高いわけです。
 
実際のところ 多くの会社でこういった傾向は増えている。
上野の人の能力が上がってきたのかというと それとは違う。
もともと、先程の例で行くと課長の日報なりなんなりで 部長に報告はなされていたので全く見ていなかったわけでもないが 直接処理することがなかっただけなのです。
なぜそうなのかというと 書類が紙ベースだったので まず書いた書類に不備がないかも含めて課長に確認させたのち 部長に行くというような経路を通るからで 各人が必ず席にいるわけでもないので それを考慮すると実際の許可が出るまでの時間が長くなり 結果 金額の低いものに長い時間待てないので途中で決裁したに過ぎないわけです。
前述のYammerでいうと、SmartPhoneにYammerのアプリを入れることで 報告があればおそらく世界中のどこにいてもその連絡に気が付き判断できるということなのでしょう。
 
Office365ではクラウド型であることでそういう処理を進めるわけですが、日本で一番普及しているグループウエアを見ると面白い。
単純に、今までの仕組みをトレースできる仕組みがあるのだ。
Workflowというのだが、海外のソフトの例えばいまのOffice365のSharepointにあるWorkflowとはちょっと意味が違う。
部下が申請をしたら まず、係長に申請が行って 係長が許可をしたら課長に申請が行って、課長が許可したものだけが 部長に連絡がいくというような仕組みだ。
単純に1−1−1−1となる仕組みだが じゃあ係長が申請したらとなると 1−1−1の申請ルートになるので 申請のルートが自動的に切り替わるような仕組みが用意されている。
本来、そのルート上にない次長などが部長に直接申請するルートなども用意してある。
中でも、申請内容を判断して 10万円以下の決済であれば 部長まで許可を取らなくても課長だけの決済で実行できるなどの 内容判断までしているのだ。
こうなってくると 会社組織の組織図を中に持ってそのルートで判断が回るようなルートを動かす仕組みを構築する必要があるのだ。
 
前述の部長がすべての承認をする仕組みの場合 部長は大変ですがそのルートは極めてシンプルになるのです。
故に、FacebookのようなSNS形態のYammerで処理が可能なわけです。
多くの海外の決裁ルートは、持ち得る予算枠が決められていたり プロジェクト単位での許可で枠を決めていたりと 細かい一つ一つに許可申請がなかったりするわけです。
日本のということであれば やはりこのルートが複雑になっているわけです。
 
時間的な問題であれば、インタネット経由でいえば 世界中のどこにいてもリアルタイムな決済は可能になるでしょう。
会社に帰って書類を課長のBOXに入れて 課長の帰りを待って決済というルートに比べれば部長がSmartPhoneで決裁する方がリアルタイム性は高いのです。
ルートという問題でいえば、多くのデータがリアルタイムで手に入る時代になっているのです。
申請のきた部下の売上から ここまでに使った経費、受注見込みの報告などがダッシュボードと呼ばれる一覧性のあるデータ分析ツールからの表示で 課長の記憶で許可申請をしていたのに比べて客観的な判断のできる材料も同時に入手できるようになっているわけです。
昔は一定以上に部下が増えると全員の行動を記憶で追うだけでは覚えきれなかったので組織構造が必要でもあったわけです。
即時性と判断材料がそろった場合、課長と部長の判断能力を比較すると それは上位の部長のほうが正しい判断をする可能性が高いということで 課長を飛ばした申請ルートが成立してゆくのでしょう。
日本流である必要が無くなってきたといえばそういうことなのでしょう。
そう考えた場合、中間管理職の意義はとなるのですが 部下の管理ではなくひたすら売り上げの高いものが給与面で評価されるという形で 階級を必ずしも必要としないという形もあるわけです。
 
海外でも軍隊などは 階級を最も重んじる職業なのではあるのですが この場合は伝達系統が必ずしも確保できる事ばかりではなく 各個の判断で動く必要がある場合を想定すると そのグループを統べるものを作っておかないと非常時に統一された行動がとれないからなのです。
統率者は必要なのですが 通信の進歩とAI等ある程度の簡単な定型処理をしてくれたら 例えば一人一人に割り当てられた経費割合を設定して それを超えるまでは警告が出ないような判断基準を提供すれば 中間管理職無くてもある程度のめくら判が可能になるわけです。
上級管理職は極めて広い管理範囲を持ち 中級管理職などがだんだん減ってゆくという状況になるかもしれません。
 
日本のグループウエアを見て、海外のグループウエアに置き換えようと思った時の違和感がどうも そういったところにあるような気がしたという話なのですが。