SmartPhoneの次世代の取り組み

といっても、VRがどうしたとかそういう先端技術の話ではなく 泥臭い話なのだが
Xiaomiから Black Sharkという端末が登場した。
現在最速のCPU Snapdragon845を搭載した端末となる。
他にも、同じCPUを搭載した端末は少なからず存在するわけだが なぜにこの端末がGaming SmartPhoneと呼ばれているかなのだ。
 
PCの中にもGamingと呼ばれるタイプがある。
そこでは、コアの数にこだわるのではなく 各コアの性能の高い高性能CPUを搭載したり 高速なストレージを搭載する 最新鋭のグラフィックカードを搭載したりと 普通のPCではない豪華装備を付けている。
じゃあ、SmartPhoneはというと CPUは既成のものしかなく特別なものを求めることはできない。
グラフィックに関してはCPUに内蔵されたグラフィックなので グラフィックでの増設はできない。
ストレージを高速化することは不可能ではないが そもそもインターフェースもCPU内蔵でその規格上超高速と言っても限界があるわけです。
じゃあ、何が??というところになってしまうわけです。
一つのアプローチとして操作感の向上で 任天堂のゲーム機でもそうだがワイヤレスでも使えるコントローラーをわざわざ本体に取り付けれるような細工がしてあるのは どうしても無線で送ると遅延が発生するので それを極端に嫌う例えばアクション中心のゲームではこういう対応も必要なのだ。故に、本体の唯一のインターフェース端子であるUSB-C端子に刺して一体化するコントローラーが用意されている。
他には長時間のゲームをし続けられるようにバッテリーの容量を大きくするというのも手でしょう。
 
一般的なPCでもそうなのですが、最近のPCの省電力化が進んでいる。
マルチコアで 8とか16とかのCPUが搭載されているわけですが 普段はそれらはほとんど動いていない。
せいぜい、1〜4コアぐらいが動いているぐらい。
それも、規定クロックの30%ぐらいの遅いクロックで動いていても普段の作業には何の不自由もしない。
ゲームの時でようやく 必要になるぐらいだ。
そして、それらのCPUにはアフターバーナーともいえる 急加速機能も搭載されていて 普段使いはできないがどうしてもパワーが必要な時に短い時間なら規定以上の性能を出すことのできる機能が着いている。
じゃあ、なぜこの機能を普段使いできないかというと熱の問題があるからです。
少ないコアを高速で動かすときと同じぐらい 全部のコアを高速で動かすと各コアから発生する熱でCPUが壊れてしまうので その時は性能を下げて熱の発生を抑えているわけです。前述の機能なども 熱くなりすぎない間は使えるという機能なのです。

 
じゃあ、熱を下げればいいじゃないか!!
という結論になるわけですが まさにその通りなのです。
熱は当然消費電力が大きければ大きくなるので電源の問題もありますが それを押してでも長時間高速に動かしたい用途 ゲームなどにはどうやって熱を処理するかが問題なのです。
SmartPhoneにおいても 普段使っている時にはおおよそ30%程度の性能しか発揮されておらず CPUによっては 遅い時用のCPUと早い時用のCPUを搭載していて 中でスイッチを切り替えて使っているものもあって 切り替わることがまれな程度で動いていたりするわけです。
これらは消費電力の問題もあるのですが(普段はその程度でも十分なところまで来ている)高速で動かし続けるにはあの小さな筐体は熱を放出することができないわけです。
で、なのですが Black Sharkはその問題を解決すべく 端末内に冷却用の液体経路を用意して冷却しているのです。
これによって、本体温度を下げることに成功し よりCPUはフルスピードで動ける時間を長くしたわけです。
 
よく似たことで、今回発売になったAquos携帯でも冷却を端末全体に広げることで冷却効率を大幅に上げたと発表しています。
単に高性能なパーツを集めれば端末が作れる!!という簡単なものではなく パーツの置き場所や冷却効果など トライ アンド エラーの必要な泥臭い部分がSmartPhoneの性能評価に加わってきて おそらく大手ブランドはこれらを今後の課題として進めているのだろうと思うのです。
カタログのスペックでは見えない部分で パフォーマンスが大きく異なる端末が店頭に並び始めるというわけです。
 
なのですが、現状でも遅いと思ってない人はどうでしょう?
そもそもトップエンドではなく ミドルレンジの端末が売れ筋で そこまでの性能を求めてないとすると・・・・
メーカーの努力は 一部のマニアにだけもてはやされ 結果的に商業ベースでは部品を集めただけの安い端末に負けてしまったりすると
また、次世代のCPUの登場で 苦労して作った旧世代より 部品を集めただけの新世代のほうが性能が良かったりすると それも毎年の更新で新しくなったりするようだと 苦労して作ろうというメーカーがいなくなってしまいそうな気もしますよね。