交流と直流

「電球の発明者は?」と問いかけると 「エジソン」と答えが返ってくるわけですが そもそも電球というか抵抗の多い電線に電気を流せば光ることなどわかっていたのです。
明るくするために電気をたくさん流すと 発熱量が多すぎて電線が解けてしまうことが問題だったのです。
明るく実用的な電気照明となると エジソンの名前が出てくるわけです。
そして、もう一つ エジソンは電気を発電し送る発電所と送電線というものを設置して電気を使えるものにしたからこそ 発明者としての名前が残っているのです。
 
発電所から電気を各家庭に送るには発電所の近くや山間部では背の高い鉄塔があって 各家庭の近くには電柱と呼ばれるもしくは地下配管で電気が届けられます。
そして、電柱の上には丸い筒のような機械があってここで電気を6600Vから200V、100Vに減圧されて各家庭に送られるわけです。
電柱と鉄塔の違いは 電圧の違いで電圧が高いほどに危ないので高いところに電線を置く必要があるので鉄塔が使われ 各家庭そばには既に減圧済みなので低い電柱で送られます。
そして、ここに流れる電気は交流(AC)と呼ばれるものです。
 
交流は0点を基準として +100Vとー100Vの間をサインカーブを描いて上下する電気で乾電池から出てくる直流(DC)と呼ばれる常時1.5Vの電気が出っぱなしのものとは違います。
波を持った電気は遠くへ届きやすく、その波が大きければ大きいほどロスが少なく遠くへ届けられるので 発電所を出た電気は高い電圧の交流で送られて変電所で降圧してそこから各家庭の近くの電柱へ、そしてまた降圧されて各家庭へとなるわけです。
 
最近は実は直流に注目が集まっています。
家を見まわして 例えば照明はLEDのものは直流で点灯しますし インバーター付きの蛍光灯も直流返還した後インバーターで昇圧したりするものもあるのでその例に。
携帯電話もそうですし、テレビもビデオも電子製品の殆どは直流で動いています。
扇風機なども最近ではDCモーターモデルとかが少し高い値段出てきていています。
DCモーターモデルは、なだらかな回転数の調整と低い消費電力に特徴があります。
掃除機もDysonのDCモーターと言っているぐらいですから直流モーターなのでしょう。
思った以上に交流でないとだめなものが少ないことに気が付くでしょう。
勿論、コンセントには交流が来ていて そこから直流に変換して使っているという事なのですが・・・・
 
さっき出したので例でとらえると Dysonの掃除機なのですがポータブルのタイプの宣伝んで新開発のDCモーターで 21.6Vのバッテリーが搭載されていて「コード付き掃除機よりも確実にゴミを吸取る」そうです。
で、なのですが バッテリーの電圧が21.6Vで家庭のコンセントが100Vという事なのですが AC,DCという差だけでなく電圧が大きく違います。
AC100Vで電線二本をくっつければショートして火花が出て最悪火事の危険性があるので 電気工事士の資格を持っていないと触れないわけですが Dysonのばあい21.6Vなのでショートしてもおそらく火事が出る心配はほとんどないので普通の人でも触ることができるわけです。外して電極むき出しの端子の付いたバッテリーを付け替えたりできますよね。
じゃあほとんどが直流の機器を使うのですが伝送効率の為に交流を使っていますというのはなんか違和感を感じませんか?
もう一つ、何がつながるかわからないコンセントの口をたくさん開けておくってのも実は無駄な電気の消費につながるのです。
 
電気の明かりになる前の昔の明かりというのは オイル式のランプが多くて今と違って昼間つけることはまずありません。
理由は単純で、オイルを作るのにかかる手間と移送費がそのままコストとして跳ね返り安いものではなかったからです。
都会以外では、薪をたいた暖炉の明かりでとか そもそも暗くなったら活動しないという事もあったわけです。
省エネという意味ではかなり意識が高かったわけです。
ランプも周りの明るさやすることに合わせて芯の出し量を調整すると明るさを変えることができるわけです。
石油ストーブの調整で知っている人もいるのでしょうが、それすら見たことのない世代がすでにたくさんいるので念のため。
ところが、日本の家屋の殆どを占める「蛍光灯」に関して言うなら明るさを調整する機能がほとんどありません。
最近のインバーター式でようやく調整可能になりましたが それより前は3灯式なら2灯にするとか1灯にするとかつける本数で調整していたのです。
故に、日本人は最も暗い時を考え明るくし、その状態で使い続けることに慣れているわけです。
事務所の電気を明るくしたり暗くしたりってあまりイメージないだろううと思います。
 
最近の大手電機機器会社の次の一手として ビルなどの直流電源化の提案が出てきています。
照明器具などを直流で使うことにより交流で使うことに比べぐっと消費電力を減らすことができるからです。
そして、今直前でちょっと書いた明るさの調整です。
昼間の事務所は周りからの明かりがあるので 照明を暗くしても十分な明るさが確保sれていますし 必要以上の場所に照明をつけない細かい調整ができることで大幅な省エネが確保できるわけです。
例えば、営業職の机の周りなど昼間営業に行っていてほとんど人がいないにもかかわらず煌々と明かりがついたりしているわけです。
細かく制御して 人のいないところの照明の明るさを下げるなどの対応ができるわけです。
そのために、細かく操作できる明かりと 人の手では難しいのでそれを制御するAIなどが新しい技術として提供することで市場を狙っているわけです。
 
直流で最初に各地に電気を給電していたエジソンは、後発の交流による電気の給電に市場を奪われることとなり 世の中は交流での電源供給が当たり前になりました。
効率のことを考えて、100V以上の高圧を電源として使う国も少なからずあります。
ですが、ここにきて一歩止まって また、直流が世の主流になってきています。
そして、宅内の機器全てが直流になれば大きな交流直流の変換機が家の入口にあって そこから家の中は全て直流でも困らなくなる時代が近づいているかもしれないのです。
もう10年もすれば 壁のコンセントはUSB端子で ここかに電気機器をつないで動かす時代が来るかも。
そうすれば、電気の配線が原因の火事の可能性がぐっと減るかもしれません。