USBチャージャー考

USBはユニバーサルシリアルバスの略で 基本的にPCと何かの通信の為の規格だった。

しかし、そのお手軽さとPCと繋ぐ機器にバッテリーを搭載し始めたことから 充電用のケーブルとしても使われるようになった。

小型の機器であれば リチウム電池1セルの電圧が3.7Vなので十分に充電できたのですが 多くの当時のICは5V駆動の為 5Vから5Vを充電すると効率が悪い 

そういえば、携帯電話のころUSBで接続すると充電できたりできなかったりとか繋ぐPCによって違ったりという事がよくありました。

規格的には5V 500mAなので 今の4000mAとかのスマートフォンの充電をすると何時間かかるだろう・・・っていう状態なわけです。

ではという事もないのですが 多くの場合PCでの充電をあきらめて 専用の充電器でとなっていったわけです。

iPhoneに同梱されているさいころ型の充電器をはじめ たくさんの充電器が登場しました。

それと同時に多くの機器がUSBからの充電となり 複数個のUSB端子のついた充電器となります。

充電電流も0.5AのPCの電源から 2Aや3Aという容量の物が出て充電速度が上がると売っていましたが 多くの場合充電される機器の制限で1Aぐらいが上限で充電されていたのであまり意味はなかったようです。

 

で、複数のポートがある場合各ポートへの電流量は制限するものの同じ電圧なので並列につないで全部で~Wというような表記で各ポート当たり~Aなんて表記のマルチポート充電器が普通になって今は落ち着いているわけですが、最近になってまたそのあたりが揺らぎ始めています。

一つは QuickChargeを始めとするインテリジェント型の急速充電規格の登場で 接続機器からの情報で電圧を段階的に変化させ 5V2Aから9V2Aにと言うように電圧を変えて10Wから18Wへと充電するときの容量を上げて高速な充電を行えるようにしているわけです。電流量が同じの場合 電圧を上げても電線に対する負担が少ないので同じケーブルで充電容量を増やすことができるわけです。

それでも足りなくて、電流も電圧も上げてPCなど今までUSBで充電できなかった 45Wや60Wなどの大きなバッテリーも最近ではUSB端子から充電できるようになっています。

さすがにこの辺りとなると 対応していないケーブルでは燃えてしまう可能性があるので ケーブルも識別しているような仕組みとなっています。

 

で、なのですが 複数のポートを持った充電器がちょっと困った感じになっています。

今まで通りUSB-Aポートは5V2Aまでで 一緒にあるType-Cポートは・・・という表記の物が多くを占めているのが実情です。

なぜかというと、電源からUSBポートへの出力が ポート毎に電圧が変動し違うのですべてのポートが別回路にする必要があるわけです。

今までのように並列カイロで作ることができなくなったのですが 急速充電に対応したという実績が欲しいことから 1ポートだけインテリジェントな超急速充電に対応して他は今まで通りなんて回路作りに。

まあ、全部にやるとコストも熱も大変でしょうから・・・・

 

もう一つ、電源容量の問題

いくつか複数の規格に対応したマルチ電源を持っているのですが現行のタイプの持っているものは Type-Cの最大容量は65Wだったり 60Wだったりするのですがそれ以外のUSBポートと共用していています。

表記としては

Port1(MAX65W)+Port2(MAX10W)+port3(MAX10W)という表記で書かれていて最大が65Wだとわかるのですが 3本繋いだときにPort2と3が5WだったらPort1は65-5-5で55Wとなると思ったら 45Wが最大となるわけです。

なんとなく不条理な感じはしますが よくよく考えたらPort2に接続された機器が充電でどれだけの電流量を使うかなんてわからないのですよね。

それも、動的に変化するたびに供給量を変えるという制御は難しいのです。

じゃあ、各ポートの最大を設定して それを予約してしまってポートに機器が繋がれたと認識するとその分を最大容量のType-Cポートから引き算するわけです。

なので、こういう結果となったわけです。

じゃあ、Port2がQuickqChargeで充電が始まるとその最大で例えば携帯電話用で18Wとかを引かれると 65-18-10なので37W Port1に割り振られるわけです。

65Wの充電器を買ったので PCへの充電が大丈夫と思ったらポートが開いているので携帯電話を差したら容量不足で充電されていませんでしたとかになるわけです。

 

この辺り、マルチの充電器もおそらく将来的に色んな対応をしてゆくとは思いますが いまは喜んで使ったら充電されない機器がありましたとかになるかもしれません。

すでにスマートフォンは30Wとかの充電を可能にしているので PC+スマートフォンだと 65W+30W+30Wで125Wとかの充電器が必要だとかになりかねないなと。

せっかくちっかガリウムのおかげで小さくなったのですが そう考えると結構なサイズの物を持ち歩かないとダメじゃないかと思ったりもしたわけですが。