おはなし
人の命をお金で買う仕事は恐らくかなた昔からある仕事である。 組織化したのは軍隊と言う概念が出来てから。 集金と実行が同じ人が行っているもの。 時代と供に、実働部隊とお金を集金する人とが分かれてゆく。 どう考えても、技を問わない時代に 腕力の強い…
「暗殺の依頼者って判るものなんですか?」 初歩的な疑問だが気になるところ。 警察官が素人と言っていいのかどうかは判らないが、少なくとも起きた殺人に関してならともかく 殺人依頼やそれを生業にしている人に関して言うなら素人といえるだろう。 日本に…
「で、無許可の映画撮影見過ごすだけならともかく 喜んで一緒に出演していた(でていた)人がいるらしいんだが、知っているか?」 いやみとしか思えない事をねちねちと言ってくる。 警察官と言えども特別な人間と言うわけではなく、特にこういったことに長け…
「ごほんっ!」 わざとらしく咳をして話をさえぎったと言うか、私以外の人たちの間では話がおおよそ理解できているようで 会話が言葉に頼ってないので その視線をこちらに向けたのが正しい。 「説明いただけませんか? 調書も必要なので・・・」 極めて最も…
「胸が無くて助かったわね」 ルージュとよばれる女性がにこやかな笑顔で言う。 「うるさい!! でかけりゃ良いってもんでもないでしょ!!」 Miss.Lがはじけとんだボタンの様子を見るように自分の胸の辺りに視線を移していたので 外に向けて聞こえるような …
いきなり正面に立ちはだかったチャイナドレスの女性。 腰の辺りから視線は少しづつ上のほうに。 体の曲線と同様に途中で引っかかる。 視線も不思議なもので 男性限定ではあるが まるで体の曲線の変化をなぞってゆく過程で大きなでこぼこには引っかかってしま…
昨日のお話の中で、妹の名前を「継穂」としていますが 姉妹の名前の統一感を図る為に「継帆」としています。昨日のは変換ミスなのですが修正するのもなんなので、ここに補記させていただきます。
彼女の妹、「継帆」とは今日はじめてあった。でも、知らなかったわけではない。 勿論、顔を見たのも 「継帆」という名前を知ったのも今日が初めてだった。 実際 想像通りの美少女だった。 いや、想像以上といっても過言ではない。テレビに出ていてもおかしく…
「そんなに引っ張らなくても付いてゆくから・・」 簡単に言うとヘッドロック。難しく言えばわき腹頭部抱え。 プロレスで言えば、そのままロープに振り飛ばされてそのまま跳ね返ってドロップキックを決められそうな状況である。 唯一違うのはちっとも不快でな…
JRの駅に着いててからも何度か背後を振り返った。 いつ襲ってくるかもしれない。 ホラー映画の見すぎだろうか? 考えたら長い付き合いである。 大学に入ったら、いきなり隣の席に座ってきたがさつ女が彼女である。 名前も知らない時からの知り合いである。…
結局、彼女の妹のアルバイトの時間が終わるまで店にいることになった。 たっぷり一時間、「ご主人様の為のコーヒー」を3回も悪魔の誘いでおかわりさせられた。 出来れば、僕もとっとと逃げ出したかった。 コーヒーがテーブルに置かれるたびに 「ご主人様、…
「愛してます」なんて面と向かって言われたことは生まれてこの方一度も無い。 ところが、最近毎日欠かさず聞いている。最近ではこの言葉に食傷している。毎日メールでいやと言うほど届くから。 自分の文章力に自信があるわけではないが、人を開きさせない程…
「はい、プロバイダーのほうに本人を特定できるか確認します。いちおう、やってみます」 耳元で怒鳴られても判るときは判るし、判らないときは判らないんだよ。 コンピューターに関する犯罪対策室が警視庁に出来て、その後各県警にも色々な形で配備された。 …
PDAの地図ソフトは便利である。本当は車のNAVIのようなものが良いのではあるがいかんせん体に着けるわけにも行かず、ほかに選択肢が無いというのも事実である。後はHDDのないこと、動くたびに衝撃でHDDに損傷が出ないかの心配をしなくて良い。 …
「とりあえずお茶を」 事務所に帰って最初に発した言葉はそれだった。 肩から、大きな肩掛けを下ろした。棒が仕込んであるのでカチャカチャ音がした。 相変わらず、Mr.Gは奥の席で背中を見せて座っている。 亜矢子警視は、何故か嬉しそうにニコニコしな…
肌に感じるぴりぴりした感じは、この場の緊張感だろうか。 鷲や鷹のように、足を下に羽根を上に急降下する。鳥であれば羽を畳んでミサイルのようにという表現もあるのであろうが 残念ながら手も足もある人型の体に羽が付いている姿で羽を畳んで降りてくる い…
「キィア〜」 何かの動物の叫び声のようなものが聞こえる。 聞こえたと思ったら、上半身だけ起していた男の肩から首に向けて斜めに切り裂かれた。 心臓の辺りを切り裂かれたようで、一瞬にして辺りに血が飛び散った。 切れ味の凄さは、血は吹き出すものの切…
「目は閉じられても、耳にはまぶたが無いでしょう」 Miss.Lの言葉に 相手も、随分焦って来ているようだった。睨み付けるような視線をこちらに向けた。勿論、目は開いていた。 「所詮、女だな。ぺらぺらとしゃべらなければ間違いなく勝てたものを」 持…
「はなしたいんなら聞いてやるぜ」 と 長身の男 「可愛くないけど お教えしますわ」 Miss.Lは得意になった風でもなかったが、いつものような穏やかな笑顔で話し始めた。 「Miss.L 私がこの後は」 見ているだけでも判る、手傷を負っていても手ご…
「だからといって、今更武器を替えるわけにも行くまい」 憎憎しい長身の男の言い分だが、確かにその通りである。 Miss.Lは気にした様子も無く再び構えを取った。何故か、顔がこちらを向いたときに軽く微笑んだような気がした。 決して余裕のある状況で…
小柳刑事の膝が、男の一人の顔に蹴りいれられた。正確には男が小柳刑事の膝にぶつかって行ったと言うのが正しい表現のように 吸い込まれるようにきまった。 もう一人の男は、行動に意思を欠いた状態である。つまり、もがいている。 先に攻撃したはずの男は、…
格闘技の世界では、体が大きなことが有利な条件である。しかし、それが試合と言うスタイルを外れれば必ずしも有利な条件とはならない。 体の大きなことは、打撃の威力を増す事には繋がるが 相手に攻撃のポイントを多く提供する事になっている。 急所は一撃で…
小柳刑事:「それは、どちらかの民族舞踊 なんかですか?」 肩から下げるように垂らして着るこれは確かにモンゴルの民族衣装の一つである。 「そうですね、舞踊とは少し違うかもしれませんが」 ちゃんと駅からすぐにも拘らず、事務所までには計ったかのよう…
今日は何もなさそうだと、事務所に帰ることにした。 必ず座れる始発駅より電車に乗って帰るだけである。 同じ駅から乗り込んだ 人が3人もいたのが不思議だったが 同じ車両でなかったので気にもならない。 ゆっくり座って事務所まで帰れた。 行儀は悪かった…
私の名前はMiss.L。勿論、あだ名よ!! きっかけは 何の因果か勤め始めた怪しげな研究所。働き出した途端 泥棒に入られるし家は壊されていて追い出されちゃう。 それでも、生活レベルは上がって 毎日好きなお茶を飲める身分に。 ただし、神話に出てき…
お話なのですが、あまりにも間が空くと前の話がわからなくなってしまいます。 とりあえず、カテゴリーをつけるようにしてみたのですが・・・・ それでも、間が空きすぎてますよね それに不定期だし。 そこで、Miss.Lにお願いして あらすじを教えてもら…
「私は実は 某国の女スパイで って言うのと、実は女捜査員で痴漢の撲滅運動をしているっていうのとどっちがいい?」 いっそのこと、開き直ってみた。 ピエロ:「どちらもあんまり向いてなさそうですね」 「そう、どっちか選んでくれると思っていたけど」 ピ…
ピエロは、ここで悲しみに明け暮れる女性を相手に練習をしていたようだ。 もっとも、それ以外の用件で来る物好きはいないでしょう。って言ったら 「物好き発見」と指差されたぐらいだから 本当にいないんだろう。 でも、いつもここにいるんだったら・・・・ …
「お嬢さんどう致しました?」 私は身構えた。今までここには そう見渡す限り誰もいなかったはずだったのだ。 ゆっくり顔を上げると、そこには普通でない色使いをした服を着た男がひとりいた。 その顔にも、どぎつい化粧がされていた。 足元にはつま先に金の…
なんで私がこんなに寂しいところを歩いているんだろう。痴漢に会うのは亜矢子警視だった筈なのに。 本当に何にも無い。 地下鉄の駅を出たら、プレハブ小屋と海しか見えない。あとは全部平らな土地。 こんな土地が余っているなら東京都の住宅事情がもっと良く…