おはなし
亜矢子警視:「で、何をすればいいの?」 Mr.G:「どんなのがお好みですか?」 亜矢子警視:「きわめて平和的で、誰も断れないほど効果的なやつ。どうしても駄目だったら どんなに平和的でなくても効果的なやつ。」 話が後になるほど、悪魔的な笑いがこ…
彼女は、鏑木 亜矢子。但し、この名前で呼ぶ人は一人もいない。 亜矢子警視:「へ〜、雰囲気変わったじゃない、Gちゃんも新しい子入れて なんか気分でも変わったの? 引きこもってないでたまには出といでよ」 Mr.G:「あなたもお変わり無い様で」 亜矢…
「うっめ もっも さっくら〜♪」 なんとなく足取りが軽い。あの、小柳刑事の困惑する顔が目に浮かぶ。 有能すぎる部下も考え物ね、あたしのところに来る事件を全部処理しちゃうものだから ちっとも机から離れられない。 あたしが何時 部下の手柄を取ったりし…
「へっくしゅん!!」 誰かが噂をしているのね!! どうせろくなもんじゃない、あたしの噂を影でするなんてたいした奴じゃない。気の弱い小心者が陰に隠れて噂をしているに違いない。 どうしてくれよう・・・・・ 相手を特定する方法がないのが悔しかったが…
Mr.G:「Miss.L 科学の時間に童話の本読んだりしました?」 科学の時間って、学生以来だから十何年ぶり・・・って何を思い出させるの。そんな馬鹿げた問いに、そんな当たり前の答えは無い。何を考えているんだろうか? 「そんな不真面目な生徒では…
ボトルが横倒しになっている。 いつの間にか、飲み尽くしたみたいだ。 小柳刑事は、既に椅子の上で大きな口を空けて背中がまるで椅子を隠してしまうようにもたれて倒れこんでいる。口はだらしなく開いたままで、涎も垂れている。 お酒に弱いわけでは無さそう…
小柳刑事:「知っているのか!」 声こそ大きくなかったものの、相手を威圧するような力を持った声だった。 ウーダン:「お〜怖い」 しかし、そんな視線を恐れるわけでもなく、どちらかと言うとおちゃらけて受け流している。その態度に、あまり良い感情を抱か…
小柳刑事:「すいません、こういったところは成れてなくて」 よく考えたら、こんな所で詳しいところを見せるから縁遠いんじゃない。っとひとしきり反省しながらも、久しぶりのアルコールの味に酔っていた。 「いいえ、こんな所に詳しいほうがどうかしていま…
まるで宝島に出てきそうな古ぼけた厚い木の扉のBAR、それがウーダンの入り口。 地下一階とは言えないまでも、地下0.5階と言えるようなところに掘り込まれた入り口はランプの形をした ゆらゆら揺れる明かりが照らしていた。 地図を貰っても、一人では入…
ケーキはとてもケーキとはいえない状態だった。 いっそのこと、そのままクリームの上に泳ぐケーキをデコレーションしてみた。薄く 薄くスライスされた赤いニンジンはピカピカに光るシロップでコーティングされている。 スポンジの少ないケーキはそれはそれな…
あのケーキは食べられるんだろうか、やっぱり買いなおしたほうが良かったんだろうか? だが、これ以上無駄な時間は1分もかけたくなかった。 又買いなおせばいいだろう。それよりも。 “ぴんぽ〜ん” 「は〜い」 誰かしら?Nr.Gの予想が外れて小柳刑事が来…
時が止まるわけは無いが止まったような気がする。 牙が開いたからだの正面に迫る。右手は相手の手を弾いたために体から最も遠くにいる。 足は、のけぞるように相手を避けているので相手に向けることは出来ない。 残ったもの左手、それも手の中に握った小さな…
消えてしまう体、想像も出来ない姿、事実とわかっていても反応できない。 だが、実際に見たとなると話が違う。十分に相手として捕らえられる。 目の前を通り抜けたのは、幸いにもケーキを追っていて狙いが狂ったのが幸いしたのだろう。 だが、お陰で相手の姿…
小柳刑事は大きな勘違いをしていた。 なんだか解ったような気がして出てきたものの、実は何の情報も得られなかった。 なのに・・・・ どうにも腑に落ちない、その内容を確認するために駅からの道のりを引き返しだした。 そうだ、 前回置き去りにしたケーキを…
凄く違和感を覚えたのは、小柳刑事のむせた事。 確かに溶ける様子すら感じさせないほど注がれた塩の入ったお茶を一気に流し込んだわけだから、むせるのはしょうがない事なのですが、口からお茶とも泡とも 涎とも付かない液体を吐き出したのを見ていて なんだ…
話は少し前にさかのぼる。 意外にこの事件は根が深い。 目的の希薄な犯罪というものは、ターゲットを絞りにくい。 最もたちの悪い犯罪は愉快犯であり、目的も何も無い。故に犯罪を起こしたものを絞りきれない事が往々にしてある。 単なる思いつきでも何でも…
若い日からそうだった訳ではない。恐らく天才とは彼のためにある言葉であろう。 天才をなんとするかはともかく、偏執的に一つのことを追い詰め それで常識では考えられない程のものを作ってしまう人の事を総じて天才というのであれば彼こそがもっともふさわ…
「話が違うではないか!」 電気代を節約しているのでは無いと言う事はすぐにわかる。ただ暗いのではなく不気味に暗いのだ。 その上、部屋の中は驚くほど片付いていない。故にこの暗さだとはじめて入った人はあちこちに動き回ることも出来ない。 怒鳴った男は…
一週間もすると退屈の虫がうずき出してきた。 そんなに家の中に居てする事があるわけでもなく、逆にMr.Gは慌しいようでちっとも仕事が廻ってこない。 毎日やっているのは、部屋の掃除ぐらい。 それすらもほっておいたら、勝手にやってくれる人がくる。 …
“ばん!” 扉はそっと閉める事って子供のころに教えられた。その当時は行儀作法の一環として。 勿論、警官が行儀作法の手本にならないのもどうかと思うが、それ以上に 叩きつけるように閉められたドアの窓ガラスには二すじの亀裂が走り ドアの取っては開いた…
Mr.G:「何も隠す必要が無いのでしたら、お話します。今回の家を破壊されたのはこちらの責任と思っていますので、ここに何の遠慮も無くお住まい下さい。あと、足りない荷物もこちらで揃えます。」 「ここは安全なのですか?」 Mr.G:「貴方も見られ…
お昼ご飯はラーメンで今度はお付き合いした。やはりラーメンは出前ではなく食べに行ったほうがおいしいでしょう。 それでも、毎日食べていて良く知っているらしくスープは美味しかった。 こんなものを食べていてあれだけ太れるのかと思うようなラーメンで醤…
Mr.G:「お話はそろそろ終わりですね」 Mr.Gは話し疲れたのか話を打ち切った。 小柳刑事:「待ってください、もう少しだけ」 暴れる男をまるで子供を押さえる程度に捕まえたまま言った。 小柳刑事:「だとしても、誰が何のために?」 Mr.G:「そ…
Mr.G:「もちろん推理としては存在しませんが、地球外や人知外の生物の存在も否定しませんが、それはウルトラ警備隊の仕事で警察の仕事ではないでしょう。」 例え、人が作った生物だとしても 悪魔の格好をした生物が飛んでたら十分警察の範疇外だと思う…
小柳刑事:「Miss.Lはいつもきっちりした格好をなさっていますね。」 勿論、にこっとした笑みで答えた。 気のせいかもしれないが、Mr.Gはぶるぶる肩を震わせているように思える。 「それにしても、よくお会いしますよね」 男:「そりゃ−おばさん …
トーストの焼ける匂いはいい匂いで、その匂いを嗅いだだけで朝である事を思い出させる。 そう、朝の日差しが眩しい・・・ 「あっ!あさ?」 慌てて起き上がった。 昨日寝なれないところで寝られなかったのが原因なのか、それとも どちらか解らなかったが、寝…
持てるだけの荷物を持って、職場に避難した。 「あの、先生・・・」 Mr.G:「事情は既に聞いております。取り合えず ここの部屋におられてはどうですか?」 「よければそうさせていただきます。」 まるで、こちらの言う事を予測していたかのように 会話が終…
そのまま夜がふけて、12時を過ぎるまで話をしていた。 怪物の正体は解らなかったが どうも人の手によるものではないかと・・・ ただ、犯人の予想は立たないと 「結局何にも解ってないんじゃないですか?」 Mr.G:「言いにくい事を ずばずばと」 気が付…
「じゃあ、この間のは何ですか? 褒められた頭で考えても解らないんですけど」 ついでにというか、ずっと引っかかっていた事を聞いてみた。 変な話ですけど、なかなか聞くチャンスが無い。というより 聞くタイミングがつかめない。 起きた事態は事実だという…
夜に弱いほうではないつもりだった。 今までも徹夜で仕事をこなす事なんてへっちゃらだった。 でも、こんなに辛いのは初めてだった。 昨日は、おかげで警察が帰るのと同時に家に帰って泥のように眠った。 体も精神も疲れ果てていた。 で、明けた今日 仕事は…