伊藤探偵事務所の混乱 49

西下さん:「なるほど、それで納得いきました」
所長:「納得言ったところで現状を教えてくれるかな?」
西下さん:「どこからいきましょう? 結果だけなら絶望的です。」
arieさん:「あら、珍しい。」
西下さん:「各国諜報機関は元々闇にうごめく物。 表だって出た時には必ずしも脅威にはなりません。勿論、暗殺の危険性は十二分にありますが・・・・あっ、新しい情報が入りました」
所長:「我々の顔が割れたんだろう?」
西下さん:「それだけではありません。どこのネットも跡継ぎに、うちの副所長が指名されたことを報じています」
「僕がですか?」
arieさん:「おめでとう!! 世界の支配者さん」
ぱちぱちと拍手をしながら言うarieさん。しかし顔は笑ってはいなかった。
所長:「で、日本政府の対応は?」
KAWAさん:「・・・・」
西下さん:「貴方の通信機も回復しているはずですが? でも、連絡を取ったところで次の指示を出せる人はいないとは思うけどね」
「良くわからないんですけど、どうなったんですか?」
誰からもその答えは無かった。
 
ここまでで、判ったことは、
彼らが世界を震撼させられるような宝物を持っていること。
そして、その宝を今まで守り続けてきた力があったこと。
“老”と呼ばれる 族長がいて部族を束ねていること。
一族は、血の結束で守られており・・・・・
僕が次の族長候補に仕立て上げられたこと。
それが故に、世界の主だった諜報機関が秘密の奪取に集まってきた事。
そして、その情報はわざと流されたらしいことも・・・
 
arieさん:「見せしめに使われたわけね」
「見せしめってどういう事ですか?」
所長:「恐らく、族長候補は別にいるって事でしょう。そして、今回の一件では多くの諜報機関が手を出したにも関わらず 秘密を奪うことの出来ない仕掛けが用意されていて「代替わりしも力が健在である」と言いたい訳でしょう」
「じゃあ僕たちは」
arieさん:「下手をすると、生贄」
西下さん:「おそらく、その何かを発動させるためのきっかけと言うところでしょう」
シェンさん:「時間かせぎって事も考えられますが」
KAWAさん:「もう一つの選択肢があるわよ」
ぬりかべさん:「Go To Heaven っていうのは無しですよ」
KAWAさん:「この場を乗り切って、もばちゃんが族長に収まるって言うのが」
erieriさん:「残念だけど、笑えない冗談ね」
arieさん:「冗談はともかく、何か生き残るための名案はあって? 西下君」
所長:「消極的な手だが、ここに居座って彼らに守らせるって言うのも選択だけどね」
西下さん:「所長、そのアイデアは 70%以上の確立で失敗します。 相手は、旅客機ごと突っ込んでくると思いますよ」
ぬりかべさん:「ペンタゴンほどの装甲は無さそうだからね」
西下さん:「arieさんの力に期待ってのが、思いつく中では良さそうなんですが」
arieさん:「あたしに世界中をだまくらかすほどの力は無いわよ! そんなことしたら干からびて死んじゃうから」
所長:「確かに、干からびたarie君は見たくないね」
西下さん:「彼らの言い方を借りれば、天の采配 神の導き 偶然たりえない必然」
arieさん:「何が言いたいの?」
所長:「彼らの欲しているのは、族長の首では無い。欲しがっているのは、彼らの宝って事か」
西下さん:「その通り、こちらが動けば当然宝を探しに行ったと思い込む。彼らには宝のありかがつかめない。だから、大規模な攻撃は仕掛けられない。宝を見つけるまでは少なくとも肉弾戦以外は無いと思われる訳です」
シェンさん:「でも、そんなに時間は稼がしてくれないと思うのですが」
所長:「何が出てくるかは、見つけてみないと判らない。そして、他の誰にも発見を負ける訳には行かない」
arieさん:「で、あたしの出番って訳ね。でも、久しぶりだから勘がぶっているかもョ」
西下さん:「大丈夫じゃないですか? お友達もいることだし」
erieriさん:「もしかしてあたしのことを言ってるんじゃないでしょうね」
所長:「死にたくは無いでしょ?」
「お友達って、arieさんとerieriさんって昔からの知り合いだったんですか?」
西下さん:「トレジャーハンターとしては、世界一のコンビって伝説になっています」
所長:「そして、荒っぽさと破壊力はは宇宙一・・」
arieさん、erieriさん:「それはこいつが!」
二人は、互いを指差して 寸分違わぬ台詞をユニゾンのように言った。