伊藤探偵事務所の混乱 67

「KAWAさん・・・・」
そこで異変に気が付いた。
「KAWAさん、すごい熱じゃないですか! ぬりかべさん!!」
ぬりかべさん:「そんな馬鹿な・・・」
KAWAさん:「違うの、その前の・・・」
力なく起き上がったKAWAさん。
防護服と思われる、ぶかぶかの服には、あちこち血がついていた。
そのまま、再びKAWAさんは倒れこんだ。
「西下さん!!」
西下さん:「直ぐにarieさん達が合流するから・・・」
西下さんも慌てているようだった。
arieさんとerieriさんのバイクが遠くに見えた。
そして、その後ろには1機の戦闘ヘリ
「ぬりかべさん!」
ぬりかべさん:「慌てない、あれは味方」
シェンさん:「ここでは攻撃の的です、少し移動しましょう」
「シェンさん気をつけて」
KAWAさんを荷台にに寝かしつけて、出来る限り早く、そしてそっと 近くの山の陰に移動した。
arieさん:「駄目ね、これは」
「arieさん、駄目ってどういうことですか!!」
arieさん:「興奮しない!、戦えないって事よ kiliko」
上空でホバリングするヘリに声を掛けた。
上空から降りてきたロープに乗ってkilikoさんが降りてきた。
降りてきたロープには担架が吊るされていた。
慌しく作業するみんな
「待ってください、KAWAさんに」
arieさん:「うるさい! こんなところで止まってるのがどんなに危ないか解ってるの!」
arieさんに怒鳴られて、引き下がるしかなかった。
声の出ないKAWAさん、唯一別れる前に手を握ったときに握り返してくれたくれたように思えた。
「お願いします」
arieさんは:「声も掛けず、手を振っただけだった」
重たい空気が流れた。
所長:「思ったより数が多い、陽動が有効じゃあなかったようですね」
西下さん:「私の読みが甘かったようです」
所長:「で、どうする?」
arieさん:「絡めてが駄目なら   当然、正面突破」
erieriさん:「絡めてが駄目なら 当然 皆殺し」
二人は同時に言った。
erieriさん:「そこの坊やも少しは怒っているから役に立つかもよ?」
「だれが坊やですか?」
実際に怒っていた。
所長:「じゃあ、俺はパス!」
シェンさん:「私も パスさせてもらいましょう」
arieさん:「そのほうがいいかもね」
「一緒に行ってくれないんですか?」
所長もシェンさんも冷たいと思う。
シェンさんは雇い主がいなくなって、これ以上頑張る必要がなくなったからしょうがないとしても 所長は・・・もっと 温かい人だと思っていた。
西下さん:「行くも地獄、留まるも地獄ですか」
所長:「うまく逃げ回る事なら私の右に出るものはいない!」
西下さん:「情けない才能ですね」
arieさん:「たまにじゃない? 役に立つの」
二人はバイクのエンジンをかけた。
arieさんのバイクに僕、erieriさんのバイクにぬりかべさんが乗った。
erieriさん:「勝てないと思って重いほう乗せたでしょ!!」
arieさん:「素人の軽いほうと、プロの重いほうどっちをえらぶ?」
erieriさん:「落としていいなら、軽いほう」
arieさん:「変わる? 振り返って 僕に聞いた?」
「arieさん かんべん・・」
言葉の途中で、バイクはロケットのようなスタートを見せた。
腕が引きちぎれそうだったが辛うじて捕まってた。
 
所長:「じゃあ、行きますか」
シェンさんと所長は、車を発進させた。
所長:「西下くん、痛くないように頼むね」
西下さん:「それは、相手次第でしょ」
シェンさん:「物騒な話ですね」