有機パネル

「40インチの有機パネルがEPSONから発売」という記事が出ています。
画期的な事かとは思いますが 扱いは低いようで・・・
液晶ディスプレイとプラズマディスプレイ、この二つが現在の家電業界を支えていると言っても過言でないぐらいの 主力商品になっているようで。
勿論、高価で商品価値が高く デジタル放送等の追い風やPCとの接続等 未来型のデバイスと言う側面と、携帯電話を始め多くのデバイスで当たり前のように出てきたフラットディスプレイに人気が集まるのも頷けます。
注)今日のは、例えがかなり飛んでいるので あまりにも大きな勘違いを生む表現があれば誰か指摘してください。
プラズマディスプレイ(以降 PDP)は、言葉どおりプラズマという電気が放電する時の 光を発光源として作られたディスプレイで 高圧の電気を使うために比較的大きな電力を必要としますのであまり小さなデバイス向けには今のところ出てきそうに無いので省くとして 液晶パネルと、有機パネルの話にしましょう。
先に、液晶ですが良く見てらっしゃるので説明の必要が無いとは思いますが 一応。
イカ」を知っていますか?(知らない人はいないと思うのですが)
イカは、保護色の性質を持っていて、体色を黒く変化させる力を持っています。
その、力の元になる液体が液晶と言います。
所謂、電気で黒くなったり透明に成ったりします。
家の、ブラウン管のテレビを近づいて良く見ると 赤、緑、青の光の粒が並んでいます。
それが付いたり消えたりして画像を作るのですが同じように 後ろから赤い光を出して 液晶で黒く遮ったり、透明になって透過したりとすることを3色分作って画面を構成します。
対して、有機パネル 正確には有機ELパネルのELは 特定の周波数の電気を流すと発光する素子を使ったディスプレイです。
じゃあ、頭に何故「有機」という言葉が付くかと言うと 出る光の色がEL素子は少ないんです。所謂うすぼんやりした黄白色か緑色のような光しか普通は出ないんです。
しかし、有機素材を使ったEL素子の中には 明るくそして 色んな色を発色させることのできる物がありました。で、そういうタイプのものを有機ELと言うようになり 何故か有機パネルとELまで抜かされているようです。
で、液晶と有機パネルの違いは なにより自分が光っているか光ってないかです。
液晶は所詮、後ろのライトの明かりをシャッターで開け閉めして見えているだけなので 間に液晶素子や偏光パネル(というものが入っています)と透過率のあまり高くない物をはさんでの光です。
しかし、ELは出た光をそのまま見ることになります。
暗いところと明るいところの差がどうしても小さくなりがちです。
それと、灯かりを窓から見ているので窓の輪郭が見えやすく 点と点ががたがたして見えやすくなります。
また、窓を通してみていますので 例えば 壁に穴を開けて隣の部屋のろうそくを見るような状態なので、真正面から見ていると明るく見えます。しかし、部屋の中を移動すると ろうそくが穴を通してなので正面に見えなくなり 下手をすると灯かりすら見えなくなります。
つまり、視野角が狭くなる傾向にあります(つまり、横から見えない)
偏光板を薄くしたり、バックライトを明るくしたりで そういったことを意識しなくて済むようなものも沢山出てきていますが 性質としてはそういった特徴を持っています。
有機パネルでは、自らの素子で光るのでそういった問題が出にくくなっています。
じゃあ、有機パネルに全部なれば・・・と思うのですが、有機EL素子の定着が悪かったり、発色が安定しなかったり、寿命が極端に短かったりと 製造上の問題も残っています。
今回のEPSONの発表は、各色のEL素子をインクジェットプリンターでプリントアウトするように定着させて作ったと言うところが新しいのですが、それ以上に このサイズが出来るなら 小さな物は簡単に出来るのでは?と思わせます。
有機ELは既に、コダックのカメラでは市販されているようですし CLIEも次世代は有機パネルでというような事も言われています。
もしかして、次のCLIEはパワースイッチを長押ししても バックライトのスイッチを切ることの出来ないclieかも知れません。