グラフィックカードに

昨日、ミニオフで人の買い物に付き合ってグラフィックカードを一緒に漁ってみました。
昔は、(って、いつの頃 VL−busとか書いてあったっけど)グラフィックカードも各社無茶苦茶仕様の違いが有って、コストと仕様の関係でオーバースペックなんて名の知れたメーカーでも当たり前。
モリーのチップの仕様を調べて、配線を調べて 破綻しなさそうなものを購入していました。
その中でも、当時始めてMATROXのビデオカードを見たときの衝撃は忘れられません。
いまでも、そうかもしれませんがコンピューターと言えば最新の技術の粋を集めたイメージがあるのですが 小ロット多品種で手作りのものが多く 配線もプリントのエッジがルーズで 下手をすると保護さえかけられていなかったので転倒で置いてるうちにうっすら錆びてきたりしていました。
その中では、MATROXはぴか一で規則正しく長さをそろえて引かれた配線や他の会社と比べて一ランク細い配線 勿論、価格もぴか一だったような気はしますが。
勿論、当時のMATROXの技術が良かった事もあるのですが、他のメーカーは グラフィックアクセラレーターチップとリファレンスを出して 他のベンダーにグラフィックカードを作らせている事が多く メーカーのリファレンスを厳密に守っていないようでした(スペックとコストで)。
あとは、開発にかかる期間が短ければそれだけ他のベンダーに先んじられるので 綺麗なボード設計なんか二の次の時期でした。
で、昨日の店頭ですが 玄人志向の商品はともかく、その他のグラフィックカードはほんの2社ほどのチップメーカーで占められています。
ATIとNVIDIA この2社です。
まあ、これは 今の実情だからしょうがないとして それよりもどのベンダーの箱もどちらかのメーカーの回し者のように チップのメーカー名やなんかがチップセットの名前と共に書いてあります。
名前は知りませんが、グラフィックカードの動作をデモするために出てきた 天使というか妖精というか、そのイラストが箱の前面を占めているものもありました(もしかしたらメーカーのリファレンスカードかもしれませんが)
どうも、チップブランドのネームバリューが大きくなりすぎているようです。
それもそのはずと言うか、今回発表になったNVIDIAのGPUチップですが シリコンサイズがPentium4並のサイズ。
Pentiumのような汎用品と違い、処理内容が特定されているので これは想像ですが 同じ処理をするロジックが複数個並列に置かれたような構造になっているのではと思いますので 同じだけの労力で設計したのかどうかまでは解りませんが かなりのサイズです。
実際、半導体の設計をしているところではFABレスという自社工場を持たずに外注だけで処理しているところもありますが 設計は自社で行っているのでしょう。
同じアーキテクチャー上にある、進化形とはいえかなりの設計コストがかかっている事は想像できます。
もう、ぽっと出たようなメーカーには追従することの出来ない業界なのでしょう。
しかし、基本のベースでは、インテルチップセットにはグラフィックの機能も含んだものがあり、NVIDIAにもnFORCEというグラフィック統合チップセットがあり低価格PCでは、そういったものを使うために すでにグラフィックカードを選定する必要が発生するのは、3DゲームやCADのような超高解像度が必要なもの(複数画面の使用も含めて)に特定されてきているような気がします。
ATIのall in wonderのようなTV録画機能を搭載したビデオカードなんかの複合製品も出ていますが、録画はともかく 現在の性能であればDVDの再生やテレビの閲覧ぐらいであればオンボードチップセットで十分な気がします。
この先、どうなってゆくのか解りませんが 一部の企業ユーザーとマニアが支える産業のような気がして仕方がないのですが どうでしょうね?
開発コストが、商品のなかのかなりの割合を占めているようで、俗に言うマニア税のようなものが高い商品(コストに対する性能の割合の低いものでコストに対する特定のユーザーに対する満足度の高い商品)に思えて、なかなか手の出ない商品になっています。
私は、昨日 そんな事を考えながら Geforce FX5200 128Mの安価なビデオカードをお勧めしたのですが(自分の貧乏を人に勧めるなともいいますが)非常に偏った選択だったようなきがします。