ダイサイズ

最近、「ダイ」という言い方を良くしていて 合っているのかどうかの検証と、なんだか判らない人がいるみたいなのでちょうっと補足。(物知りな方、突っ込みお願いします)
さて、ダイサイズとは、ダイのサイズです
って、説明にも何にもなってない。
ダイは、シリコンウエハー上の、一半導体のサイズの事を言うのだと思います。
ですので、CPUなら一枚のウエハー上に幾つ取れるという感じになるのでしょう。
円形のシリコンウエハー上に、四角い半導体を取ってゆくのですから無駄な部分はあるとしても、一枚から幾つ取れるかで価格の多くがが決まってきます。
で、その半導体サイズが、小さければ小さいほど障害の起こる場所に当る確立が減り、歩留まり(生産数あたりの不良の発生する確率)が下がり、価格を安くする事が出来ます。
また、配線の距離が短くなれば短くなるほど 電気の到達する速度も上がります。
いい事尽くめで、ダイサイズの縮小と、クロックの高速化を進めるために 配線のサイズを小さくしてゆきました。いわゆる縮小コピーです(本当は想像を絶する努力が必要です)
縮小コピーを繰り返せばどこまでも小さくなるはずだったんですが、工学的限界、電気的限界に近づいてゆくにつれて、超えなければいけないハードルが高くなりスピードが鈍ってゆくような状態に入っています(まあ、一説には市場がもう高速化を求めなくなってきたことも投資を鈍らせているんでしょうけど)。
pentiumのような採算性の良いプロセッサーは、それによる恩恵で進歩を続けてきました。
また、他の種類の半導体工場も同じような理由で ダイサイズの縮小を続けてゆきました。
ところが、ダイサイズの縮小化に、もっと大きな技術的限界がやってきました。
勿論、本当は回避する方法はあるのですがコストが合わずに見送られている事が・・・
シリコン上に展開された半導体のパターンが、電気を得て動くためにはそこに電極を繋がなければいけません。
いわゆる、げじげじの足から半導体まで電線を繋ぐボンディング技術が。
ここにも、物理的限界と電気的限界の壁がやってきました。
高コストな、CPUなんかでは超えれるコストの壁が越えれない中途半端なサイズのICが・・・・
いわゆる、必要な足の数を確保するために、最低限必要な外周の距離 円で言うところの円周 四角形で言うところの外周の部分がいります。
でも、例えばもう外周距離が限界まで来ている半導体を、縮小コピーして50%に縮小すると面積は1/4になります。
しかし、外周は同じだけ確保しないとだめになるので、3/4はただの空き地になってしまいます。
もちろん、それでも良いのですが そこに何かあっても 無くても同じコストになるのであれば お金のかからない何か適当な付加部分を書いとけ!! という理由で色々なものを書き足します。(多くはメモリー回路になります。なぜならパターンは同じ物のコピーですので量が増えたら コピーの回数を増やすだけですから)
また、商業的にも他社の同じ機能のチップに加える事の付加機能(この場合はメモリー)が増えると 同じ価格ならこの会社のチップを選ばせるきっかけになります。
同じ会社で、例えばDSPを設計しているのであれば、その回路を 開いた部分に埋め込んだりと 付加価値競争に終始し始めます。
マザーボードの周辺チップ 俗に言うサウスブリッジやノースブリッジというチップセットにもそういった風が吹き始め 理由はさておき付加価値競争に拍車がかかっているように私には見えます。
もちろん、一つのチップ上に実装されている機能が増えると 消費電力的にも助かるので良い事だとは思うのですが、なんとなくどこの機械も画一的になってしまいそうな気がして・・・将来に心配が。