伊藤探偵事務所の爆発 30

王子:「だ、誰が!!」
奥からぬりかべさんが持ってきたのは、カップラーメンだった。
ぬりかべさん:「一個あった!」
王子:「余にそんなものを食わせるつもりか!」
arieさん:「お腹を鳴らした坊やには丁度じゃないの」
みどりさん:「あの〜、良ければ作りましょうか?」
王子:「何!」
みどりさん:「すっ、すいません」
王子:「いっ、いやすまん。つい声を荒げてしまった。」
arieさん:「ねえ、お料理お得意?」
みどりさん:「一応、それでお金貰っていますので」
所長:「料理が得意とは、家庭的だね いいお嫁さんになれる どうかね 私など・・・」
arieさん:「それはいいの、何ができる?」
みどりさん:「ちょっと待ってくださいね」
みどりさんは冷蔵庫をごそごそと探し出した。
みどりさん:「たいしたものはありませんね・・・、そのラーメンの麺を使ってパスタにしてカサを増やして見ましょうか?」
王子:「そいつらに食わす事は無い」
みどりさん:「そんなこと言っちゃ駄目ですよ、お食事はみんなで楽しく食べなきゃ」
鼻歌を歌いながら、料理を始めた。
冷蔵庫の中には、干からびたニンジンと焼きそばセットの野菜たち。
そして、野菜ジュースに、缶みかん料理の材料とはとても思えないものだった。
しばらくすると、香ばしい匂いと炒め物の音がした。
十数分の時間の後、料理がテーブルに運ばれてきた。
斬新な料理で、焼きそばの筈だったが何故か野菜ジュースの味付け、インスタントラーメンが小さく砕かれ カサが増やされている。流石においしそうかどうかに関しては自信を持っておいしそうとは言えないような出来だった。
周りを囲むものの、誰も手を出せずにいた。
みどりさん:「出来ましたよ〜 見た目には自信が無いけどおいしいと思います。」
arieさん:「出来たってよ、実験台」
みどりさん:「ひど〜い、おいしいんですよ」
王子:「頂こうか・・・」
おなかが空いている時は、何でもご馳走だ 度胸を決めて食べた。
王子:「ん? おいしい」
みどりさん:「なによ、その意外そうな言葉」
王子:「いや、本当においしい。」
みどりさん:「うん、そういってくれるなら許してあげよう 私も頂きます。」
もぐもぐと、二人で食べ始めた。
そして所長が手を出し、ぬりかべさんもarieさんも手を出した。
arieさん:「見た目と違っておいしいじゃない!」
 
未来さんは自分お部屋での通信を終えて帰ってきた。
未来さん:「受諾されました、改めて仕事の依頼をお願いします。」
未来さんは真面目な顔だった。
「解りました、事務所として受けました依頼であればOKですよ」
未来さん:「ありがとうございます」
未来さんは頭を下げた。
「ところで、局長は?」
未来さん:「すでに、降格になっていました。どういうことでしょうね?」
未来さんが不思議そうに言う。
「そういう人たちなんです」
未来さん:「ただ、依頼が代役から 王子を守る事に成っていましたが?」
「そういうことなんでしょう」
未来さん:「どういうことですか?」
「理由がわかるぐらいなら、困りません」
未来さん:「この後はどうされますか? 一度帰られます?」
「いいよ、用事があれば呼び出されますって 何も呼ばないと言う事は遊んでいて良いのですよ どうですか、一緒にご飯でも」
未来さん:「すいません、もう、昨日のところにいく予算がありません。飲みすぎたみたいで・・・」
「いいですよ、おごりますよ ただし、お酒は控え目に・・」
未来さん:「上司からは、飲むなといわれていますので」
「良いじゃないですか、少しぐらい」
未来さん:「なにか良い事期待しています?」
「とんでも、今日も部屋を壊すとせっかくの良い暮らしが台無しになってしまう」
ドキッとするような質問にも、余裕を持って返答が出来た。
何も解っていなかった昨日と違っていた。
「じゃあ、行きましょうか!」
肘を未来さんの方に出した。未来さんが、肘に手をかけた。
未来さん:「はい」