ブラウン管

テレビはブラウン管から液晶にシフトしているようですが、実際にPCの画面を見ていても 階調にかけるように見えるのは私がそういう目で見ているからでしょうか。特に暗いシーンではプロジェクターほどで無いにしても濃淡が解りにくいような気がしますが 実際売れているのですから私の目がおかしいか、それともそんな細かいことまで言わないのかのどちらかです。
明るいほうは、かなり改善され鮮やかな色彩は実物以上で写真のような精細な印象を与える絵作りだと思うのですが いかがでしょうね。
さすがに、長い間の研究で徐々に性能を上げてきたブラウン管に一日の長がまだあるように感じます。
ただ、戻るようですけどあまり気にしないんでしょうね 好調に売れているぐらいですから。
そして、大型の表示装置にはプラズマディスプレイが出てきて、大型はプラズマ。小型は液晶の図式が出来上がってきているように思います。先日、EPSONから出たリアプロがすごいですとか言ってると 既に3社ほど新たに参入されたようです。めでたいことです。リアプロがコスト的に安いのは明白で、コンピューターに繋ぐプロジェクターはXGAクラス2400ANSIルーメン(普通の明かりでは十分視認出来る明るさ)でも25万円ぐらいの定価で手に入ります。それに、フロントタイプのスクリーンで2〜3万で60インチぐらい。リア投射型でも 何十万もしません。合計で考えると100万台に乗ろうかと言うプラズマディスプレイに比べて安くなるのは当たり前。どちらかと言うと余分な付加価値をつけてコストを高めにしておかないと、あまりにも価格帯が開きすぎていて両方販売しているメーカーや販売店は決してうれしくない状況に成ります。
勿論、ブラウン管では実現不可能に近いサイズですが、筐体のサイズもプラズマディスプレイに比べれば大きくなる傾向にありますのでその問題もユーザーにとってはあるでしょう。
ところが、最近の記事を見ているとまた、新しい方式の表示装置が。
「SED」と言うらしいのですが、いわゆる構造的にはブラウン管と同様のようです。
ブラウン管は、大きな真空管で(ってこの時点で解らないか) 一般的に電子銃と呼ばれる電子を飛ばす装置で、裏の出っ張った部分から高圧に上げておいた電気で 画面のほうに向けて機関銃のように電子を撃ちます。本当に機関銃のようです。(でも途切れないのもそういうのかな?)で、それを周りのコイルで捻じ曲げて画面の左上から順番に横に動いて端まで来たら、反対の端に戻って また順番にとずっと続けて下まで行ったら上に戻るという作業を繰り返しています。
その前に、アパーチャーグリルと言う穴の開いた板があって、ここで穴を通じて絞られた電子がブラウン管上の蛍光素子に当たると光に変わります。
R,G,Bの3色の蛍光素子に当たった電子の量による明るさの組み合わせで画面が構成されています。
ちなみにアパーチャーグリルが四角形の穴を開けて作ったものをSONYが考えたトリニトロンという商標名で特許をとり有名になるのですがそれは別の話。
一点から放出する為に端っこに行けば行くほど電子銃から出た電子が弱くなります。
一つは距離のせいで、もう一つは夕方になると影が長くなるのと同様に投影面積が広がってしまいますから。
故に、ブラウン管の特性としては、真ん中が明るく周りが暗くなりやすく、真ん中に対して周りのピントがぼけやすいという性質を持っています。それが、ブラウン管の奥行きを短くしたり、画面をフラットにするともっと顕著に出ます。
また、ガラスの塊ですので極端に大きなものは作りにくいと言う問題もあります。
で、野外のコンサートなんかで見れる大きな画面は21インチぐらいのテレビを16個とか64個とか並べた画面が普通でした(今はLEDで出来たディスプレイが普通のようです)。
SEDは恐らくその並べたテレビと同じ発想で、電子銃を画素子数ぐらい沢山持ちその距離を縮めることにより電圧を下げ厚みの薄いテレビを作り上げたようです。
PCで言うところの一点の表示のための小さなブラウン管を沢山並べたような構造になっているみたいです。それこそ、何十万個。
ミクロの世界の電子銃のコントロールや、高圧が回路内を走り回ることに対する対策、画面の製法が根本的に変わることに対するプラントの作成等課題は多く残るのでしょうが、来年には60インチクラスが見られるかもしれないという近未来の技術。
プラズマディスプレイも40インチを30万円台で発売すると言ってますし、価格的にその時どうなのか解りませんが、液晶のサイズとブラウン管の画質を兼ね備えたものが出ればそれはそれでいいかなと。
やはり、液晶の手軽さで仕事でも使う機会が多いのですが やはり机の上にはSONYのブラウン管も置いておきたいですよね。あっ、だから机が狭くて仕事が出来ないんだ(あくまでも環境のせい・・・)