「ぐるっぽ」のHPのデータ圧縮に付いて

「ぐるっぽ」にはHPのデータ圧縮機能があります。これは、携帯電話で快適に表示する為には まずブロードバンドと呼ばれるM(メガ)単位の回線速度に対して、W−CDMAと呼ばれる3G(第3世代)携帯でも 384Kという速度ですから大きく差があります。使う側には関係の無い内容ですし 携帯電話でのブラウジングはほんの数分〜十数分程度の接続ですから データの読み込み時間が長ければ当然使われない運命になりますから その快適性のためにはデータの転送量を増やす必要があります。
AUは単独で2.4Mの高速ブロードバンドと言われる帯域を持っていますが それも、未だやり取りするほうが追いつかず本来の性能を発揮できているとはいえない状況ではないのでしょうか?
そして、スループットの上昇は 一概には言えませんがモデムとして働く携帯電話の内部回路には大きな負担になり まあ、簡単に言うと電力の消費が馬鹿にならなくなるわけです。
もう一つは、本体内部のメモリーの量で、画面に表示しないパーツまで受信してから取捨選択する余裕は携帯電話のメモリーには無く 5000文字分ぐらいのメモリー内で表示を作り出さないと駄目な携帯電話では 読み取る段階でデータ量を減らしておく必要があります。
Jigにしても、今回の「ぐるっぽ」にしてもそのために インターネット上でその圧縮を行うサーバーを置いて そこに接続するような仕組みになっています。
ホームページで 例えば画像のついたページでは ソースと呼ばれるHTMLの表記上には画像が埋め込まれているわけではなく、画像が置いてある場所が表記されているだけで ブラウザーがその命令を理解し 画像の置いてあるフォルダーに画像ファイルを読みに行くわけです。
ですから、画像を読み込まないと指定すれば、その命令が来たときにも読まないわけですからその分のデータ量が減るわけです。
画像は極端な例ですが、CGIであったりFlashなどのオブジェクトもどうせ携帯電話で再生できないのであれば読み取る必要が無いということになりますのでその分のデータ量が減るわけです。であれば、ブラウザーでデータを減らすことができるとなるわけですが、オブジェクトの種類によっては、一旦読み取ってみないと駄目な物もあります。
駄目と解っていて、読み取るわけですからそのデータは無駄になります。
インターネット上のサーバーで、必要の無いオブジェクトを読み取る部分を抹消してから送ってもらえばそういった無駄はなくなります。
画像も例えば 左右・上下を10%縮小すれば単純データ量で20%のデータ量削減になります。ましてや QVGAのサイズを越える画像などは元々表示できないのですから QVGA以下のサイズにリサイズするという風にサイズを変更していけばそれもデータ量の削減に繋がります。
フルカラーの画像を各色256色表示に減色することも各色16bitの画像からすれば データ量は半分になります(実際は圧縮された画像なのでそう理想どおりには行きません)。
レイアウトも、最初からQVGAで表示できないような無理なレイアウトは省いて、表示できる程度のものまで削減する等 表示するほどの能力があれば削減するべき場所も見えてくるわけです。
じゃあ、それで成形しなおされた画像をPCやPDAで見た場合には多少レイアウトがシンプルになり あちこち表示されない物があったりしますが それでも普通では問題のない程度の表示がされます。
これが、「ぐるっぽ」を利用した PCやPDAのインターネットブラウジングです。
当然、多くの制約はあります。しかし、モバイルなブラウジングであれば フラッシュで動く画面が見たいわけではないので それで十分事足りる場合があります。
それよりも、最大のボトルネックになっている回線速度が向上する方が優先される場合も有ります。
Air EdgeやB−mobileの圧縮も 多くは画像ファイルの減色等で圧縮率を稼いでいる物が多いのですが、こちらは見た目を優先していますので 大きくレイアウトが変わったり 表示出来ないオブジェクトを作ったりすることが出来ませんので圧縮できる量に限界があります。
計らずもがな「ぐるっぽ」ではその制限となるべきハードルが低かったことが圧縮率の高さという結果になったのでしょう。
勿論、受信側に解凍プログラムを置くタイプであれば もっと劇的な圧縮を生み出すことも出来ますが PDAではこれに対応したプログラムは提供されないことが多いので PROXY型とよばれるこういったデータ削減を利用せざる 得ないという状況です。
いいか悪いかは別にして「ぐるっぽ」はPDAやPCをモバイルで使うユーザーにそういった圧縮環境を計らずもがな提供した形になるのですが・・・・
一部携帯電話で、機種判別がちゃんとできないものがあるようでPCからの接続を完全に禁止しているわけではないようですが 今後どうなるのでしょうか?