携帯デバイスへの通信装置組み込みについて

PDAが市民権を得られずに、表舞台から消えてゆくと言われ続けていたところに、世界では、通信機能を持った携帯デバイスがたけのこのように出てきました。
よく、ビジネスの話のたとえに使われる アフリカに靴を売りに行った営業マンの話
ある営業マンは、「ここの人たちは一人も靴をはいていないからこの国では売れません」
と、いう答えをし
別の営業マンは、「誰も靴を履いていないので大きな市場です」
と答えたとか(詳細不明 記憶はあやふやです)。
こういった通信装置が出てきた背景には、インターネット時代に入ってこういった通信機器が出てくるのは時代の必然と言うような話をされています。しかし、本当にそうなのでしょうか?
日本も、数種のこういった端末を過去に出した経緯がありますし、海外でもPalm7を始めとして、通信手段も込みのソリューションとして出てきた経緯もありました。
ですが、みんなが注目したのは今なのです。
通信回線がW-CDMAで速くなった? PDAのクロックが速くなって業務に耐えれるようになった? いや、そんな理由は副産物にしかなってないような気がします。
どんなに 遅くても本当に必要なものは 出てきたはずなのですから・・・・
 
採用すべきに値するとすれば、一つ目の理由は、PDAには潜在的に期待されるべき能力があり その能力に対しての期待感が一気に商品点数を増やすことになった という理由。
ただ、これに関しては納得のゆく説明はつきません。
何故ならそれならば、電話機能の付いていないPDAの現状に納得いかないからです。
通信機能の付加で、驚くほどの機能向上が見られるわけではないからです。
 
二つ目の理由は、通信ベンダーの伸び率の鈍化にあります。
W-CDMA等、通信業界はにぎわっているように見えますが実際は既に世界レベルで、携帯電話の利用者数の伸びは鈍化しています。
これは、全員が靴を履いてしまったので 後は交換需要しかなくなったという状況に他なりません。
じゃあ、靴を履いていない国に行けばいいわけですが 携帯電話の難しいところは最初から通信網を用意して、利用できる環境を整えておかなければ契約を募れないと言うこと。
初期投資の額が大きく、ユーザーがあまり少ない地域では成立しないと言うこと。
じゃあ、方向を大きく変えて 狙いをデータ通信に絞るしかないと言う状況です。
よく言われるのは、DOCOMOではPDC(ムーバ)からW-CDMAFOMA)に変えたら通話できないエリアが増えたと言われること。
これをもって、電話としての進歩かと言えば退化なのです。
それはアンテナの本数の違いで、近い将来には・・・・という話も無くはありませんが どう考えても周波数の違いで 例えばコンクリートの壁の透過率だけで考えれば比べるべくも無いという事実もあるのです。
その割には、メールだi-modeの速度が上がったとのPRや 3Gのメリットを強調しムーバからFOMAへの乗換えをがんばって進めているわけです。
ボーダフォンのように3Gに成ったお陰で 通話エリアが増えたような良い変化もありますが・・・
どちらにしても多少の音質の向上があったものの、音声通話だけをされている方にとって、設備投資の負担も含みで計算された通話料が必ずしも納得いかないものであることは確かでしょう。まあ、ユーザーの増えすぎによってチャンネル不足がでているという噂もありますが。
音声通話の伸びを諦めたら、次はデータ通信に走るしかありません。
現在のi−mode、Ez−web、Voderfone Live全てがそうです。
200Mhzを超えるCPUを搭載して、Excelやword、PDFが閲覧できて、メールの送受信が出来て インターネットの閲覧までが出来ても電話は電話。
いくつかのビジネスに向けたソリューションが出ていますが、大きく発展したものはありません。電車でも、メールを打っているか ゲームをしている程度常時接続してデータを交換するような用途にはなかなか進んでいません。
各ベンダー一種類はCFカード型の通信カードを発売していますが、その売れ行きは音声端末の最も売れないものとすら比べるべくもありません。
では、通信を主に考えた端末を・・・・と成るのが自然の流れ。
ちょうどソリューションとしてPDAに電話機能を搭載したものは過去にもありますから 通信ベンダーの強力な後押しで この時期に集中して発売されたのでしょう。
多くが電話会社の専用端末としての発売ですので。
電話会社の専用品となるために、他の電話会社の端末として使えない仕様に成っております。
今後は、そのブランドの電話情報カード(SIM)が無ければ起動しないものも出てくるかもしれません。
今回のような特殊な仕様(PHS)の通信装置をもったとはいえ、日本でもとうとう登場しました。
 
ユーザーは、メーカーに踊らされてと悲観的な見方をする人もいますし 電話としての不十分さを指摘する人もいるでしょう。
しかし、その端末が自分の使おうとする用途に一致していればそれは、どうでもいいことなのでしょう。
現実に、未だにメール機能を搭載していない(私も1回線持ってます)音声専用の端末を持っていますので(利用中)これもOkなわけです。
ただ、メーカーはあくまでも素材を提供しただけで ユーザーがどう使うかなんて判りません。
多くの 携帯電話の仕組みを利用したサービスが消えてゆきました。パケットの仕組みを使ったグループ通信なども含めて、いつの間にか無かったことにされているサービスも多くあります。メーカーがTVまで使って宣伝をしてです。
ハードはともかく、ソフトの部分は結局ユーザーが作っていくものなのです。
メーカーが意図しようがしまいが、ユーザーはユーザーの進む道を模索し 進んでゆきます。
今回、キーボードつきのPDAとして発売されるW−Zero3もユーザーがその道を、マニアだけでなく一般で買った人たちが造って行ってくれると良いのですが・・・・

ただ、私も少しでも詳しいものとしてフォローが出来るチャンスがあればいいのですが・・・
きっと解説本とかも必要ですから、貸出機を早く出してくれると良いんですけどね。
せめて発売時点では、簡単で判りやすい解説を出せますのに。