頭が固い

私の好きなカメラメーカーから 新しいカメラが発売されました。
「EasyShare V570」というカメラ。
23mm〜117mmまでと言う広い範囲をカバーするコンパクトデジタルカメラです。
なんといっても特徴は、広角域 23mmでしょう。
私がコンパクトカメラにいつも求めるもの、明るいレンズと広角です。
明るいレンズは、屋内が多いスナップはいつも明るい場所で撮るとは限りません。
その際、出来るだけフラッシュをたかずに撮影する為には明るいレンズと感度の良いCCDが必須。フラッシュをたいたとしても レンズの明るさが色の階調変化に大きな影響を与えます。暗ければ暗いほど 色合いの変化が見えにくくなりますので・・・・
二つ目の広角ですが、ホテルに入って豪華な部屋に喜んだとき 部屋の写真を撮ろうと頑張ってみると判るのですが 入り口の廊下から部屋の中の全景は撮影できないのです。
同じように、広大な景色を見ても そう、頭を振らないという前提で考えたときに 100度(角度です)近い範囲を二つの目で見渡す人間の目に対して、カメラのレンズは 数十度の角度のものが殆ど。部屋に窓があって その窓から景色を切り取ったような絵になります。
もちろん、撮影したいものを凝視して見る マクロな撮影や人間の眼では認識できないほど遠くを見る望遠撮影等といった写真は別として スナップ写真は今、自分の目でみた景色を人を切り取りたいという欲求には 目と同じ角度を持った つまり広角のレンズたるべきだと思うのですが・・・
 
ところが、そういったカメラはあまり出てきません。
撮影してみるとわかるのですが、ちょっとした対象物のある写真を撮るときに余りにも広すぎて被写体が目立たなくなるのです。
もちろん、800万画素とか信じられない解像度のある現在のカメラの場合撮影した後切り取ればよいのですが 撮影したものそのままを使うのであれば迫力の無い写真になることも少なくありません。
その上、広角から伸びるズームレンズというものは奥行きが長く(広角側のレンズは 例えて言うならば魚眼レンズのように接写レンズの厚みが大きい)コンパクトにすることが難しく、ただでさえ暗くなるズーム側で曲折率の高いレンズなので真ん中しか使えずよりいっそう暗く ケラレやすくなります。
注)間違えているかもしれないので、詳しい方突っ込んでくださいね。
 
私が、P880が欲しい理由や リコーのカメラが話題になるのは広角側寄りのレンズを持った少ないカメラだからです。
今回、発売された「EasyShare V570」は馬鹿げたほどの力技でこの問題を解決しています。
誰にでも出来る方法で。
広角側をコンパクトに設計する為に短焦点で設置し、それ以外に通常のズームつきのレンズを設けた訳です。
少し前の、例えば「タイガーマスク(初代)」のようなアニメを見ると、テレビカメラはレンズが3つぐらい付いていて、ガチャガチャ切り替えて使うようになっています。顕微鏡の対物レンズもくるくる回して使うようになっていますが、このカメラはデジカメです。
レンズを切り替える代わりにCCDを二つ設置し、電気的にCCDを切り替えることによって二つのレンズを使い分けています。
 
元来、ズームレンズは便利なのですが、全ての倍率で画面全体でピントが合い 画面全体が曲がらないという条件をクリアーする為に 複数のレンズを組み合わせた構造になっています。勿論、それでも、一眼レフのズームレンズと使い捨てカメラの短焦点を比べるというのは野暮な話ですが、単焦点に比べてレンズの枚数が多くなるのが普通です。同じレンズのレベルであれば、数が少ないほうが良い結果が生まれる場合が多くなります。それで、どちらかと言うとズームレンズは全域でまあまあの成果を期待し、単焦点は特定の一つの場面では100点満点の成果を与えてくれます。
ただ、何本もレンズを交換するカメラでないコンパクトデジタルは、ズーム付が多くなります。
 
レベルまでは、記事からは推し量ることは出来ませんし 私の目では細かい違いはわかりませんが、広角側を単焦点にしたことで室内で利用する場面においては ズームレンズより明るくクリアーな画質がえられたのではないかと思います。
それに、加えて普通の3倍ズームカメラが付いたとすれば それは便利に使えるでしょう。
 
今回のカメラは、KODAKであるという贔屓目がはいっていますので 二つのCCDをうまく使えてない(例えば両方のCCDに電気を流すので 消費電力が多いとか、必要以上に重いとか)可能性もありますし 実際の評価は各誌で見るのですが、これだけ高画質のCCDが安価になり プラスチックレンズでコストを下げ カメラの構成部品としてCCDやレンズにかかるコストの割合が減ったとはいえ、複数のCCDを搭載して使い分けるような使い方は恐らく初めてではないかと思います。(動画用に 各色毎にCCDを置いたり 動画用・静止画用にCCDをおく例は別として)
この発想から言えば、ズーム域に複数のCCDを搭載し、二つのCCDの画像を混ぜ合わせ画像を作ったり(距離が遠い場合画各の差が少なくなりますので)単焦点のカメラとレンズのセットをレンズの違うセットとして6種類用意して、ズーム率に応じて切り替えて使うタイプのカメラが出てくるかもしれません。
こんなことも考えなくなってきているということは、頭が固くなってきているということなのでしょうか? 年はとりたくありません・・・

追記:その後、日本語のニュースが出て CCDはひとつだということが判明。
   レンズ切り替え式カメラで、上記のようなものではありません。
   ただし、同じような効果は得られるかと思います。