去るものは追わず ただ引っかくだけ?

ってそれは「去る」が「猿」やがな!と、大阪らしいボケを一つ。
昨日(というか今日)、MACインテルCPU搭載版が発表になりました。
これで、PowerPCを搭載したコンピューターがなくなることになります。
勿論、APPLEが今までのシリーズを無くすまではと言うことなのですが・・・・
あれほどPowerPCの速度は、クロックでは表現できずこれはPCではなくスパコン並みの処理能力だと繰り返していたのに、いきなりIntelCPUを搭載して×2だの×4だの 速度が上がったことをアピールする辺りがしたたかなところ。
 
これで、市場からPowerPCを搭載した機器が消滅しPowerPCの時代が終わりを告げようと・・・・しないところが良いところで、実生産数は恐らくうなぎ上りに上がりそうな勢い。
CELLを搭載したPS3はともかく、XBOX360等で大活躍なCPUがPowerなのです。
では、XBOX360の居場所ですが やはりメインはゲーム機としての色合いが強いように思われます。しかし、DVDプレーヤーとしての側面や HD−DVDプレーヤーとしての側面も無視できません。
現状は、WindowsPCとの連携での動作についての記述が多いようですが 実際問題連携する必要も無くサーバーとしての機能をもたせることの出来る 単体で成立するPCともいえるスペックを持ったものです。
WindowsXPはMediacenterEditionを得て、リビングルームに鎮座し、家中のメディアを束ねる能力を持つことになっています。
海外では、それなりの知名度も得てきました。
しかし、全ての家庭にPCを中心としたシステムをおけると言うほどの 甘い観測は恐らく持っておらず、その為の第一歩としてのXBOXである可能性があります。
 
CISCとRISCという比較について、既にCPUの製造の世界では意味の無い言葉になりつつあり CISCのCPUであるIntelのX86シリーズも内部にRISCプロセッサーを持ちそれに対する命令のハードウエアーデコーダーを持った構成になっています。
AMDであれ同じ事 というよりもAMDが先に使った手法です。
故に、ムーアーの法則を上回る速度でCPUのクロックを上げる事が出来たわけなのですが。
今回のMACのように、68000系プロセッサー→PwerPC系→Intelx86系のCPUアーキテクチャーを跨る変更を、一般的なPCでも行えれば良いのですAPPLEのように一社独占で無いPCの世界ではそういった変更がいつもスムーズに進みません。
WindowsもNTなどでは、PowerPC等の他のCPU向けのカーネルも提供されていました。現在もWindowsXPのOSの入ったCDの中にi386というディレクトリーの中にOSが入っているのはその名残でしょう。
Intelも64bitCPUへの代替わりの時点で、サーバー用と位置づけて非互換CPUを提供しましたが それも、あまり話題にはなっていないようです。
現に、互換を維持したまま64bitに移行したAMDの手法と同様の64bitになるCPUを提供しています。
CPUのアーキテクチャーの優位や速度だけがCPUの市場性を決めるわけでは無いというのがPCの世界の面白いところです。
実際、モデムやルーターの世界では PowerPCやIntelでもPXAシリーズが多く 同様のシリーズをx86系で揃えたAMDは明らかに苦戦しているようです。
 
PowerPCを搭載した XBOX360はリビングPCとして最強の性能を誇るのか?
確かにブラウザーとして機能し、メールも受信できます。
HDDレコーダーに録画された動画ファイルを再生する機能を持ち、自らのHDDに記録された音楽ファイルを監視し、メディアプレーヤーに転送する機能も持ちます。
ワープロ表計算をローカルで行わず、WEB上で動作するアプリケーションでまかなうのであれば 一般的なPCで必要とする用途を殆どこなすことが出来ます。
ブラウザーも、PDAで見るブラウザーと同等の性能がありますし WEB上での動画配信がMP4やDIV−X、WMVであれば再生できますのでストリーミングも困らない。
今までテレビで見るブラウザーの最大の問題であった解像度がTV相当 256×256程度のもので少なすぎた情報量も、HDD−TVが接続されることによりPC相当の解像度が得られ快適なブラウジングを可能としました。
 
問題はコストです。
その生まれをゲーム機に持つXBOX360は 商品の性質上PS3やNintendoの新型機に負ける性能であるわけには行きません。
ましてや、PCでも再生の難しいほど詳細な画面を再生する機能がありながらゲームになると荒いポリゴンを貼り付けた半魚人のようなキャラクターが格闘するのでは購入者は納得しません。
有り余るポリゴン性能や3D描画性能が必要でありながら 僅か$400に抑えなければいけないコスト。幾ら量産効果を期待しようにも限界があります。
発売して僅か二ヵ月後、アメリカのCESでは強制空冷キット、水冷化キットの発表がありました。
どう考えても市場に受け入れられないサイズのACアダプターがあります。
 
改めて、市場性と機器の位置付けの難しさが露見した商品なのですが、今後 XBOX360サーバーのような商品が夏ごろに出てきて、PC用として考えられたMediaCenterの機能をサブセットであろうが叶えるものとなって+$100程度の金額で発売されてくる可能性もあります。
大きく変更される必要は無く、電源が切られた(ように見える状態)での消費電力の低減と最大負荷が持続できるだけの冷却システムと内蔵された電源回路に尽きるでしょう。
下手をすると、PCに挿入する形で動くXBOX360カードと言う形かもしれません。
PowerPCは死なず、ただ消え去るのみとなるはずが 水面下ではより大きな市場を狙っているだけかもしれません。
勿論、PS3も同じ方向に向くと思うのですが・・・・何度も出てきますよね SONYとAPPLEが協力してという噂、時代の変化が見えた今 PowerPCをAPPLEが捨てた今なら 真実味があって・・・・