たんぼぼ綿毛と日に干したお布団

彼女の妹、「継帆」とは今日はじめてあった。でも、知らなかったわけではない。
勿論、顔を見たのも 「継帆」という名前を知ったのも今日が初めてだった。
実際 想像通りの美少女だった。
いや、想像以上といっても過言ではない。テレビに出ていてもおかしくないような少女である。
記憶が間違えていなければ、高校三年生になるはず。
色は白く、一帆のようなアクティブなイメージは無いが 実際に触ったわけではないが いや正確には最初に出会ったときに手を握ったから手のひらの感触は在るが、その手のひらから想像したとしても どこを触っても柔らかくていい表現が見つからないが気持ちよさそうであった。
美人ときかれると返事に困るが、100人いたら100人ともが可愛いというだろうし、まったく計算もいやみも無い笑顔は花が咲いたようでおそらくどうせ殻も嫌われるような子ではないだろうと思う。
屈託の無さは姿からも想像でき、逆に彼女にだったらだまされてもしょうがないと思わせられるほど。

彼女の妹は いけない、名前を知らなかったのでついついそう呼ぶ癖が付いている。継帆は、実は俺たちの恩人ともいえる存在かもしれない。
俺たちと言ったのはさっき逃げ出した二人の男たちが含まれているからである。
逃げ出した二人は俺とおんなじいまだ新人である。しかし、俺が思うには将来有望なカメラマンとイラストレーターである。
かくゆう俺は将来が楽しみな小説家志望の若造である(年はとっているが)。
三人のチームは、継帆によって構成されたチームであるといっても過言ではない。
勿論、知らない人に いきなり無記名の手紙で「君たちの使命を伝える」なんて手紙が入っていたわけでも、8mmテープが入っていたわけでも、ビデオテープが入っていて伝えられたわけではない。そういった怪しい組織に所属したつもりは無いから。勿論、ああいった女性関係をもてるなら参加しなくは無いが、それほど諜報員としての実慮k具rとは思えない。少なくとも体力の面で。
話は脱線したが、やはり彼女 一帆の提言によるものである。
 
一帆は やはり大学でも積極的な性格を遺憾なく発揮して、あっという間に有名人。勿論、俺も有名人であったのは間違いない。
あまりにも衝撃的ないや笑劇的な登場をしたからではあるが、俺と違うところは少なくとも殆ど全ての人と友達といえる関係になっていたことで みんなのことに驚くほど詳しいこと。
見た目やしゃべり方からは想像できないが、彼女は話を聞きだすのが天性の才能なのか特異だった。
その中でも選ばれた3人が俺たちであり、なんと年末に作られたチームは、2月14日に生まれたという彼女の妹へのプレゼントとして呼ばれたわけである。
 
彼女はあまり自分のことを話すほうではないが、彼女の妹のことに関しては饒舌である。それもすばらしく。
まるで自分の子供か何かであるかと思えるほど溺愛している風であった。
俺たちの中で持っているイメージは、ふわふわと触れてしまうと壊れてしまうほど繊細でかわいい子、お日様からの日差しを受けるように明るく暖かい子、そして、信じられないほどかわいいという容姿だけだった。
ただ、たった一枚の写真も見たことが無いので、それが本当のことどうかすら判らなかった。
三人の中でイメージは膨らんで行き、吹くと飛ぶようなタンポポの綿毛、温かい日に照らされたお布団の暖かさ、アニメが好きなイラストレーターには二次元のアニメのキャラクターに例えてイラストをよく書いて見せてくれた。
だんだん、イラストの年齢が若くなっていくのが彼の悪い癖である。
ただ、ビュジュアルから入るイメージは強烈で、頭の中の創造だけはどんどん膨らんでいった。
簡単に言うと、一帆の正反対のイメージ・・・なんて考えているだけでパンチが飛んできてもおかしくない状態でチームは結成された。
 
いきなり、「妹の誕生日の為にプレゼントを贈りたいから手伝って!」と呼ばれてはじめた顔を合わせた4人であったが、彼女は全員のことを知っている。
将来あるエッセイスト(このころはこういった言い回しが流行っていたのでこう呼ばれたかった)と紹介されて舞い上がっていたこともあったし、いまだ知り合ってそう日もたっていないで、みんなの入学当事の噂が本当に成るかと思って協力することにやぶさかではなかった。
あとで死ぬほど後悔することになるとは思わなかった。