格差と平等

「W−Zero3の価格が39800円!」恐らくこれは世界に対して衝撃的なニュースだったことでしょう。
アメリカでも、発売し新型の登場や登場予定、電話会社の特別セールなどでこういった価格が出ないことはありません。しかし、発売したばかりの新製品がこの価格なのは驚くべき事件だったでしょう。
また、発売時期は遅れたものの本体のみの販売価格も49800円というのも十分にインパクトのある価格です。
日本で販売されている ボーダフォンの702NK NOKIA6630の価格が同等だったのではないでしょうか?(現在は、海外では無くなっています下手をすると販売しているのはDOCOMOだけかもしれない?)
では、一般の電話を見てみましょう。
AUはBREWの制限上本体搭載していない機種では提供されませんが、それ以外のベンダーは標準なのか別途導入アプリケーションなのかは別にして3Gと呼ばれる世代の端末でInternet用のブラウザーを搭載できない(搭載していないとは別の意味です)端末は無いはずです。
勿論、パケットの支払い条件の問題は別としてですが。
e−mailに関しては恐らく搭載していない3G端末はないでしょう。
辞書の搭載、月額のコストがかかるにせよGPSを搭載しNavi機能を持った端末もあります。
どころかGPS機能は今後標準搭載機能として提供されるようになるようです。(防犯円からだとは思います)
そして、機種を選ばなければ1年〜2年の契約を基準に 無料で手に入れることが出来ます。また、解約料も1万円程度。ブラックリストに掲載され契約ができなくなることを恐れないのであれば難しいことではありません。
トンネルの中、山の上、海に浮かぶ船の上 そして地下街の中。確かに電波の届かない地域は有りますが驚くべき場所でも携帯電話の電波は届きます。それがスラムであっても関係はありません。(もっともスラムがあればの話ですが)
3Gの普及率は実際の通話通信エリアはともかく全ての市町村に跨り100%に近い普及率です。
故に384kという理論値ですが高速の通信環境が提供されています。Auだけに限定すれば 2.4Mという有線並みの速度を誇ります。
それ以外にも安価なPHS網が全国をめぐり定額でのデータ通信を可能にしています。
 
何が言いたいか判りにくいのですが、これが日本の環境です。
3GといわれるW−CDMAの搭載されたSmartPhoneの端末が現行殆ど発売されていないのは市場の問題でそれだけW−CDMAを導入している国が少ないということです。
電話で探しても判るとおり SonyEricsonかNOKIAぐらいしか海外メーカーでは名前の上がるところが出てこないのが実情です。
では、W−CDMAでなければ何を使って通信をしているのか?
通話にGSMという方式がありますが、その電信方式上にデータ通信を載せたGPRSという方式を使います。
最大9600bps(だったと思います。もしかしたら14400bpsかも知れません)というモデム並みの速度での通信が行われるわけです。
利便性の問題はともかく、W−Zero3の契約が64kbpsのリアルインターネットプラスではなく128kbpsの定額制であることからも 決して満足できる結果ではありません。
また、携帯電話にフルブラウザーと呼ばれるインターネットビューワーが搭載されても画像やレイアウトを含んだデータを受信するのには辛い速度となるでしょう。
がんばって使うためにはProxyの存在が必須であり、MobileOPERAなどのようなアプローチになるのはやむ終えないのでしょう。
日本の携帯電話では、そういったデータ圧縮の為のプロキシの存在が無くとも普通に閲覧できる環境が整っているとも言えるのでしょう(これは、主観なのでなんとも・・・)
 
勿論機種選定に選択肢が無いことは大きなマイナスポイントとなります。
これは鎖国的政策を取った為に発生したことなのですが、アメリカにおいてもCDMA網しかサポートされない地区では同様の問題が出てないわけでは有りません。
それしかサポートされない地区があるのが特殊性なのです。
特にDOCOMOは3Gに至っても鎖国政策を続ける頑固なところがあり現状手も足も出ませんが、3Gだということで言えばVodafoneは国際的な基準を満たしているように思えます。
先日のDOCOMOの幹部の消去された発言でも有りましたが、同等の海外の機器を日本国内で発売する為には、より多くのロイヤリティを携帯電話ベンダーが支払わなければならない状況は、日本の携帯電話が決して高くない状況で生産されていることに他ならないことの証明でしょう。
勿論、手続き等の費用が少ない販売予定数量故に割合として高くなりすぎるからなのかもしれません。
しかし、2万円程度でVGAやQVGAの液晶画面を搭載し、E−mailを受信し、WEBの閲覧を可能とするうえに、音楽の再生機能に、辞書機能、スケジューラーにメモ帳、ToDoやカメラ、画像処理の真似事までこなす携帯はSmartPhoneの低いレベルの物を明らかに上回る機能のものです。
勿論、必要の無い物が搭載されている点や カスタマイズといえるほどの変更が出来ないことは問題ですが・・・・
ただ、それを差し引いても 一般市場に受け入れられるだけの価格の提示が携帯電話ベンダーからなされています。
 
W−Zero3の価格は微妙で、あの価格だったからこそ一大センセーションを巻き起こすことに成功したと思われます。
今後のSmartPhoneの基準が W−Zero3にあるとして海外の多くあるSmartPhoneを国内に持ち込んできたところで 対抗できる価格になるかどうかに関しては疑問が大きく残るところです。
実際に、一般の人はいくらまでならSmartPhoneを購入してくれるのでしょう?
一般の人が購入しないハイエンドなユーザーの為だけのフラッグシップとしての位置付けとなるのでしょうか?
ダダ漏れに使われるかもしれないパケットの処理をどうして行くのか?
今後の展開には目が離せなくなりそうです。