進化の過程

人の脳が有効活用されていないなんてこの間書いていたのですが、本来必要の無い物であれば退化するのが自然の摂理。
少しでも体重が軽くなれば、当然動きが早くなって自然界では生き残る確立が高くなるわけです。
勿論、それがもし全て活動を始めた場合 送り出す血液に乗った酸素も栄養も足りなくなるのであっという間にガス欠と成るのでしょうが・・・
私が時折書いているお話の中にも、それをテーマにしたもどきを書いたこともあります。
 
勿論、ヒトがいきなり沸いて出たわけではなく、生き残るべき能力を持った個体だけが生き残り、その個体の特性が徐々に最適化され種に至るというのが本当なら その過程で全てが運用できない器官は淘汰されなくなってゆくはずです。
勿論、脳と言う器官が他の器官に比べ損傷に弱いために、代替器官として働くべき予備としてあるのであれば、あまり損傷したからといって他の部分がバックアップをするような働きは無いようです。
それ故にその存在が不思議に写るのですが・・・・
 
勿論、これが進化の過程であればさもありなん。
哺乳類と括った生物は2心房2心室の心臓を持っていますので、それ以上の効率のポンプを持った生物が現れてきてもおかしくは無いわけです。
ところがここで進化を止める働きが出てくる。
ヒトの文明と倫理観です。
人と人は助け合って生きてゆく。これは正しいことだと思います。
勿論、ヒト以外の動物も群れを成して助け合う習慣はあります。
しかし、生きてゆくための機能を欠いた個体は淘汰されるのが自然の摂理です。
つまり、自然淘汰と言う意味では淘汰されるべき個体までが生き残るような仕組みをヒトは作りあげたのです。すばらしいことだといえるでしょう。
しかし、進化の過程が淘汰と生き残った種同士の交配によりより生存力の高い種の発生にあるとすれば、残念ながらそういった効果は現れにくいといえるでしょう。
もし、ヒトの能力の進化する方向がお金を稼ぐというファクターが生存手段だとすれば、お金持ちとそう出ない人の二極化が進み、お金持ち同士の交配でよりお金を稼ぐのに適した種が現れるかもしれません。
ただ、これは生物学上の優位といえるファクターでないために うまく行けば知能指数の高い主が現れてくる程度の効果しか生まないでしょう。
この話は、二次大戦を引き起こした原因の一つ「優生思想」に近いものであり、「銀英伝」なんかに出てくる王もかぶれていたりしたわけです。
この進化がどうにもうまく行かないのは歴史が証明しており、一代目がそういった才能を持って生まれ 二代目、三代目と続きその能力が伝承されたとしても 人の能力は生まれ持ったものだけでなく 生まれた後に得る知識にも大きく依存するために一概に能力だけで決定されない。いわゆるボンクラな二台目が家を食いつぶすと言う様なことが起きるわけです。
それでも、何代にも渡っても食いつぶしきれないような資産があったとしても、社会情勢の変化等に付いてゆけずに表舞台から去るヒトもいます。
 
話が大きく逸れたのですが、ともあれ生物学的な進化はもう発生しにくい環境が出来てきています。
もし、他の種から知能を持った種が発生しようとしても 恐らく、知恵比べに勝つであろうヒトという種がその台頭を許さないことでしょう。
とすれば、ヒトの脳の力をより多く使うために心臓が強化された種が突然変異で生まれたとしてもその能力が新しい種を作る可能性は少ないということに成るのでしょう。
であれば、脳の遊休部分がそのうち退化して減ってゆく可能性もあります。
ただ、それは本当にその部分が何の役割も持っていないという前提条件でなのですが・・・・
 
ヒトは記憶を脳に織り込んで行き、その発達の過程で皺を増やしてゆくようです。
その皺を増やす際に一時的な記憶容量だったり、その為のコンデンサの役割を果たしありという部分で働いているのかもしれません。
もし、本当に封印されているだけだとすると、封印をといた瞬間に多くの人がハンガーノックを起こして倒れてしまいます。
その封印は、人をいつでも殺せるように神が仕込んだリミッターだったりとSFでの興味の尽きない話です。

追記:
家でぱらぱらめくっていると、そういえば昔恐竜の話も見たなと・・・
大型の恐竜ではなく、後半には小型の肉食獣が台頭してきます。
その中の一部の恐竜は、比較的大きな脳を持っていたと。
考えてみればわかるとおりに、肉食恐竜の中には二足歩行を行うものがあります。
うまく発達すれば、手を自由に使えるという点でかなり人に近いものです。
常時二足歩行の生物を人以外に頭でイメージして見られるとわかると思います。
制御するロジックさえあればとなるのですが、現在の人間ほどではないのですが 類人猿と同等の脳を持つ恐竜が発見されています。
その恐竜たちが、何らかの形で絶滅したのは有名な話。
本当に道具を使うほどの能力を持っていなかったのかは疑問ですね。
少なくとも群れで行動し、狩をしていたとは言われています。
 
恐竜は爬虫類ですので二心棒一心室
送り出す血液ポンプの性能に問題があるので今の人間と同様に多くの部分が使われてなかったと思われています。
脳はブドウ糖しかエネルギーとして使うことのできない、そしてかなり多くのエネルギーを消費する器官です。どうしてもそうなってしまうことでしょう。
また、変温動物だったことも不幸な問題です。
常時、同じエネルギーを供給するのが難しく 脳を維持するにはあまり大きな変動があると多くの部分を起こし続けることができなくなっています。
エネルギーの量にあわせて脳の起こし具合を調整できたりはしませんから・・・・
なんとなく、納得ゆくような行かないような結末なのですが、小説の中では言葉すら話しています。
 
ところが、2000年頃に化石を分析した科学者が 「極めて取りに近い構造である」なんていったところから始まり、化石を見る限り二心房二心室だったそうです。
そして、骨の中にも血液の流れていた跡があり温血動物だったという可能性があると。
だとすると、氷河期で絶滅する可能性は鳥類、哺乳類と同じ確立だったかもしれないのですから。
では、なぜ滅んだのでしょう?
そして、そこから知能を持った生物が出てこなかったのでしょうか?
謎です。