仮想マシンと現実世界

CPUの速度が上がってくると、もう一人では使い切れなくなってきました。
PDAですら、通常は200M以下で十分。
動画などのときに困るぐらい・・・・と言う状況。
徐々に周波数を変化させられる幅が広がり、その変化の諧調も細かくなってきています。
でも、ピークを使う用途が減れば減るほど もういいんじゃないかと思ってしまうのがPCの速度。
十分遅く感じないと言う人は幸せな人。
でもCPUの速度だけでPCの速度が決まるわけではなく 肥大化したアプリケーションは増設に次ぐ増設で大きくなったメモリーすらも凌駕し、最近では1Gのメモリーを搭載していても メーラーといくつかのディスクトップアプリケーションとブラウザー セキュリティなどなどで700Mオーバーの状況です。
ちょっとした事でHDDにアクセスするのでHDDの速度が大きな問題になったりするわけです。
それでも、新しいCPUは速くなり続け現在は 4G近いクロックだったり 5G相当のクロックを超える性能だったりするわけです。
ノートPCでバッテリーで使っているときには500M相当の速度しか出てなくてもなんとなくなった苦していたりするのですが・・・
 
速度が2倍あるなら、2台分の仕事を1台でこなしてくれればよいのに。
そういう発想が当たり前に出てきて、その発想は一台のPCに複数の環境を共存させることとなります。
考えてみれば、1台のPCにモニターが複数つながり、マウスが複数つながり、キーボードが複数繋がれば2台のPCとなんら変わることは無いのです。
モニターが一台だとしても、PCの切り替え機で切り替えて使っているなら同じこと。
そのメリットは、2台と一台の比較であれば 性能が多少良くても1台のほうが安くなるのです。
そのうち、6人がけの机にPCが一台で モニター6台の共有環境となれば電気代もコストも助かるわけです。
勿論、6人が同時に重たい処理を掛ける訳ではないので速さも6倍無くても3倍ぐらいでOKになれば 現在でも選択肢はあるでしょう。
もっと進めば、一つの会社に1台のPCという発想もあるのですが、その場合位置だのPCからクライアントに配線が走り回り モニターケーブル50本を壁の中を通じて違う部屋まで配線することを思えば部屋毎にPCを置くのが効率的になります。
配線の手間と、機器代金のバランスを取りながら進んでゆくわけです。
ネットワークのパケット上に、ビデオ信号やマウス、キーボードの信号を乗せることが出来ればその問題も解決しそうですが ネットワーク上のトラフィックは(渋滞度)相当なものになります。
また、信号を変換する専用機と安いPCと比べてみると どっちもどっちとなって それなら負荷が分散するPCの台数が増えて・・・・となるわけです。
ただ、1台のPCで総てやっていたとすれば 管理コストはぐっと下がります。
勿論バックアップできるPCが存在するのであれば、故障してもすぐに代替が利いたりして 復旧も大変楽になります。
将来的には・・・・となるわけです。
 
PCとPDA(WM5)の二つの機能を持った機器が発売になるそうです。
手帳などの用途にPDAを使い、それ以上の用途にはPCを使う。
一見合理的に見えますが、実際はPCでPDAのエミュレーションを行うのであれば機能的にはPDAとしてのハードウエアーはいらなくなるわけです。
勿論、この話では大事な点 バッテリーの持ち時間と起動時間の問題を無視しているわけです。
バッテリーの持ち時間に関しては200〜300Mhzで動いているPDAと1G超で動いているPC。いかな省電力が進歩しようともベースの違いでなんともならない部分があります。
簡単に言えば中年になると太ると言うようなもので、若い間はエネルギーを成長と活動両方に使いますが、年を取ってくると自然とその割合が活動だけに寄って行って 体が一日に使うカロリーが減少してゆくわけです。
故に、若者と同じ食べ方をしていると太ってゆくわけなのですが 尚且つ、そこそこの年になるとそこそこお金を持っていて 若者には食べられないような贅沢でカロリーの高いものまで(おいしいもの)食べれるようになりいっそう拍車をかけるわけです。
その基礎代謝の部分がここで言うベースクロックの部分になります。
 
では、省電力の問題をおいておいたとすると 発想として成り立たないのでしょうか?
PCのCPUはx86という系列のCPUで、8086と言われるインテル製のCPUから拡張された命令セットを使っています。
同じ32bitCPUでも PDAに使われているものはARM9と呼ばれるアーキテクチャーのもの。
CISCとRISCという根本的な部分で違うものです。
しかし、CISCであるx86系のCPU用のWindowsCEも存在するのです。
ということはPDAのOSであるWM5はWindowsCE4.1をベースとして(確かそうですよね)作られているわけですから非常に近いアプリケーションを動作させることが出来るわけです。
現在の仮想化技術は、ハードウエアー的に仮想化を実現しようとしており、PCを切り替えた瞬間に アドレスの変化やレジスタの内容を対比する仕組みになることを目指して作られているようなので 完全に系統の違うOSを同時に二つ動かすことが出来ることを目標に作られています。
例えばMAC OSとWindowsのような・・・・
 
HDDとメモリーの差があります。
そうです、WM5ではプログラムはメモリー上に展開されています。不揮発性なフラッシュメモリー上にあり連続したデータの読み込みであればともかく、ランダムデータアクセスや HDDの立ち上がりの遅れなど物理的な問題で起動速度は速くなるのです。
Vaio UXのフラッシュメモリーモデルがそうです。
ところが、VISTAで採用されるHDDの技術に HDDにフラッシュメモリーを搭載して それを介してHDDにアクセスするようなHDDも出ます。
そのHDDのフラッシュ部分にCEのOSがいればフラッシュメモリーの起動でCPUが速い分立ち上がりが早くなるはずです。
勿論、フラッシュメモリーからのブートも規格が決まったので内蔵したフラッシュメモリーからOSが立ち上がっても良いのです。
RAMは最初から1GのRAMの128MがCE用、896MがPC用と割り切ってしまえば それでもPCの速度は殆ど変わらないはずです。
電源の問題も、同時に動いているとき以外は メモリーの給電を下げるとかリフレッシュのタイミングを遅くする等の根本的な対策を取ることができます。
 
マイクロPCも私の持っているOQOでは400gを下回る重量で2.5時間の駆動時間がPCとしてあります。
PDAだとすると、動画再生でX51Vが同じぐらいでしょうか。
重量は2倍程度。
例えば、PCとして使うときにはExt。バッテリーを付けてPDAとして使うときには本体の軽量バッテリーで駆動するなどの対策を立てたPC&PDAなマシンが出てきてもいいかなと?
実際、WindowsCEを搭載したQVGAマシンが出るらしいですのでそう思えば悪くないはず。
 
仮想マシンをOSの切り替えや複数のクライアントのアクセス用に使うのではなく、こういった使い方で問う序させてくれると面白いのですが・・