妥協と利便性

Palmでもっとも良かったことは他の電子手帳と呼ばれるものに対してカスタマイズの幅が大きかったこと。
そして、それはプログラムレベルまでに至ったことが大きなポイントだったでしょう。
もちろんそれはPCというお手本があってのことでしょうが。
そして、その流れは多くの携帯端末を生み出してきます。
 
そして、PIMとして要求されるべき カレンダー(予定表)、住所録、Todoなどは強化されます。
ところが、標準のアプリケーションである例えばカレンダーにおいて使い勝手をもっと向上させたくても メジャーになりきれない部分がありました。
例えばPalmでいうところの予定のカテゴリー分けだったりなのですが、多くのサードパーティ製は実現していましたが、多くの意味で使い勝手の悪いところがあります。
それが、DBの問題です。
 
PCとPDAを単独で使う場合もありますが、PDAの発展の多くはPCとPDAの間で同期機能があったことで、インターネットへのアクセスが一般的で無ければ 両者の同期が唯一の繋がり。
PCで入力した予定がPDAに反映し、PDAで入力したものもPCで反映する。
その使い方において、Palmは一気にPDAをビジネスの道具として認識させたのではと私は思います。
 
では前項のカレンダー機能なのですがサードパーティ製のものを使ったとすると、PCとPDAの連携機能が閉じてしまいます。
専用の同期ソフトを入れて同期するものもありましたが、PCとPDAのソフトの両方を用意する必要があり、開発できる層を一気に狭めてしまいます。
両方の開発技術が必要になったわけですから。
その後なのか並行してなのか、標準のカレンダーのDBにアクセスする手法をとるものが出てきて、サードパーティのアプリケーションで入力したデータが標準のカレンダーでも確認でき、当然のことながらPCでも確認できるようなものが出てきました。
もちろん、本体に無い機能などは記号化して文字として入っていたり、その部分だけは同期できなかったりしたわけです。
本体のカレンダーも、徐々に拡張されて項目が増え現在では標準のDBで多くの部分が困らなくなってきました。
これはWMも同じことでしょう。(SymbianはDB自身が拡張可能になっているように見えるのですがどうなんでしょう? 拡張されたものが同期されているような気がします)
 
そういった、連携機能が進めば使い勝手はよくなり Palm(WM5)、PalmDesktopとの連携に もっとも多く使われているPCのオーガナイザーソフト(ということになっている Outlookとも同期できるようになっているわけです。
そして、現在でいうところのWEBとの同期機能を備えて PCの予定表を PDAで携帯電話で確認できるようになってゆくわけなのですが・・・・
 
一昨年ごろまでは、多くのソフトが連動性をうたっていて私もそれを使っていたのですが 最近富にそういったソフトがなくなってきています。
Outlookとの連携機能をうたうソフトは少なくありませんが、それはインポート・アウトポートの世界。
別ファイルに書き込んだデータを取り込む機能があるという程度になってしまいました。
この背景にはおそらく、個人情報の漏洩を危ぶむ声があることは言うまでも無いでしょう。
多くのソフトが、OutlookのDBにアクセスすることが可能であれば ウイルスソフトやスパイウエアーも可能になり そのDBをせっせとばら撒いてくれるかもしれません。
OutlookのDBのアクセスを制限するために暗号化し、そして手法を限定して公開してもすぐにHackerの知るところになり 効果が無くなり止む終えず閉じてしまったのではと思います。
せっかく便利だったものが 時とともに不便になっていく典型です。
 
現在のところ、WM、Palm、Symbian共にDbのアクセスに大きな制限は無いように見えます。PalmでいえばKsDatebookやWMではさいすけ、SymbianではAquaCalender等データを共有しています。
唯一SymbianはDBへのアクセスに NOKIA(NOKIA端末であれば)の認証が必要なので 自由にとはいえないのかもしれません。
PCと同様に、そういった意味でのSystemのアクセスへの制限などが増えてくると徐々に不便になってくるものです。
 
現在、Excahngeサービスがあちこちのベンダーが行っています。
私の使っている、Mail2WEBや4Smartphoneを含め 期間限定であれば日本にも無料のものが存在します。
これは、有料のサービスとなりますがOutlookとの同期も可能です。
勿論、WMやSymbianとも同期可能となります。
WEBから見ることも出来ますし、PDAをベースに見ることも出来ます。
Outlookを捨ててかかれば、GoogleカレンダーのようにPDAとの同期を可能とするものもあります。
PCでの確認はWEBでどうぞというようなものでしょう。
いっそのこと StartForceのようにデスクトップ(現在はWord相当の ワープロソフトも動くようです)自身をWEB上に持って行きアプリケーションすらWEBで動かすようにして同期すれば問題が無いのかもしれません。
ただ、常にWEBと接続する必要性があります。
 
利便性の追求は、時としてセキュリティの問題を巻き起こします。
WEBで簡単に見れると言うことは 他の人にも見れるかもしれないというような状況です。
携帯電話もWAP回線であるが故に 一意の認証を与えられると言う利点もあります。オープンな回線ではそうも行きません。
使い勝手とセキュリティの両者をバランスさせるというのは難しい作業ですね