世界から狙われる(かもしれない)日本の通貨

先日来、日本では金属泥棒が流行しているようで かなりの被害が出ているようです。
特にレアメタルとよばれる金属は、言葉通り「レア(希少な)」分だけ人気があるのですが、現在はそれどころではなくただの鉄の板まで盗まれるようです。
鉄は金属では地球上にもっとも多くある元素なのですがそれゆえに価格が安く原材料価格が上がると作るより盗むほうが速いというところなのでしょう。
電線として使う銅も人気があり、そしてそれ以外に人気があるのがニッケルだそうです。
単体でニッケルの商品はないので合金になったニッケルを抽出しようと・・・・
簡単な溶鉱炉さえあれば可能なので・・・・
他に人気のあるのがアルミという金属らしいのですが・・・
 
アルミは比較的最近になって作られた金属です。
製法が他の金属と違い、地面から掘り出した鉱物を炉で溶かし成分を抽出しそして方に流して作るような製法ではなく、ボーキサイトから抽出されたアルミナを電気分解して生成します。
故に、電気分解には莫大な電気エネルギーが必要で 多くは世界中のダムの近くの工場で作られることが多いようです。
ダムの発生させる大電力は比較的安価で、電機の値段がアルミの価格の多くを占めると言われるとおり少しでも安い電力を求めた結果でしょう。
 
アルミという金属は、とにかく熱伝導性が高くCPUに張り付いているヒートシンク等もアルミで出来ています。
そして、電気を通す性質も独特のものを持っており 現在ではCPUのダイ(シリコン層に作られたCPUの回路)からCPUパッケージの電極までの線等にも利用されて効果を上げています。
アルミサッシという窓枠が当たり前になっているように、軽量であることからも建材としても人気のある素材です。
当然、日本でそれぐらい普及しているので 世界的にも普及は進んでいます。
日本ほど速いタイミングでないということは幸運だったといえるでしょう。
日本でアルミの価格が安定してきたのは、リサイクルのループも他の鋼材より高い次元で完成していて 一説によると 原材料から作られたアルミと、アルミから再生されるアルミでは 電力の消費量が 後者は前者の3〜5%程度で済むとの事。
多くの原材料を電気とするアルミにとってはこのサイクルは価格を安定させるのに大きく寄与したくょうです。
蛇足ですが、オーパーツ(在らざる物)といわれるものの中にもアルミが存在し、電気分解による製法が出来るはるか前にアルミ製の帯止めが中国に存在したということで 話題になったのもこの金属です。
昔には出来なかったはずというのが、アルミという金属の不思議さと面白さなのですが・・・
 
では、身近なアルミ素材を探すと財布の中に1個ぐらいは入っているだろうアルミ硬貨、そう 1円玉なのです。
消費税施行前はほとんど見向きもされなかったのですが最近ではめっきりおなじみです。
この製造には話によると10円以上の価格がかかっているとの事。
消費税で増えた1円硬貨の増産にかかったお金はどれぐらいだと想像してみたくなりますが、まあそれはさておき・・・
このアルミ硬貨なのですが、結構な含有量のアルミです。
そして、価格は貨幣価値より高いコストの商品なのです。
現在の価格では、1円でアルミ硬貨を購入して、新しいアルミの素材としてもコスト的に会わないと思いますが、今後価格が2〜3倍ぐらいになると徐々に均衡を始めます。
どこまでが合法化というと難しいところですが、大量の1円硬貨が海外にそのまま輸出される可能性が出てきたのです。
溶かしてしまえばただのアルミの塊ですから取締りのしようもないというのが正直なところです。
もちろん、日本の法律ではそういったことは許してはいませんが 比較的安全な鋼材ルートです。
 
日本中の電化製品の廃棄物でさえ原材料として注目を浴び始め徐々にリサイクル法の関係で処分費用を受け取り転売して設ける二重の利益を上げる業者まで出てきた今、新たな貨幣恐怖を生み出すかもしれません。
一円玉が無いと、経済はやっぱり止まりますよね・・・・(って大げさに書いてるだけだから本気に取らないでね 車で走っている最中に思いついただけだから)