消えたメールとネットワーク負荷

「現在回線が非常に混み合っております・・・」
っという案内を先日久しぶりに聞きました。
これは海外あての電話(といってもローミングなので海外にいるとは思ってなかったのですが)なので、先日の海底ケーブルの問題が尾を引いているのかと思いますが・・・
地震などの災害でよく聞くこのメッセージは、大まかに二つの原因があり
一つは、回線、交換機の容量不足で 回線には有線で引かれているバックボーンと無線のチャンネル不足が原因となる場合が多いようです。そして、交換機は交換機の容量を超える電話がかかってきて、交換機のチャンネルが不足しておきます。
二つ目は、基地局がダメな場合。
これは電源が供給されなくなったり、鉄塔が倒れたりの原因のようです。
そして、ひとつ目の回線の不足なのですが・・・・
 
回線のチャンネルの不足なのですが、無線の電波は限りある資源で 割り当てられた電波の中を幾つかに細分化し、その一つ一つをセグメント分けして使っているわけで、割る幅によりますが規格を統一化しているUMTS等ではどのメーカーも同じ幅取っているという状態です。
たとえば100個のセグメントがあれば、100台の電話がつながると言う訳で、逆に101台目はつながらないとなってしまいます。
その上、どこでも電話が通じるということは アンテナとアンテナの届く範囲が重なっており隣通しでおなじセグメントを使えなくなってしまいますので非常に込み入った状態になります。
その点パケットは「接続すれども管理せず」とローマ帝国の支配のような状況なので接続していても流れてくるパケットが行く先を決めているので複数の接続も可能に理論的にはできるわけです。
やっているかどうかは知識がいないのでなんとも・・・・
その逆もそうで、送信したパケットは行き先が書いてあるものの相手に届くとは限らず(電波の届かない所に行ったり、具体的に言うと地下鉄が駅から出たような状態)届かないパケットは届かないまま消失してしまいます。
消失すると困るので、相手からの返事がなければ3度まで再送し それでも返事がなければそのパケットを破棄する仕組みになっています。
でなければ届かないパケットがネットワーク上をぐるぐる回り、ネットワークが余分なパケットでパンクしてしまうのが目に見えているからです。
 
先日来2度ほどメールが届かないということがありました。
メールに関しては必ず届くという不文律のようなものが信じられていますがこれはだれも保証してはいません。
以前よりよく言われたのが、i−modeのメールで電波の届かない所にいたら再送が24時間後で ほかのメールが着くまで来なかったというようなことが言われました。
それに対してAUは、電波をつかんだ瞬間に再送する仕組みなので安心というような・・・・
ここで、注意して欲しいのは再送する仕組みで 電波が届いたからを監視できるのは携帯電話会社が位置確認のためのパケットをやり取りしているからで、一般のネットワーク上にあるサーバー同士にはそんな明確な管理体制はありません。
I−Modeと同様に接続できなければ時間をおいて再接続にチャレンジするか、接続できなかった事を返事として返すという程度の仕組みでしかないのです。
パケットと違うのは、パケットが消失したとしてもアプリケーションの作成したデータは途中で止まったら完全なデータでないと認識することができる点で、TCP/IPの仕組みの上にアプリケーションレベルでの監視をしています。
では、アプリケーションが上記のように再送を繰り返すとどうなるか・・・
 
ネットワーク上には相手先の書かれたパケットが飛び交っています。
そして、SPAMと呼ばれるメールは広告メールも含めると全メールの95%以上と言われており それでも多くのサーバーで抑制のかかった状態ででの話です。
それを受け取り拒否するサーバーもありますので、その度に到着するまで再送を行うとこれは明らかにネットワークに対する攻撃となりますので無用なパケットで必要なパケットの通るべき通路を埋めてしまうことになります。
こうなるとネットワークは非常に遅くなり使い物にならなくなるので、再送にも一定の制限を設けます。
つまり、決まっているわけではありませんが 数回であきらめることになります。
そのあきらめ方なのですが、DOCOMOと同じ仕組みであれば24時間後にひょんとメールが到着し エラーを発しているにもかかわらず理解できないメール受信ソフトなら、もしくは途中でその辺りの引き継ぎができなければそのまま消失してもおかしくないわけです。
必ずしも、の通じないのは受ける側も送る側もみんなでルールを守りましょうと言っているだけで法律などがあるわけではないのです。
また、守らないから罰則があるという種類のものでもなく メールのサーバーの管理者によっては面倒くさいしネットワークに負荷がかかるから再送はしないなんて選択もありなのです。
そして、必ずしもそれが利用するユーザーに知らされているわけではないというのが問題なのです。
 
メールが消えました、ではだれのせい?
よくメールで注文だったり、メールでやり取りなどの取引が増えていますが
相手が受け取ったと信じることはできても事実と必ずしも一致するとは限らないのです。
昨日も注文した商品の受信確認のメールが来なかった訳で下手をするとその取引自身が成立しないこともあるのです。
行き違いは僅かな言葉のやり取りの誤解からおきるのに、こんなところで計り知れない誤解が起きてもあれですよね・・・・