携帯電話用ブラウザー

Jigブラウザーも使い始めて 5日目にはいり色々なことが判ってきました。
かなり良くできています。
もちろん、仕様については何も公開されているわけではないので想像なのですが・・・
 
携帯電話用(スマートフォン・PDAも含む)ブラウザーには色々な制約があります。
画面の広さ、メモリーの量、CPUのパフォーマンス、インターフェースキーの少なさ等。
限られた資源を有効に使い、いかに使いよいものを妥協点少なく出すかにかかっているのですが・・・
Jigブラウザーの利点は、WEB上のサーバーと連携することで携帯電話側のCPUの負荷とメモリーの使用量を大幅に軽減するという点で優れていると思われます。
もちろん、他の会社がやっていないというわけではないのですが・・・
そして、一部機能で不足していると思われるのが画面の再現性なのですが ベータサービスとはいえCSSをサポートしてぐっと良くなった というところから今回の話は始まります。
 
CSSはWEBページのレイアウトを司る物で、色々なレイアウトを表現できます。
画面の一部だけの背景色を変えたりもこれでコントロールすることができます。
もちろん、通常のHtmlなどでも書けるわけなのですが・・・
ただ、これを使っている場合に、今までのJigブラウザーでは問題が起きることがあります。
全体が黒のHPで、文字の出ているところだけを白抜きにし、黒い文字を表示している場合。表記によっては真っ黒の上に黒文字で書くから見えないという問題が出ていました。
こういった部分への対応はやはり嬉しいところでしょう。
一部の携帯電話用ブラウザーでは、背景色を消すような方法でこの部分に対応していたりするのですが、やはり背景色もきっちり反映するのが再現性高いといえるでしょう。
 
一般的なHPの構成ですが、どこまで使っているかは別にして
ヘッダー部(画面の上部の横に長いメニューなどの項目が並ぶところ)
サイド部(右・左側もしくは両方に存在する メニューや広告が存在する部分)
本文(記事の部分)
フッター(画面下部の横に長いメニューなどの項目が並ぶところ)
の構成になっており、ヘッダ、右サイド、左サイド、本文、フッターと考えると5構成に分かれます。
これに、フレームなど画面を複数個同一画面上に表示するものが加わったりします。
で、携帯デバイス用のブラウザーですが おおくのものが持つPCと同様に画面サイズを無視して表示するモードがあります。
これはレイアウトが崩れることも無く表示できるのですが、例えば本文が横80文字なんて構成になっていると、携帯電話の画面では左右に動かし行を読み、改行する度に左に戻り一行下げるという行為を繰り返す必要があります。
実際にやってみるとわかりますが、文章を読む気にはとてもならない閲覧方法になることがあります。
これでは困るので、画面サイズに合わせた表示方法があるのですが、最も簡単なものが一列表示といわれるものです。
 
一列表示
ヘッダー→左サイド→本文→右サイド→フッター(順番は変わるかもしれません)の順に表示する方法です。
Opera MiniやJigブラウザーWEB等がこの方法ですがどの項目も横幅に合わせて整形される為に非常に読みやすくはなります。
しかし、例えば上記順番で表示されるものであれば 右のサイド部分の表示が長い(それも広告だったりして)ものですと 本文に至るまでにかなり先送りする必要が出ます。
それをカバーする為にページ毎にスタート行が設定できるブラウザーもあったりするのですが・・・
この方法の場合、ヘッダーやフッターまで画面サイズに縮小することが多いので、例えばYahooのタイトルバーのようなヘッダーは縮小されすぎて何を選択しているかわからないような状況に陥ります。
CSSを無視しても、こういった表示になるページもあります。これはわざとそうして携帯ブラウザー等での閲覧せいを上げている場合もあるようには見受けられますが・・・
この方法は、なんと言っても高速で文章が見やすいといった利点があります。
普通に、ちょっとした自分がいつも出かけるサイトなどの閲覧には向いており もしかしたら携帯電話ではベストの選択かもしれません。私も最もよく使っているものです。
 
変形ページ表示
これはPCで表示される様に見せかけて、レイアウトを変形し形態デバイスで見やすい形に変形して表示するもので JigブラウザーはじめOpera MobileやNet Frontが実現しているもので、この表示を持ってフルブラウザーと言っている節のある表示です。
幾種類かの表示形式を選べるNetFrontは一つに特定は出来ませんが、一般論として話しを進めます。
まずヘッダー部分。
これはどのブラウザーも大よそオリジナルのまま表示します。故にヘッダー部分の閲覧には左右に画面を送る必要があります。
しかし、一行表示の部分で問題にしたように ヘッダー部のリンクなどが選択しやすくなります。
そして右サイド部は、サイド部の一行目(もしくは複数行を取り込んだ上の)解析で幅を決めてその幅に収まるように表示を構成しなおします。
ただし、携帯電話の表示の横幅を超えないレベルでの表示にしているように思われます。
そして画面構成どおりに本文が右サイド部の右側に出ます。
本文も画面幅を最大に整形しなおします。
故に縦長が変化し、サイドバーと高さを合わせているものなどで表示が崩れることがあるので、空欄などを埋めてサイドバーとのバランスを取っているブラウザーもあるようです。
そして、同様に左サイド。
そしてヘッダーと同様の構成のフッターとなるわけです。
一見した感じでは、PCで見るのと同様に表示されるのですが実は横幅などが実に細かく調整されています。
そして、HP上の文章を読むときには横を本文に合せば 画面の上下移動だけで読めるようになっています。
画面構成が複雑なページでは本文にあわせるのがめんどくさかったりしますが、かなりの再現性と閲覧性を両立した表示となります。
もちろん、このバランスや変形方法に各メーカーの独自のものがあり機能だけではなく使いやすさや好みが生まれるところです。
〜派という人が沢山いるゆえんです。
 
では操作の面に関してはどうでしょう?
もちろんフルキーを装備しているものもありますが、大よそ4方向(8方向)キーと二つのボタンで全ての操作をする必要があります。もちろんJogダイヤルやタッチパネルという便利機能が付いているものもあります。
ここではボタン操作だけを表記しているので、タッチパネル、Jog以外でとなります。
おおよそ操作に関しては二つに分かれるのが、方向キーの扱いです。
マウスカーソルのようなものが表示されて、方向キーでカーソルを動かし選択するパターンと画面のリンクオブジェクトをカーソルキーでジャンプしてゆく方式です。
 
ポインター型選択の場合
カーソルキーの上下が画面の上下とリンクしている為に 自由に動く反面オブジェクトの選択をするためには微妙な上下操作が必要になります。
JigブラウザーやNOKIA WEBブラウザーがこのタイプでカーソルの移動と画面の移動がリンクしているもの、カーソルの移動範囲を決めてある一定上の移動が行われると画面移動が始まるタイプとに分かれます。
前者はインターフェースが直感的でわかり易く、後者はオブジェクトの選択の際に微小な移動が行いやすく これはどちらが良いと一概に言えるものではないでしょう。
Jigブラウザーの場合、オブジェクトの近くにカーソルを持って行き選択(センターキーを押す)すると一番近くのオブジェクトにカーソルが移動する機能がありかなり助けられます。
ちなみに、WM5などのPPCではタッチパネルが付いているものはタッチパネルでこの選択が出来るということになるでしょう。

リンクオブジェクト移動型
オブジェクトをジャンプしているので選択は簡単なのですが 画面のスクロールなどの自由度が低くなります。
反面、オブジェクトがまばらに存在するページなどではスクロールのピッチが変化し画面の上下動が見にくくなる事があります。
またオブジェクトの無い部分への移動が制限されたりすることもあります。
これも色々な対策が立てられており、画面移動はスムーズにスクロールしてカーソルの選択と別にスクロールをするもの、画面内にオブジェクトが無い場合のみ滑らかにスクロールさせる機能を持つものなどです。
思ったところに行かずにいらいらすることがあるかも知れませんが、微細な操作を必要としないモバイル向きに最も望ましい形かもしれません。
 
Jigブラウザーは基本的に簡易変形表示のカーソル型です。
画面の再現性はCSSのサポートでかなり高くなっています。
もちろん、画面の崩れが無いわけでなく 例えばサイドバーにリンクオブジェクトなどがあったときに横幅を読み違え、サイドバーの文字と本文の文字が重なったりすることがありますが、これは解像度の低いPCでも起きることなので責めるのは酷かもしれません。
NOKIA WEBブラウザーのように全画面を読み終わった後に再描画がかかるタイプであれば再描画のときに修正しているのできれいに読めます。
もっとも、逆に言えばその時点で殆どの描画を終えているので高速な表示と受信中の操作が可能になっているわけです。
ただ、本文中にカーソルを動かし選択ボタンを押すだけで本文が最適表示される横位置に移動したり(これ以降上下キーだけで読める)、前述した元も近いオブジェクトに張り付く機能などは およそ宣伝文句に書くようなものではありませんが 普段使う上で非常に便利な機能なので、もう少しユーザーにわかり易く表示してくれるといい機能だと思うのですが・・・
他にも911Tでは恐らくWQVGA解像度エミュレーションで動作しているのでしょう、文字が汚かったり、もう少しうまく表現できる部分があるのでしょうがS!アプリの仕様なのか 対応機種が少ないので未対応なのかはJig側の対応となる部分です。
HSDPAの効果がEM・ONEにおいても殆ど感じられないのはデータの受信速度ではなく現在のページの表示にかかるCPUやメモリーのリソース不足が深刻なので、恐らく携帯電話でも同じようなことが起きているでしょう。
私のように嬉しがってHSDPAの携帯電話を購入しても、効果はあまり・・・となるかもしれません。
ただ、その部分を補う為にJigブラウザーのようなサービスがあると 尚高速な部分が実現されるかもしれません。