いい加減な認識

WM機の評価記事や広告記事などでよく見られる「PC」という言葉。
誤解を生みやすいので使うのはどうかとは思いますが、実際のところどうなんでしょう?
日本の国の中では「スマートフォン」も「PDA」も10人聞いて1〜2人が答えられればいいほうでしょうし その言葉を一般的に知らない人に伝えるために使うのはふさわしいとは思えません。
それ以上に問題なのが言葉の定義があいまいなこと。
 
PCは言わずもがなPersonal Computerと言う言葉の略で、個人使用のコンピューターということです。
これは大型汎用機に対する対比語で、個人で使えるコンピューターが出てくること自身エポックメーキングな出来事でした。
言葉通りなら、CPUがあってメモリーがあって、プログラマブルな機械ですから、例えばEM・ONEはPCといえます。
WindowsPCという言葉も、Windows95が出てきたときにGUIベースの(3.1まではMS−DOS上にあるCo OSでした)初めてのOSとしてOSの名称からついたもので、Windows95、95、98SE、Me、2000、XP、VistaとすべてのOSで共用しているのでWindowsCEベースのOSでありWindowsMobileと名乗っている以上 WindowsPCもあながち間違いで無いと言えてしまいます。
動作するプログラムでの互換性ということなら、現在販売されている多くのプログラムはすでにWindows95で動作しなくなっています。
まもなく、Win16カーネルが必要なOSはドロップアウトするでしょうし、DirectX他の画面制御系もUpdateされていないので少なくとも新しいプログラムに関しては動作の保障はないといっても過言ではないでしょう。
では、結局WindowsノートPCと言い切ってしまってよいのかというと、そういうわけでもありません。
 
コンピューターの世界に長く生きている事もあり、前述どおりの歴史を自らの目で見てきている私ならともかくすでにWindows95を知らなくてもコンピューターが触れる世代が出てきているのであれば、そんなことは教科書の近代史の一ページとしかならないでしょう。
その人たちに、PCという言葉がPersonal Computerの略だといったところで 実際の頭の中の認識は「PCはPCでしょう」ということでしょう。
では正確を期するならx86CPUで動作する WIN32カーネルで動作するPCと言えばいいのでしょうか?それこそわかりません。
 
最近でこそ元の言葉が死滅したので使うことが少なくなりましたが、Palm3を使っていたころは人に説明するのに「電子手帳」という言葉をよく使いました。
あれは失礼な話で(私信:まだ送っていませんすいません)当時の電子手帳はある機能を使うもので、Palmはプログラムで拡張できるものだったので説明しながら憮然とした意識を持ったことを覚えています。
日本人は言葉に対する思い入れが強く、一つのイメージができたらそのイメージが固定されて動かなくなるようで PDAも長々と説明した結果 「つまり多機能な電話だね」と一言に間違えた認識で切り捨てられて終わってしまいます。その後に続くのは脱力感だけです。
 
EM・ONEを説明するのは非常に難しいものです。
OSしか入っていないWindowsPCの購入直後の状態と比べれば下手をすればEM・・ONEのほうが使えます。
ところが、Officeアプリケーション等が入ってくると機能に大きな差が出ます。
本体に今では、電話機能(通信だけだけど)、Wifi、Bluetoothがついておりフル装備で使えるといるといえばそうなんですが、いざ拡張するとなると大きく制限を受けます。
キーボードひとつにしても、標準のキーでさえキーの配置が違い入れ替えるソフトなどを入れて対応するしかないのです。PCの場合はそうなってもドライバーが供給される場合がほとんどなのです。
速度やメモリー、ストレージにしても 少し前のPC程はありますから1万円台で中古の買えるノートPCとは同等程度でしょう。
ただ、軽くてバッテリーで長時間持ちます。
 
PCをなんに使っていますか?
ワープロであり、表計算であり、メールの受信、WEBの閲覧だけなら 大きく制限を受けずに使えます。
例えばExcelでマクロが使えないとかありますが、仕事でならともかくマクロを使える人って実はそんなにいないのでは?
ワードも図面を入れた文章なんてそんなに見ることはありません。
では・・・・・
 
私は仕事でPCを使うのでVPNの認証ができない等(会社のシステムとの整合性の問題)の致命的な問題があるのでまかせっきりとはいきませんが、リモートディスクトップのおかげで仕事に使えないほどではありません。
多くの人が困るのはプリンターの接続でしょうが、それはどうしょうもありませんね BluetoothでHP等をつなぎますか?高くつきそうだけど。
日記の文章は出かけたときにはEM・ONEで書きますし、同様に仕事の文章も書きます。
BluetoothもしくはメールでPCに転送して使えば済むことです。
年のせいか、最近物忘れがひどくすぐに忘れてしまうので、NOKIA E61のノート(メモ帳みたいなものです)もタイトル程度の1行ぐらいのファイルが何十も存在します。
もう少し、思い付きを形にするところまで行きたいときに、EM・ONEが活躍するわけなのですが、これってノートPCなんですかね?
 
言葉の意味は本来画一的でなければいけないのに、そのひとつの言葉にいろいろな意味を持たせるのが日本語の特徴です。
情緒や間、言い換えれば わび さび の世界でしょう。
また、私もよく使う手法ですが比喩の使い方もあります。
この際で言うなら「まるでPCのような・・」という使い方です。
「川の流れ」と一言で言っても、人によって山の中の魚が泳ぐ渓流を思い浮かべるかもしれませんし、昔遊んだひざ位までの小川かもしれません。もちろん観光で行った向こう岸の見えない黄河の流れかもしれません。
その言葉の意味する範囲は、水溜り規模から 海の広さ範囲にまで広がることもあります。
誤解を招くような書き方はよくないのですが、日本語の特性もこういったときには難儀な障害となりますね。