死語

なくなってしまった言葉にもそれでしか表現できないものもあります。
いったん世の中から消えて、何故か時を置いて出てくると分類がなくなっていて、他のものとひと括りになって違和感を覚えたままになることはないですか?
 
PDA創世記はPalmなくしては語れないと思います。
もちろん、多くのものが生まれて消えてきました。ただ、現在のサイズ用途に最も近いものの創生として考えれば私はここにあると思います。
逆に、現在主流となるWindows Mobile OSの方はCompact Editionと呼ばれたWindowsCEからで恐らく誰に聞いてもカシオペアというCE機がはじめのものとして出てくるでしょう。実際にはカシオペアだけではなかったのですが・・・
他にも、サイオンと呼ばれる端末はポップなデザインで今の電子辞書の祖先に近い筐体を持ったものも出てきました。
 
ご存知のとおり、Palmは現在でもTreoとなりありますし、カシオペアのカシオは一般販売こそしていないもののかなりの場所で業務用端末として確固たるシェアも持っています。WMということならスマートフォンと呼ばれる物として今一番の注目株。
そしてサイオンは SymbianOSとして現在のNOKIAの端末などに搭載されています。
私の持っているNOKIA E61もその血を引くものです。
創生の時代から、PalmはPalmで大きく形を変えずに 時にキーボード付の端末となりました。
WM機はさまざまに変化したものの、Palmサイズの中でキーボードのついたものやそうでないものに。
W−Zero3(es)やHTC〜等です。私のX51Vも(ふるい?)そうです。
そして Symbianの多くは電話に向かってゆきました。(もちろん違うのもありますけどね)
ここで歴史を紐解いても始まらないのですが、少なくともWindowsCEもサイオンもフルキー付の小型携帯端末でPCに近いものとして出てきてHPのハンドヘルドDOSマシンの後継に近いものであり、サイオンも同様でした。
そして、その名もハンドヘルドPCと呼ばれたこともあったのです。
 
私はここのところはやりに踊らされて、W−Zero3もW−Zero3esも購入しましたし、X01HTもお借りして触ったりもしています。
ところがどれも使い切れずにいたのですが、何故かEM・ONEに関してだけは通信用途に使えないとしても台湾でも使っています。
通信が出来て尚、Nico.にW−SIMを入れて使っていた私が。
もちろん、W−Zero3が海外ローミングに対応していないということもあるのですが・・・・
サイズだけで言ったらとてもポケットに入らない端末を。
 
死語の話で消えたのは「ハンドヘルド」の言葉。
Windows Mobileというくくりで括ると、W−Zero3もEM・ONEもX01HTも同じグループに入ります。
しかし、EM・ONEに関して私がしっくり来ないと思う部分は 「ハンドヘルド」という別の分類こそがEM・ONEにふさわしいと思っているからかもしれません。
最後の「ハンドヘルド」と呼ばれたのは人によって違いますが 私の中ではSigmarion3で多くの人にとってはHPの「ジョルナダ」でしょう。
キーボード付の端末でキーボードを使って入力することを前提に作られた端末。
そのためにサイズはキーから生まれたといわれるように、広く取られた面積のおかげで厚みがぐっと抑えられています。
広い面積と薄い筐体だけならEM・ONEはその発想に近いともいえるでしょう。
厳密に突き詰めてゆけば、折りたたみ筐体であるということ これは本体を机の上において使えるというポリシーの現われだったのですがこれに関してはクリアしていないといえるでしょう。
この時代に比べて画面の広さが確保できて、バッテリーが変わり手にもって使えるようになった今となってはそれだけにこだわる必要もないのではと思う節もあります。
 
PCの代用品だったり、コンパニオンPCとかいう言い方でいったPCの補助商品として生まれたのが「ハンドヘルド」だったとすると十分利用用途としては満たされるものでしょう。
どころか、既にPCに非常に近いもので 5〜7年前のPCと同程度の作業をこなせるレベルにすらなっています。
今のところPCに搭載しているものは僅かな通信機能まで搭載しているのですから。
もちろん、好みでキーボードをつけたり画面をつないで見たりということも出来ますし大きめのストレージをつけたりも出来ています。
ネットワークもサポートしてブラウザーとしても使えます。
ところが、同程度のことがもっと小さい端末であるSmartPhone達にも出来ることとです。
OSは同じスペックもそう大差ない。画面サイズが筐体が小さい分だけ小さくなってしまうのはやむ終えないところでしょう。
じゃあ、差がないじゃないかと言われると口をつぐむしかありません。
 
スポーツカーより速いセダンの乗用車があって、じゃあスポーツカーって何?という論争が車好きの人の間で昔話題になったことがありました。
決着もつかず、速いセダンの乗用車にいろいろなデコレーションとなる改造をする人や スポーツカーというのは二人乗りでというポリシーを守る人もいます。
じゃあ、スポーツカーの定義といわれるとあいまいなものなのです。
同じように、小さくても同じことが出来るから「ハンドヘルド」なんて区分はいらないといえば言えるのです。
ところが、キーボードで文章を打っていて 私が普通に文章を打てるのは今まで出したW−zero3から始まる4台の中ではこれだけなのです。
もちろん、PCと比べるべくもないのですが 我慢できるレベルなのです。
それこそ少し前のPCのレベルです。
私の中では同じくくりのものとすることに抵抗感があり、あえて「ハンドヘルド」と呼んでみたのですがその辺りでしっくりきます。
誰も呼ばなくても、一般的に通じなくて、今となっては言葉すらも知る人がいなくても 私の中で「ハンドヘルド」と読んでみてもいいかもと思ったのですが・・・・