線解像度

デジカメのCCDの解像度が上がるたびに技術的な問題として持ち上がるのが、レンズの線解像度。
例えば、机の上に平行に線を何本も引いてゆく。
1mm刻みで机いっぱいに線を引いてカメラで撮影すると、完全にその線が1本づつ数えれる状態なら良いのですがところどころでつながっていたりします。
もちろん、写真の角の四隅が曲がっていて重なっているような場合もあります。
他にもピントが合っていなくて、ぼやけて重なり合うのもあるのでしょう。
今日の話の中では全体があちこちで重なり合うような状態のことです。
その場合、CCDの解像度が不足するのか もうひとつは工学的な問題でレンズの解像度が不足するかのどちらかです。
 
CCDの解像度は比較的感覚的に分かりやすく、100万画素のCCDなら100万個の光を感じる点があり例えば1000ドット×1000ドットの感光点が存在するわけです。
そこに2000本の線を写せば当然解像度が1000しかないので線がつながって見えてしまうわけです。
で、デジカメの解像度は徐々に上がり続けて現在はコンデジの解像度は確か1200万画素だったと思います。すばらしい技術の進歩です。
 
ではレンズの解像度はどうでしょう?
レンズの多くはガラスで出来ていて、ある程度の形に作ったガラスの塊を研磨して使うことが多いようです。最近ではプラスチックのものが多いとも聞いています。
ではなぜ解像度が足りないという状況がおきるのでしょう?
ひとつは表面処理の問題。
光を屈折させてCCDの上に像を結ぶわけなのですが、感覚で分かると思うのですが、凸レンズ(真ん中が膨らんだレンズ)の場合は平行に入った光は角度はともかく1点に集中するように作られています。
例えば角度のついていない板ガラスの場合、それを通した像は変わらないので間に入っていても入っていなくてもそのまま見えるはずです。
ところが窓ガラス越しに外を見ると微妙に曲がって見える点が恐らく数箇所良く見るとあることが分かります。
これは人間の目には平坦に見えるガラスも電子顕微鏡レベルではでこぼこで 光の粒子は電子より小さいといわれているので当然そのがたがたを通過するときに曲げられてしまいます。
それが光を集めるようなレンズで発生するとそれもリニアに角度が変化するようなガラスの板の平坦度となると非常に難しいこととなります。
いつの間にか曲がった光が隣の線同士を重なり合わせてしまうこととなります。
 
カメラのレンズということであればもうひとつ大きな問題があって、画角の問題で多くの場合(というより当たり前ですが)レンズのサイズのほうが撮影する相手より小さいので画像を縮小して写すことになります。
そして、そのレンズに写った画像の中の一部を拡大して(Zoomして)CCDに写すのですが、拡大しても縮小しても前項のレンズの問題が増幅されることとなってしまいます。
その上、レンズそのものの素材としての均一さなどがないと内部でも光は歪んでしまいます。
一般的なカメラに入っているレンズの数は5〜15枚ぐらいで 数を重ねるほどそのリスクも増えて単焦点なカメラに注目が集まったりすることもあります。
もちろん不純物も大きな問題でそれにより光がさえぎられたり曲げられたりすると解像度が下がってゆきます。
 
で、大体は〜〜のレンズは良いとかの結論になるのですが 今日言いたいのはそういうことではなく モバイラーらしく液晶画面の話。
この間、911Tの外装交換をした際に交換した外装を頂きました。
プラスチックで出来た外装は一体化されており着色された本体部分と液晶の画面の見える窓の部分は継ぎ目が見えない状態でした。
いったいで整形して着色するのか、あとでくっつけたかのどちらかなんでしょうが その窓越しにみる世界が少しゆがんでいました。
いつもは距離が極めて0に近い場所についているプラスチック版なのでそのゆがみなどを気にすることは無かったのですがかなり顕著に歪んでいます。
そして、そのゆがみを一層大きくしているのが液晶保護シートです。
 
正直あまり携帯電話に期待をしている訳ではないので、適当なワンコイン保護シートを貼っています。今まではそれすらも貼っていませんでしたが流石にスライド携帯は画面むき出しなので今回は貼っていました。
実際問題、考えてみれば液晶保護シートは非常に難しく ガラスでさえ解像度に苦労するのに樹脂で作ってそのうえ樹脂と画像面の間に透明度も低く厚みの安定しない接着物を使って貼り付けるわけですから性能の要求が高いのです。
その保護シートの発生させるゆがみが、決して小さくないことは目に見て分かるほどでした。
 
昨日Advanced ESの発表で既に発売になった液晶保護シート。
私もよくPocketGamesさんのものは使うのですが(EM・ONEがそうです) 携帯電話と違いPDAは画面を注視して使うことに意味があって メインの目的を話すことに持っていないのでその品質には気を使います。
で、911TとEM・ONEを比べると画像のゆがみが結構違うのです。
もちろん、911TとEM・ONEではドットのサイズが大きく違うのですが その上先入観も小さくなく 本体のゆがみも小さくないでしょう。
しかし、タッチパネルまで装備して間に邪魔なものが多いEM・ONEの方がゆがみが少ないというのはどうかと??
 
同じ条件にするために、911Tにも同じ保護シートを貼ってみたいところなのですが 残念ながらラインナップには無いようです。
一応探してみましたが、やはり携帯電話の保護シートは普及品だからそう良いものはないようです。
QVGAがVGAになり、WVGAになり来年になるともっとすごくなるかもしれません。
考えたくは無いのですが、携帯電話でフルハイビジョンが見れるようになるかもしれません。
そうすると、それこそ液晶保護シートも線解像度が問題になってこの保護シートはWVGA対応とかいう風になるのでしょうか?
一度、携帯電話の画面に、ドット毎に線を引いてちゃんと識別できるかどうかを試してみたいですね。
でも、既に老眼が入ってきた私の目では見えないかも・・・