EverunのCPU

EverunにはGeode LX900というCPUが搭載されています。
言わずと知れたセットトップBOXなどに搭載するべく作られたもので決してPCを作るためのものではありません。
ただし、工人舎とかEverunには搭載されています。
 
900という数字なのですがこれはクロック数の表記ではなく、CPU単体の速度を相対的に表記したものです。
AMDのCPUによく書かれている 3000+とかいうあれと同等のものなのですが 対象とするCPUが少し違い 同様の組み込み機器用によくつかわれるCPUとなります。
これが VIAのC3というCPUでおおよそPentium(後ろに数字のつかないあれです)おおよそ性能レベルからはMMX Pentiumといったところでしょうか?
 
Intelでも PXA270等PDA用のCPUで言われたのですが、たとえばCPUの世代が代わってプロセスルールが変わって新しいプラントにCPUの製造ラインが移った時に、それ以外のものを会田ラインで生産するという仕組みになっていて こういったCPUなどがそのラインにはめられるという話を聞いたことがあります。
一応、幾分かの設計変更があるとはいえ大きなポイントとして プロセスルールの詳細化で多少の性能向上(多くはクロックアップ)は見られるわけです。
おそらく、Geode LXもそういった形で徐々に高速化してきたものです。
 
MMX時代のPentiumとPnetium2、3との間には大きなアーキテクチャー上の進歩があります。
その手法はAMDが NexGenの買収に伴い入手した技術により有効性が確認されるのですが、従来のCISCプロセッサーのすべての命令形態のハードウエアーロジックを用意するのではなく、RiscコアにCiscエンコードエミュレーターを装備しできるだけ汎用のユニットで実行できる命令を実行しようというものでしょう。(実はよくわかってないけど・・・・)
そのための 大いなる試作品Pentium ProはOSのサポートが遅れたので実力を発揮することなく終わったのですが後日 32Bit OSの登場時に大きなキャッシュの効果もあり思った以上の能力を発揮することで証明されたわけなのですが・・・・不遇なCPUです。
166MhzのMMX Pentiumの時代にアルファコアは500Mhzを超えていたのですから、そのお陰でクロックアップ時代に突入するわけなのですが・・・・
 
Goode LXはその旧世代に取り残されたCPうでおそらくコアはCISCでしょう。
ただ、プロセスルールが細かくなったり効率化を図られることにより CISCでありながら600Mhzに達することになったCPうなのではと私は思っています。
各命令の出コードが独立しているがゆえに効率の悪いキャッシュ効率も、ダイの面積の80%を超えるようなキャッシュによる効率化が図られない反面、効率が悪いおかげであまり配置しなくてもよかったキャッシュのせいで消費電力も下がったのではと・・・・
おかげさまで基本となる基礎命令は順調にこなし、それ以外の複雑な演算になるとそれなり程度に・・・
というCPUになったのではと おもったりするわけです。
 
用途としては、制御機器用なので動画の再生などが出来なくてもよかったので(必要ならそういったハードがつけられるので)問題なく動作し、おかげさまで省電力が図られて非常にVIA Edenなどと同様用意結果を得ることができるわけです。
まあ、用途を限っているとはいえ PCに利用されるとは作ったほうも考えなかったのでしょうが・・・
CPUコアが キャッシュの量に比例するために小さくなり、通常のCPUの大サイズにあたる部分に周辺機器を動かすための多くの部分、ビデオであったり HDDコントローラーや 外部入出力端子を統合してワンチップに収めたことでUMPC向けには非常に便利になったわけでしょう。
Origamiの際に私が期待したVIAのラインナップのVX700等がCPUとチップセットの二つで多くの機能をサポートする形になるのを 1つでサポートしていたわけです。
もっとも、非サポートの機能も少なくないので結果的に小さなチップの追加をたくさん必要としたわけなのですが・・・・
こうしてみると、PDA用のPXAチップと全体の構成が似通ってきていると思うのは、主用途からいっても当たり前の成り行きなのかもしれません。
 
ただ、すでにGeode LXの進歩はこれ以上計画されていません。
とりあえずはこの形にこれ以上の性能を要求する用途がないのでしょう。
UMPC用としての用途が出たとしても、このままの形ではパワーアップを図る上で SSEをはじめとする高度演算ロジックの搭載は別途に用意し続けると現在のアーキテクチャーの上に展開するには問題がありますので・・・・
というわけで、現状Geode LXの今後の進歩が期待されない以上Everunのこのままの形での次世代はあまり大きな機能アップが期待できなくなるわけです。
 
もともと、新規参入組に大きな資本があるわけもなく、開発力もそこそこというところ。
UMPCなどというメインストリームでないところのジャンルではおおきな成功も期待できないので回収の健全性も認められない。と言う訳で汎用性の高いコストの安いチップによる設計となるのでしょう。
VIA C7が現在積極的に働き掛けているようですが、完成した時期の問題で 今後のUMPCの主流にはなると思います。
Everunは結果的にすでに主流から外れているものだとおもいます。VISTAの対応も含めて。
IntelはA110なるものを出してきましたが、これは暫定的なものではないかと思われます。
Dual Core以上がすべてのPCに搭載されるというふうに発表しているわけですから・・・・
 
SmartPhoneの性能が画期的に向上してUMPCのジャンルを無くしてしまうのか、UMPCのジャンルそのものが確立して新しくできるのかは解らないのですが 時代の目撃者となれることは確かそうです。