プロセッサーから見るUMPC

現在、ラスベガスで行われている展示会で多くのUMPCが登場し 情報の多さに追い切れないような状態が続いています。
昨日、BruleさんからWibrainの発売のアナウンスが出ました。
ぜひ、Kei1さんや山田さんのレビューがあると思われますので見てみたいと・・・
おそらく一般的にはEverunより人気が出るのではと思いますが(価格帯が同じなので)手に触れて使うものなので仕上がりが評価を大きく左右するので何とも・・というところでしょうか?
そのWiBrainもEverunも2G(第二世代)のUMPCと呼ばれています。
で、今回展示会で登場するUMPC達は 2.5G〜3Gに該当する商品になるといわれています。
現在、絵にかいた餅であるのは その開発コードSilverthorneというCPUの登場が待たれているからです。
 
UMPCに関してIntelは後れを取っているといえるでしょう。
Everunに搭載されている、Geode LXというチップに関してはおそらく予想外だったと思いますが VIAのC7M-ULVに関してはそれほどの脅威と感じていたわけではないでしょう。
ところが、2Gと呼ばれるUMPCのほとんどがC7Mを搭載するにあたり、ある程度やる気を出してくれているのではないかと思われたのはPXAチップの生産の売却あたりからでしょう。
TDPだけでCPUを比べてもあまり意味はないのですが、少なくとも指標になるので比べてみると
AMD Geode LX900(Everun搭載)
600MHz TDP 5.1W
VIA C7M ULV 1G(OQO 02等)
1GHz TDP 5W
Intel A110(Loox U等)
800MHz 3W

と並んでいます。
一見、Intelがもっとも低くて有利に写りますが必ずしもそうではない。
Geode LXに関してはチップセットまで同梱されたCPUなので実際のCPUだけのTDPはメーカーの発表を信じるなら0.9Wと格段に低いのです。あくまでもノース、サウズブリッジ、VGAまでも含めての5.1Wだというのがみそなのです。
C7Mに関してもクロックが速く、同じクラスのCPUとするにはすこし抵抗があるほどの処理の差があります。
そして、1GだけでいえばTDP 3.5Wのモデルもあるので消費電力が変わらず性能だけが良いという選択もあり得るわけです。
 
もうひとつ、Intelの不利となる点はチップセット
Geodeは別として(結果的に汎用PCとなるとちょっとの性能なので・・・・)現行のC7Mの台頭を許さざる得ない状況に陥るのはチップセットの問題で、SmartCadieのころと現在のUMPCを同じレベルで比べるようなもので ノートPCと同じ(下手するとデスクトップの手直し版という言い方も)チップセットではCPUがいくら頑張っても電力の消費が抑えられずに苦しむことになる。
Intelはそのあたりに専用品を持っておらず、VIAはVX700という専用チップをの発表を待ってUMPCがラインナップされてきたことからもそうなのでしょう。
例にもれずWiBrainなども同じ構成でしょう。
2チップ構成にできることから基板面積の問題も、消費電力の問題も大きく好転するからです。
このまま熟成が進めばWiBrainクラスで実働3時間オーバーも可能になるのではと思われます。
では、VIAの天下なのかと思えば 今回のCESでは目立った発表を行っているのはIntelの比率が非常に多くなっています。
そして、その根拠となるのがSilverthorneというCPUでしょう。
もちろん、同時に専用となるチップセットも発表されています。
 
おおよそ、Intelの大会社としての働きかけに呼応したとは思われますが リファレンスをベースに各社があれほどの種類を登場させられるということは基板上の実装面積の小ささが予想されますし、あれだけの動くデモがあることから1GHz程度の周波数であることも想像できます。
それを超えてくると、やはり試作レベルではわからない問題も多発してくると想像されるからです。
実物が見れないのが残念です。
 
現在わかっている資料からひも解かれると
Silverthorneは1G〜1.5GHzの周波数のCPUで おそらく3WのTDPといわれています。
SSE4が搭載されているとか、省電力のための新しい仕組みが加わっているとかは別として これほどのプロモーションをかけるからにはVIA C7Mを大きく上回る性能になっていると思われます。
つまり、消費電力が同じで速度の速いソリューションを提供したわけです。
そして、Wifi等の外部に向けたインターフェースの多くを内包するという Centrinoで成功した手法をここでも使うことでしょう。
それによって、一気にUMPCIntelと傾くことを狙っていると思われるのですが・・・・
 
UMPCだけのためにこのCPUが登場したのでしょうか?
それだけで見た場合に専用のCPUの開発はとてもコスト的にペイするものではないでしょう。
ただ、1ジャンルでもほかのメーカーに全て取られてしまうということを嫌ったのか??
ただ、それだけならA110の進化系でも済んだはずだったのですが・・・・・
おおよそ現在の発表から見えてくるのは その先を狙っているような
 
UMPCという機械を捕らえたときに、必ずOSはWindowsでないとダメでしょうか?
もっと細かく言うと Windows Vista(XP)で無いと駄目でしょうか?
もし、ARMアーキテクチャーでなくても WindowsMobileが動作すれば良いのであればその手もあるかもしれません。
200MHzからリニアにクロップを1G超まで変化させ 普段はCPUのキャッシュすら切り離したような電源管理でスリープに入ればSmartPhone的な使い方が無い訳ではないのです。
ハイブリットHDD等のように、Everunのように6G程度のSSDをOSの基本動作にだけ割り当てれば瞬時に起動するWindows CEでもよいのです。
大変便利なPlug&Play機能などを省いてしまえば、リロードされるドライバーや認識される周辺機器の問題からも解放されて瞬時の起動も大きな問題ではなくなります。
リファレンスボードから作っても、現在のEverunサイズにまでできているわけですから 現在のSmartPhoneサイズも可能かもしれません。
PXAシリーズのCPUの代替えまでもを今回のSilverthorneはまかなう層のCPUなのかもしれません。
 
もちろんVIAも黙ってみているわけではなく、C7M+VX700相当で5WクラスのCPUを登場させると噂をされています。
そうすれば現状のスペックのままであれば 60%のバッテリーの小型化により厚さが半分のOQO 01クラスが登場することも考えらえます。
おおよそUMPCにそれだけの市場性があるのか?
そこに答えはないのですが、最上位のSmartPhoneの価格が海外で下位のUMPCより高くなっていますから上位を狙う人たちが 上位を必要とする人たちが購入するものになってくるかもしれません。
音楽プレーヤーだったり、動画プレーヤーだったりというものの層が このまま高機能に移行してゆけば(Ipod Touchのように)だんだん混ざってきてかもしれません。
$100PCの登場が話題になっていますが、$100では無いですが一人1台持たないと生きていけない所にまでくれば 価格が関係なくなると予想しているのであれば怖いところかなと・・・・本当にそれだけの台数が出るのであれば量産効果で$500ぐらいには十分なるので・・・・