マーベル PXA300シリーズ

HPより 久しぶりのPDAが発売になりました。
HP iPAQ 112 Classic Handheldですが 今までの小型エントリーモデルと同等のサイズに 上位機種以上のパフォーマンスとなっています。
現在、多くのこういったデバイスに通信機能(WAN)が内蔵されているために 話題性に乏しいのかあまり話題にはなっていません。
しかし、技術的なブレークスルーとして 新しいCPUが搭載されています。
それが、マーベル PXA300ファミリーのミドルクラスCPUである PXA310というCPUです。
 
今回のCPUの大きな特徴はSmartPhoneを見越した設計で、省電力に関して多くの機能が追加されています。
基本的にパッケージを変えずに ピンも仕様も互換とのことなので 今までの設計にCPUを付け替えるだけで消費電力が少なく高速なモデルが出せるようには出来ているはずなのですが・・・
他にも、マルチメディア系の命令の追加が追加されています。
VGAの液晶表示までをサポートしたグラフィックアクセラレーターも装備されているとのこと。
 
発売してレビューが始まらないことには解らないのですがどうでしょう?
基本的な命令形態は変わってないしハードの構成も変わっていないので ソフトウエアーの変更は最小限に済んだためにCPUの出荷と製品の発表が非常に短いスケジュールで出荷できたものと思います。
逆に言うと、変わっていないので性能的にも・・・という点もあるかもしれません。
追加された新規の命令を使わなくても、入門機としてであればクロックアップも含めればかなりの高速化が図られたのですがハイエンド機と比較した場合にはどうでしょう?
仕様的にはWM9のビデオのハードウエアー的なサポートや H264などの部分に関しては 新設された命令に依存するものだとしたらこの短い期間に専用に書かれたものでなければ恩恵に関してはあずかれないかもしれません。
現状、クロックアップ+全体的な効率化で 400MHzのPXA270シリーズに対して150%〜200%の高速化を予想しているのですがどうでしょう?
バッテリーに関しては、同じに見えて実は微妙に同じサイズであればバッテリーサイズも増えてきたことと 負荷に合わせて速度や消費電力を調整する機能が(これはCPUのレジスタの設定なので 対応していると思えます)効果的に働いて同等になったと思われます。
それでも素晴らしい性能の向上になったと思われるのですが・・・・
これこそが次世代のハードウエアーなのでしょうか?
 
実際のところ、PXA310は残念ながらPDAとしてはエントリーからミドルエンドの位置づけとなる機能の端末のために作られたCPUと思われます。
ハイエンドには800MhzまでのクロックをサポートしたPXA320シリーズが存在します。
開発費の関係や初期にかかるコストの点からも、一般的にはハイエンド機からの登場となるのがこういった商品の通常の出荷なのですが今回はエントリークラスからの発売となっています。
もちろん、PDAという市場の冷え込みから 発売に対して販売の難しさからの選択なのかもしれません。
PCの時によく起きる、トップクラスのチップの歩留まりが悪くて実商品に成らないという点なのかもしれませんがはたしてそうでしょうか?
開発に関しては、市場性は同クラスのSmartPhoneの発売を予定していればクリアできる問題ですし 残念ながら歩留まりもチップの開発についても問題が起きることを考えるにはそこまでシビアな部分ではないはずです。コスト問題をおおよそ無視すれば発売スケジュールに影響を与えるより 販売数を稼ぐほうに考えるでしょう。
つまり、ハイエンドが最初に出てこないのは ハイエンドがハイエンドの性能にならないからなのではないでしょうか??
 
Windows OSはPCの場合 ドライバーが外部の危機とのインターフェースをカバーしてハードウエアーの向上を そのまま性能の向上に結びつけています。
ところが、Windows Mobileの場合互換性の問題からか 標準のドライバーを使うことが多くなっています。
例えば私の持っているAxim X51Vでも2700GというIntel標準の高性能なグラフィック アクセラレータチップを搭載していますが、通常のOSのアプリケーションを実行している限りほとんど使われることはありません。
せっかくの動画再生支援機能も 標準のWindowsMediaPlayerを使っている限りはたしか働いてくれてはいません。
PXA320のサポートのキャッシュやメモリーのサポートの問題で上がる速度はあるでしょうが、それだけであればクロック+αの効果しかありません。
OSのその部分の書き換えに大きな時間を割いているとすれば、現在のハイエンド機の状況も見えてくるでしょう。
た追えばMP3の再生だったら 現在のPDAの10倍近い再生時間を出せるでしょうし、DVD波の画質のビデオ再生も簡単にこなします。
i-pod touchのように単機能なOSの直観的な速度にも力技で越えてゆくことも可能になるでしょう。
だとすればやっぱり本命はハイエンド機のほうと予想する人が多くなるのでしょう。
 
PXA310をエントリーという言い方をしたのですが、それも現状での話。
本当にOSのPCのように メーカーによる変更で対応したとすればどうでしょう?
もちろん、画像のアクセラレーターも省電力機能も 追加された命令を使いこなすことができれば多くの部分での速度アップが図ることができるのです。
おおよそ、通常の電話並みの音質でSkype通話をすることも可能なはずなのです。
アップデートがあるとすれば・・・・・
 
あまり話題になりませんがバスの問題も大きな変更点で、DMAでデータ転送中にもCPUが解放されるような部分も大きく変更になっています。
以前より話題になっていた 11MのWifiが54Mになったとしてもデータ転送速度が結果的に上がらないという問題も 処理速度以外にこの部分のボトルネックが小さくないと私は思っているのですが 技術的にどうなんでしょう?
とりあえず、ハードの変更がまずあって、それからソフトの対応がおきる。
現在の状態だけでも 見ておきたいとは思うのものの 使い道がない(笑)
とにかく 私が知っている中では初対応の製品なのですから 期待したいものです。