UMPCの買い時はいつか?

間もなく、Intelから新しいプラットフォームのCPUが登場してUMPCは大きく進歩して新しいバラ色の未来が来るようにいわれているのですが 本当に驚くほどの変化が見られるのでしょうか?
いつものごとくあちこちの記事を斜め読みしての話なので、私のところにはデータシートも来ないので何とも言い難いところなのですが・・・
現在のA800等のCPUに比べて格段に高性能だといわれているCPUなのですが性能的に本当に凄い性能になるのでしょうか?
確かに性能は凄いといわれているのですが、CESで登場したものたちは概ね2割程度高速になった程度といわれています。
ここでいうところの性能の多くは、電力消費に向けられたものということではないのでしょうか?
 
Everunはともかく、LOOX UのCPUは必要にして十分という評価なのですがお世辞にも早いものではありません。
現在のレベルで、PentiumMの800Mというだけで高速なタイプではありません。
そのうえキャッシュの量をぐっと減らしています。
そして、それ以上に大きくのしかかるのは省電力設定で、半分から全開までという設定であれば キーの打ち始めはPentiumM400M相当なのですから速いはずはない。
その上、低速ながらコンパクトな1.8incのHDD等を搭載する訳ですから おせじにも・・・というわけです。
それでも、3Wクラスの消費電力は優秀で 携帯電話の10倍と行かないバッテリーで3〜4時間駆動するのは全体のバランスからみても良い方です。
同様に作られたC7M ULVのPC達が普通のノートPC並みのパフォーマンスで約半分の(1.5Gクラスだから当然というところ)駆動時間だということを考えればUMPCプラットフォームであると考えればなかなかのものでしょう。
 
では、世代の変わったCPUだとどうでしょう?
今来ている情報から推測すると1.8G〜2G程度のクロックと高速に写りますが、CPUのサイズは半分といわれています。
小さなCPUを高速に動かし、大きなCPUを遅く動かすより効果を上げようとしているとのこと。
倍速で動かすとして それで約2割の上乗せがあるという話。
よくよく考えれば歴史がその行く末を物語っており、Pentium4がその道を通ったCPUとして有名です。
Prntium4は単純な構造と多くのパイプラインを誇り、キャッシュミスをものともしないマルチパイプとキャッシュ容量で力ずくで速度をけた外れに上げてゆきます。
どこまでもあがってゆくと思われたクロックなのですが、3Gぐらいで伸び悩む。
製造プロセスの細密化がどこまでも消費電力を下げてくれるという図式がリークの多さで崩れてしまったから。
結果的に蛇口を開きっぱなしと言われた消費電力と発生させる熱を処理するための大型のクーラーなど新しい技術を生み出しましたが、それもある一定のレベルまで来ると行き詰まってしまいます。
結果的に、処理能力の高いCPUを低速で動かす方が効率が良いという結論に至るわけです。
現在もCore CPUは3G程度を最速のCPUとしています。
 
では、Pentium4的なアプローチは間違いだったのでしょうか?
ある一定、2G相当まではプロセスの細密化が効率を上げ今までのCPUよりも良いと言われたのも間違いがなかったのです。
それをピーク性能で勝負しようとしたこと以外においては・・・
逆に言うとその速度までのPentium4の進みはそう間違えていなかったという考え方もできます。
その理論が正しいとするなら、今回のアプローチはIntelにとって、経験豊かなアプローチであるといえなくもありません。
 
現在のうわさ通りでは1.8GでA800の二割増しだとするならば単純に800x2+400の「+400」の部分が二割増しの部分であるとするなら性能が全く半分のCPUを二倍の速度で動かしているという理論に他ならない訳です。
高速化によるデメリットも2G程度の周波数なら一概にデメリットばかりではなく、可変する周波数の幅を大きく持たせることができ、休止時の消費電力を大きく抑える事もできます。
また、キャッシュは少なくともマルチパイプな設計なら マルチスレッドな処理を高速にこなすこともできます。
単純な整数演算なら、クロックなりの速度で処理することもできます。
2Gのクロックを最大とするなら設計上も高速なスイッチが必要なトランジスタを配する必要性もない訳です。
面白アプローチだと思いますし、ピークの消費電力はともかく平均消費電力は現在の半分まで落とせるというのもあながち間違いではないかもしれません。
 
Intel以外のアプローチはどちらかというと性能と消費電力のバランスで、故に衝撃的な変化は見られない部分ですが 切り捨てる部分が大きければそれだけメリットも大きいという意味では面白い選択なのかもしれません。
性能はそこそこで、バッテリーの持ち時間を一気に伸ばすというアプローチは GeodeLXを搭載するEverunをもう少し一般的にしたようなアプローチとなるのでしょう。
Everunの場合たとえばVistaに移行できないなど、根本的な部分での将来性をスポイルされている部分があるからです。
Vistaの浸透が遅れているという譲許に助けられたにすぎないのです。
もう少しA800が速ければ随分良くなるでしょうと言われた部分ですから、ちょうど市場要求にまっちするものでしょう。
 
では、発売を待って購入するとなるとどうでしょう?
現在、OQO Model02やFlipStar、Loox UX等のUMPCを持っている人はとにかくバッテリーの持ちこそが不満点だと思っているでしょうか?
多くの人はスタイルだったり、キーボードだったり、ポインティングデバイスだったり、画面だったりとその駆動時間だけがマイナスの要因ではありません。
速度ももう少しあればよいが、十分に使えるレベルであるというのがおおむねのところの意見のような気がします。
では、もう一年待ってIntelの新しいCPUになって世界はどう変わるのでしょう?
不満点が結果的にパフォーマンスと駆動時間、発熱にないとすれば満足度が必ず上がるとは言い切れません。
もちろん、バッテリーの小型化で重量の軽減はされるのでしょうが 
だからといって、小型化が必ずしも利用用途に向いているとはWibrainやEverunが一般的でないと証明しているのです。
Eee PCのほうが安いとはいえ何倍も売れているのですから。
UMPCは間もなく画期的な機械が出て・・・と待っている人は現在出ているPC達の不満点は何ですか?
持続時間だけならEverunが、速度と操作のバランスならOQO Model02やFlipStar等が、買いやすさならLoox UX等とラインナップはかなり充実してきているのです。
ひとクラス上のバランスを取るUMPCが出てくるでしょう。しかし、それは待っても求められないものかもしれませんし待ったからと言って出てくるとは限らないものなのかもしれません。
待つのも大事ですが、飛び込んでこそ見えることがあるのも事実なのですから