Dual Core Atomが出たってことはNetBookは待ちか?

Intelからは公式にリリースされていませんが、何故か秋葉原ではAtom DualCoreがリリースされました。
現行の1.6GのAtomを二つ乗せたCPUです。
CPUのピン互換だそうですし、年末にはNetBookはDualCORE一色に・・・・と買い控えそうな話なのですがはたしてそうでしょうか?
 
IntelPentium DというデュアルコアCPUを発売しました。
Pentium4を二つ搭載したCPUです。
まるっきり二つを一つのパッケージに収めただけで 二つのコアの間のデータの交換はFSBを通じて行われた
つまり、マザーボードに二つのCPUを載せたことに比べるメリットは二つのコアの距離が短いこと。
短ければ通信時間が速くなるという良い仕組みです。
デメリットも顕著で、二つのコアを集めたためにその発生させる熱量も2倍。
今までのPentium4ですら、まるで人に対する御神輿のようなサイズのもの、二つになると下手すると本体FANより大きなFANで冷却することに。
給気口もCPUクーラー専用に設けるような設計と各社もなりました。
(そりゃーそうですね ケースFANよりCPU FANが大きいからケースFANの風量ではCPU FANが生かせない)
それでも追い付かなくてクロックダウンと・・・・
 
今回のATOMはもともとが消費電力の少ない優秀なプロセッサなので、Pentium4の頃のような失敗は・・・と言いたいところですが
思ったほどに性能が出ていないし、消費電力が思ったほど下がっていないのも事実。
CPUの負荷の高い時間が長ければ、負荷の低さに合わせて省電力を図るAtomも思ったほどその効果を発揮できないというのが実際のところではと思うわけなのですが。
なにより現在の問題はチップセット側で、次期ATOMを待つというのが省電力的には良い立場なのだと思います。
ともあれ、出してしまたものはしょうがなく このまま継続的な販売をというところで
安かろう、遅かろうのNetBookは良いとしても、10万円を超えるUMPCまでもがCPUは基本的に変わらないために同じ性能だと言うとそのクラスの商品が無くなってしまう。もしくは、そのクラスを他社のCPUに独占されてしまう可能性があると考えたのではないでしょうか?
 
例えば、C7のモデルチェンジやAMDのモバイルプロセッサーの登場。
Everun Noteは1.2GのAthelon系のデュアルコアCPUを搭載しているのでパフォーマンス的にはデスクトップクラス。
それで700gで3時間程度バッテリーが持つのであれば比較対象としてはつらいところ。
C7も現在よりはバッテリーが持つという仮定で話を進めると HPのミニノートの性能が倍になってバッテリーの持続時間が現在同等以上となり Atomの牙城を揺るがしかねない訳です。
大凡、思った以上の早いタイミングでデュアルコアの発売を前倒しにせざる得なかったのではと思うわけなのです。
 
未だ、何の資料も出ていないので想像の世界ですが 以前の手法をそのまま使ったとすれば単純に二つのコアを乗せて
今回は内部バスで高速に接続したというところでしょうか?
AtomFSBが遅いために、FSBに共用できるほどの速度はないはずですし 最初からメニーコアを意識した設計なのでそういったものは用意されているでしょう。
それでも、問題なのは丸ごと二つ乗せたこと。
また、その制御方法をコントロールする為のチップセットが今のところないこと。
つまり、消費電力で言えば丸ごと倍になってしまうということです。
もちろん、負荷のほとんどが片方のプロセッサーに偏り その限界を超えた時にもうひとつを使うというコントロールができていれば別なのですが。
 
では、速度は1.4倍ぐらいになりましたがバッテリーも1.3倍ぐらいの速度で減ってゆきますというのが出たらどうでしょう?
今の設計から熱設計を倍に、バッテリーのコアを4→6へというような設計をするとなると 既に作り直しを強要されるでしょう。
いまでも、熱量を少なめに見積もっていたATOMの 何段階かの変更でかなり熱いNetBookもあるようですから。
とりあえず後発のメーカーにとっては障害では無く、商品の特徴をアピールする良い機会として登場させることとなるでしょう。
さて、顧客はどうなんでしょう?
ATOMが思った以上に遅いと思っているのでしょうか?
家電量販店で見ている限りは「これでも十分じゃないの」という妥協を含んだ声がよく聞かれる気がします。
妥協の産物として納得するのか、もうひとつ上を目指すのか 消費者の動向こそが単純ハードウエアの性能で割れない部分ですからね。