仮想化利用のアプリケーション

ビジネスで利用するPC用のOSとしてWindows7では Businessというものが用意されます。
それ以外には、Ultimateなどでも仮想環境であるXP Modeが提供されます。
これはWindows XPのPCを仮想的にWindows7上で実行するもので、これの素晴らしいのはXPのライセンスが提供されるので正規でXPを使う事ができるわけです。
もう、既にXPのライセンスを購入することが(個人では)できないので XPを新規にPCとセット購入する以外に使える唯一の方法となるはずです。
もちろん、HDD等とセットのOEM版が残っていればというところなのですが この場合ライセンスの解釈が難しくなります。
複数のPCを使えば便利な人等は(私の場合その環境に慣れ過ぎているので・・)この機能は非常に便利で同時に二台のPCがあるような使い方ができます。
もちろん、VirtualPCとXPのライセンスのあるメディアディスクをおもちならWindows7を使わなくてもできるのですが 今のところ連携等はこの使い方が良いような気がします。
 
先日も書いていたのですが、仮想化環境は非常に期待の持てる技術で 仮想化マネージャーをBootで起動してOSを使うような使い方をすれば マルチブートなどとは比べ物にならない操作のできるPCができたりするわけですからすごく楽しいわけです。
そして、仮想化されたPCどうしは プログラム的に独立したPCなので互いに干渉することは無く(リソースの利用という意味では干渉しますが)別の物として動くために セキュリティの認証キーなどをバックグランドで発行するプログラム等を実行する環境としては非常に素晴らしいものである事は先日の日記にも書きました。
将来的に・・・なんて思っていたらいきなりそういうプログラムに突き当たったようです。
 
「Gridy」というプログラムをご存知ですか?
プロジェクト名と言った方が良いのでしょうか?
フリーで使えるグループウエアを提供されています。
http://gridy.jp/home
ここへは登録するだけで、ほぼフル機能とも言えるグループウエアの利用が可能となります。
費用は無償で誰でも使えるという優れものなのです。
無料のやつは広告一杯で・・・・という心配も実は必要ありません。
このプログラムには基本的に一切の広告が含まれません。
「何か怪しい団体では・・・」と心配されるかもしれませんがこれは実は立派なビジネスモデルなのです。
このプロジェクトに参加したPCには、WEB上にあるグループウエアにログインするための常駐アプリケーションがインストールされます。
特別珍しい仕組みでは無いのですが、実は少し珍しいプログラムがここで動作します。
PCにインストールされたプログラムは自動的にPCのHDDにファイルを作成し、CPUの負荷がほぼゼロの時に20%ぐらいを上限として 動作を始めます。
この名前の通りGridコンピューターとして働くのです。
 
一台のスーパーコンピューターよりも、複数のコンピューターを動かして処理を行う事で高速な処理ができるという考え方は最近では素直に理解しやすい内容でしょう。
一番わかりやすい例が Core2DuoでありCore2QuadなるCPUの登場です。
一時期は4Gに届こうかというPentium4というCPUから切り替わったメインストリーム向けのCoreDuoは2G程度の二つのCPUが一つのチップの中で動くCPUとして登場します。
一つの処理を実行するのには高速な4Gのシングルコアなのですが、同時に複数のプログラムが動作する処理では4Gよりも 2G+2Gの方が高速に動作したのです。
これはCPUのタスク切り替えの機能等のオーバーヘッドが大きかったことと、データの出し入れに関して 内部だけでも複数の口を持てば転送量を増やすことができるわけです。キャッシュの量でCPUの速度が決まってしまうように キャッシュを別にアクセスするだけでも変わってしまうのです。
そして、CPUの本体部分のコアは4つになったCore2Quad、現在のCore7では8個ぐらいまで増えるのではと言われています。
じゃあと、遅いコンピューターも数を集めればすごい計算ができるという発想に従って 今までスーパーコンピューター言われるコンピューターたちも驚くほど高速なコアを使うのではなく 通常のPC用のCPUを数百個使ったものが当たり前になってきたわけです。
で、余っている資源の利用という事であちこちの会社で 普段スクリーンセーバーの表示にしか使われていない企業の多くの机のPCのちょっとだけを流用してすっごい計算をしてしまおうというプロジェクトのアプリケーションだったのです。
 
実際のところ、私のPCの暇な時の20%がどれほどの効果があるかは解らないのですが そういったものを集めるとすごい力になるということで集めているのでしょう。
その対価として、グループウエアが無償で提供してもらえるわけです。
非常に優秀なプログラムらしく、自らのPCが重くなるよな状況では休止状態に入り負担にはならないようです。
それに対してグループウエアは商用と比較してもなかなか良いものが提供されており 利用する側にとってもメリットが大きいわけなのですが・・・・
そう、この常駐プログラムがどうも仮想化環境で動いている臭いのです。
確かに仮想化PCの中で動いているアプリケーションは 一切本体プログラムに影響を与えませんし逆もそうです。
預かって実行している処理も知られたくないでしょうし、こちらのプログラムのデータが抜かれても困ります。
仮想PCからのネットワークのアクセスはおそらくセキュリティソフトの監視の目もくぐれるでしょうし 確かにこのソフトの性格上こういった使い方が有効なのです。
故に仮想化されているのではと私は疑っていたのですが、その懸念が本当の物になったのは XPModeでXPを立ち上げたとき。
初めて見た画面はWindows7のブルースクリーン。そう、PCが止まってしまいました。
検証の為にもう一度やってみましたが 間違いなく青い画面で止まってしまいます・・・
で、説明を見ると仮想化ソフトとは相性が悪いという表記。
仮想化されたプログラムがいるのに、別に仮想化されたPCを立てたという事でそのルールが一元化されていないのでぶつかったのではないのかと・・
 
仮想化に関してはWindows7の普及でルール決めがしっかりしてくるでしょう。
そして、こういった仮想化を利用したアクセスプログラムが出てきて・・・・ってこれでセキュリティソフトも大変かも?!