SIMロックだけが悪者じゃあないのに・・・・

SIMロックが解除されれば国際的競争力を持つならそんなに簡単な話は無くて その理論が適用されるなら 日本製品の多くは世界でナンバーワンの筈なのですが、実際のところ家電品では既に世界一のもの等数えるほどになっています。
ご存じのとおりPC等はすでに日本で作っていることを売りにしている会社があるので判る通り そちらのほうが珍しいという事で
つい先日までは世界最大と言われていた液晶テレビですら高級製品を除いて海外のほうが圧倒的に多くなっていっている訳です。
その中で携帯電話だけが、わずかな理由でどうにかなるなら・・・
それ以前に、なにもユーザーの少ない日本市場を見なくても最初から世界市場向けのものをメインに作れば SonyEricsonではないですが海外でもそれなりの市場性を確保している訳です。
何かを変えたらいきなり夢のような世界になるという考え方は幻想でしかない訳です。
 
皆さんが取り上げられているソフトウエアの問題は多くの方が書かれているのでそれはここでは無かったものとしての話としてなのですが
各キャリア毎ですべて交換できる仕様の電話機にするという 壮大な発表には少し腰が抜けそうになりました。
現在。電波帯だけでも1種類ではありません。そして通信方式もPHSには申し訳ないが抜けてもらったとしても
大きく分けて 1.7G帯、2G帯、800M帯の三種類
通信方式は PDCは無視したとして CDMA2000.1x(EVDO)、W-CDMA(含むHSDPA)
各キャリア間で少なくとも端末を共有するには 最低限これだけのスペックが必要だという事になるわけです。
そのうえで国際的な競争力もという事になれば GSM方式のサポートも必須となってしまいます。
で、この中でも困りものなのが AUのCDMA方式で これは世界的な標準方式とは無い点から 海外の電話を使う事が出来ない訳です。
AUのグローバルパスポートの多くは別途GSMをサポートすることで海外でも利用可能にしているにすぎない訳です。
今のところデータ端末だけですが AUにはWiMaxとのデュアルもありますので これもサポートしてもらいたいなんてなって
勿論LTE同梱端末のサポートも・・・・ってきりがないわけです。
じゃあ、SIMロックだけ解除するとどうなるのかというと 少なからずDOCOMOとSoftbankでは電話機の共有が出来ます。
で、E−MobileはDocomoやSoftbankのSIMで使う事は出来るが、逆はできないとなってしまうわけです。
当然、DOCOMOとSoftbankだけで交換が出来るとなると E−Mobileはそんなに難しくなく対応できるから良いものの AUは一社孤立してしまうわけです。
 
では海外はどうかというと、香港など自由なところも多いのですがSIMロックがかかっているのは ヨーロッパでもアメリカでも少なくない訳です。
で、解除業者が堂々とがんばっているという状態。
私が先日買った E−Mo等もBlackJack(1)もSimロックを解除した状態で来たもので 販売時にはロックがかかっていたわけです。
Motorolorも確か中華電信のロックがかかっているのを解除したものを持っています。
で、日本の携帯はというと 以前も書きましたが 香港や台湾では日本の携帯業者よろしく 特にSoftbankの端末は箱積みで売っています。
過去に海外でチャレンジしましたが SIMロックのかかった日本の携帯を海外の業者でロック解除してもらったこともあり特別なものではない訳です。
Softbankの端末の多くは I−Phoneと同様海外で販売されているものをカスタマイズ(I−Phoneはもともとといううわさもある)しただけのものです。
十分に調達はグローバル化されていて、ソフトウエアの対応等を除いては国際的なものですから ロックを解除したから犯罪が増えるかというと Softbankだけに関して言えばそんなに変わらないと思います。
DOCOMOの端末を海外で見るチャンスが Softbank並みに増えるでしょうが・・・・・
 
ソフトの面を無視すればSIMロックを解除すれば違うキャリアで使えるわけですが
違うキャリアに端末を持ち込むことにそんなにメリットがありますか?
既に、MNPはなっていて 違約金の問題を除けば MNPで移転となれば国内の三大キャリア全てが ほぼ0円で一括購入できるような端末を用意しています。
いろいろな値引きや、クーポン券や、後払いなど方式の差はあれ用意しています。
だとすれば 一般の方にとってSIMロックが無くなる事によるメリットなど本当はほとんどないのです。
ちょっと中古市場がにぎわうぐらい。
それよりも保護するかどうかを覚悟を決めたうえで
海外製の端末をそのまま持ち込んで使えるようにするかどうかが 携帯電話市場の国際化には必要なはずです。
5000円ぐらいで購入できる 音声だけしか使えない簡単な端末をスタートにして10万円を超える端末をラインナップすること。
端末は端末で、通信料金は通信料金で明確な区分けを行い 実際の端末価格を明確にする。
端末価格が明確だからこそ競争が起き、その競争の中でもまれてゆくわけです。
現在のような価格を通信キャリアが決めて、ユーザーの声の届かない仕組みが問題なのであって 国内で販売している端末のSIMロックなどそれに比べれば瑣末な問題です。
もっと、通話できればいいから通信費も含めて安い電話がほしいユーザー。
お金は払うから日本全国全部のキャリアと繋がって、どこにおいても安定した通話のできる電話があるなら(3社契約で端末一台 実際3キャリアの端末をその用途で持ってらっしゃる方も知ってます)それがほしいとか。
自由というのは選択できるという事であり、選択するに当たり経済的な条件等の制約があるだけというのが正しい姿だと思うわけです。
それをクリアにするというならともかく・・・・・
SIMロックという言葉が判りやすいからと 国民に対するパフォーマンスとしてだけするならなにも改善しないかと思うわけですが・・・



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