昨日もTwitterに書いていたのですが

今回の震災を受けて、東京から大阪のデータセンターへの移行が始まっています。
震災そのものの影響は、東京のデータセンターでは軽微で済んだのですが その後の状況に苦しんでいるというのが現状のようです。
最も大きな問題となっているのが 「停電」と「交通手段」の問題で 停電の対策と勤務すべき従業員の通勤手段がままならないというのが原因のようです。
 
データーセンターはビル一軒丸ごとコンピューターのようなもので、はるか昔の巨大コンピューターのようなイメージですがそうではないわけです。
イメージとしてわかりやすいのは「ホテル」のようなもので、あちこちの企業からPCを預かってそこに収納してゆく箱として機能します。
場所代と電気代、そして回線を供給しその料金を頂くわけです。
コンピューターにとってはある意味天国で、冷暖房管理で高級食(安定した電力)を供給されます。
そこを利用する企業にとっては、自社の中に冷暖房を24時間完備したり 安定した電源状況を管理したりという余分な施設管理に気を使う事もなく 昨今では安価な回線が多く出てきたので そちらを利用すれば社内に置くのも社外に置くのもそう変わらない(どうしても必要な ファイルサーバーなどは企業に置く)ということで預けてしまうわけです。
 
今回のような計画停電が起きると、普通のコンピューターであればUPSが付いているので安全にシャットダウンがなされるで終わるわけですが、データセンターに置かれたものは電源が停止するとすぐにバッテリーから電源が供給されます。
そしてバッテリーで動作している間に発電機が起動して、発電機からの電気に切り替わり何事もなかったかのようにコンピューターが動くわけです。
「データセンターに預けておいてよかった!!」と思うわけです。
東京のサーバーを全国で参照しているとすると、本社が止まると全国のコンピューターが止まってしまうわけです。
何もなかったでは済まないわけです。
 
ところが、データセンター側とするとえらい事態で 毎日のように停電が起きるので発電機が駆動します。
発電機はエンジンで駆動する仕組みで軽油やガソリンで動くわけですが その燃料が・・・・なんてことはすぐには心配する必要が無いようにはできています。
もちろん、ひと月も止まると別ですが 恐らくデータセンター規模になると備蓄もあって大丈夫なわけです。
逆に、普段は外からの電気で動いているという状況はなんでだという事になるわけですが これはひとえにコストの問題です。
以前、データセンターの方とお話しする機会があったのですが 規模と施設によって全く違うようですが 大体3時間自家発電をすると1日分の電力消費と同じぐらいコストがかかるらしいという話を聞きました。
現在の計画停電が3時間なので、毎日大体コストは倍かかっているわけです。
この状態が少なくとも今年の夏まで・・・ 昨日の話では来年の夏までかも知れないとかいう状況だそうです。
だとすると、データセンターの中で最もコスト比率の高い要素の中の一つの電気代が倍かかっている状況にあるという事なのです。
 
データセンターには、上記のようにPC丸ごと預かっている場合もありますが コンピューターごと貸し出すケースもあります。
大阪と東京に二拠点の施設を持っているところなどでは、貸し出しているコンピューターなどから大阪に移動するという作業を行っているようです。
同じコンピューターであれば データを送って移動すればその電気代分だけでも助かるからです。
このままいけばデータセンターのコストが料金に跳ね返って 恐らく各企業のサーバーも大阪に置いてみようかなという動きが加速するでしょう。
いままで自社に置いていたサーバーを、東京では電源供給が安定しない事から大阪に移動する もしくは、データセンターに入れる等の動きが進むでしょう。
データセンター側も前述の理由で 関西のデータセンターへの収容を増やしてゆくことでしょう。
 
だとすると、関西のデータセンターは溢れて(今この状態らしい 問い合わせレベルで実際に置けているわけではないそうです)となってゆくわけです。
関西にはコンピューターの集積が進むかもしれません。
東京電力東北電力と回線をシェアしているのに対して、関西はそのほかすべてと言ってよい電力会社とつながっているわけですから 同様の事態にも強く、名古屋では関東の地震の影響を受ける可能性があるが 関西なら・・・
勿論、東京都の太い光ファイバーのラインがいくつもあるから通信速度に関してはそう心配しなくて良いという状況が導き出しているわけです。
今後、ほとんどの工場が駆動を見合わせ 繁華街が寝静まってこの状態なのですから 好転する見込みがすぐにはない以上やむおえない処置でしょう。
 
移動するのはコンピューターだけでしょうか??
昔、子供のころ読んだ童話に ハメルーンの笛吹なんていうのがありましたが 誰かの吹く笛に誘導されて一つの方向に子供たちが動いてゆくわけですが
同じようにコンピューターはみんなそろって関西にやってきて
その後、童話では怖い結末が待っているのですが もっともっとたくさんの笛吹がこれから出てきそうで
関西在住のという事であればずいぶんにぎやかになるのでしょうが、そんなにキャパのある町ではないので
はてさてどうなることでしょうね。
コンピューターの移動を見ていて思ったわけなのですが・・・・




written by HatenaSync