Windows Phone7の存在意義

WindowsPhone 7が日本でも発売になりました。
そして、海外機の殆どに 全体では10%と絞られていますが ここ数週間でMango OSにアップデートされることがアナウンスされています。
i-OSでもなく、Androidでもなく そしてWindows Mobileの進化形でもないOSにいまさらながら参入して 勝算があると意識しているマイクロソフトの考えはどこにあるのだ?と心配になることしきりではあるが 実際にWindows Phone 7端末である HTC HD7を使ってみて こうじゃないかと思ったことを書いていきたいと思う。
今までどうだったと言われると困るが、所詮日本語の打てない端末で 使ってこうだったと言ってみたところで 絵に描いた餅だしそれでは何も良い事が無いとこのタイミングを待ったわけです。
 
まず、SmartPhoneなのだが「流行り」である。
変な言い方をするが 私のように変な趣味を持っていない限り SmartPhoneを使う目的というのが決まっていて購入する層なんてそうはいないわけです。
じゃあ、なんに使うとなるわけですが やはりいくつかの傾向があるわけです。
幾つかを上げてみるとこんな感じである
○電話 これは至極当たり前な目的である
○メール(MMS) 多くの場合これがキャリアメールなのが困った問題を引き起こしている
○WEB ブラウザを使ったインターネットサイトの閲覧である。
SNS 最近流行りのTwitterFaceBook、等である Mixi等もこれに含まれていると思う
○カメラ もうデジカメはいらないぞというようなカタログスペックである
○動画サイト Youtube等だが 事実上これはパケットでやるとどのキャリアでも引っかかってしまうのである
もっとほかにもあるわけだが 極端な話 フューチャーフォンで出来ない話でも無い訳です。
であれば 何を持ってSmartPhoneとして訴えてゆくかになってくるわけである。
 
じゃあ、ガラケーと言われるフューチャーフォンを触ってみよう。
画面サイズはともかく解像度はSmartPhoneと比較しても変わらない状態です。
WVGAなどの解像度は持っているのですが3インチ程度の画面サイズで その解像度を使い切るのは難しく 精々写真を綺麗に写すような時ぐらいしか役に立たないのです。
そして、画面を見ると時計がでかでかと真ん中の最も良い場所を取っていて 下にはメニューボタン三つとか5つぐらいの説明が出ている。
上の方にはバー状に電話の状態が表示されているわけです。
あとは開いた部分にはちょっとおしゃれな壁紙が なんてイメージでしょうか。
最近では「ガジェット」と呼ばれるものがいくつか登場していて、その日のニュースや天気予報を張り付けてあるわけです。
じゃあ、SNSを操作しようと思うと「i」とか「ez」とか書かれたボタンを押してアプリケーションを指定して起動するような操作となります。
 
SmartPhoneは基本的なベースは タッチパネルの大画面液晶と 現在新しい付加価値を生み出そうとしてはいるものの 現状それが主流という物です。
i-OSは基本操作のボタン幾つかを一番下に配置し、上部のステータスを表示するバーの中に時計機能までを押し込んで 他の開いたエリアにはアプリケーションをそのまま呼び出すボタンを配置しました。
私は何が最も優れているかと言われれば どんな状況でも(最近は違うのもたくさんあって困ったなという感じですが)真ん中のボタンを押せば 初期画面に戻るという操作体系であろうと思います。
所詮最初は全員が素人なわけですから 迷った時、困った時にこのボタンがあるというのは 誰が何と言おうと投げ出す前に考えることが出来るわけです。
家電製品でいえば 解らなくなれば電源を切るとかコンセントを抜くとかいう 昔ながらの操作に対して 今の家電製品はコンセントを抜くタイミングを指定されたり、たとえコンセントを抜いても内蔵のバッテリーのバックアップで抜いても一緒だったりするわけです。
どうしようとパニックを起こさない最もわかりやすい方法だったと私は思っています。
そして、画面をなでる動き。
この操作がある程度面白いという意識を持ってもらえばこっちのもので さほど精度も高くなく いくつかの方向性程度しか支持できない頃から知っていますが それが逆に良かったと私は思っています。
それに対してAndroidは すでにそういう操作をしている人たちを見ている人たちによって成立する物で i-Phoneが無ければ 登場してもたくさんある携帯電話の1種としか認識されなかったのではないだろうかと思っています。
i-Phoneにたいして何でも拡張して上回ろうという意気込みは立派で(実際と書かないところが性格の悪いところです)
例えば ボタンやポインティングデバイス(初期の頃にはトラックボールをメインのインターフェースに考えていた時期もある)を増設し、画面も枚数を増やして アプリケーションだけでなく ガジェットと言われる情報窓なども表示できるように設計されています。
ハードウエアの進歩と必ずしも同調しないので、多機能さはかえって全体のバランスの足を引っ張ることとなり ある一定のハードウエアの増速を待つこととなるわけです。
勿論、コンテンツも重要で マーケットというアプリケーション管理サーバーを作り 書店で本を選ぶように購入する仕組みを音楽の販売のサイトの拡張から作り アプリケーションの提供者が利益を得ることのできる仕組みを作り、AndroidGoogleが提供する無償のアプリをスタートに 両者とも進んでいったわけです。
その時、WindowsMobileはユーザーでは無く 企業を見ていて 企業の使う側では無く管理する側だけが楽をできる仕組みの構築に忙しく そののち全てから見放されていってしまったわけですが・・・
 
じゃあ、SmartPhoneが正しくてフューチャーフォンが正しくないのかというと それは物の見方として正しくなくて
前述通り使い方を羅列すると そこまでいるのかという層も少なくないわけです。
操作は出来る限りシンプルで、アナウンスは解りやすければ 昨日はそれほどでも無くていい・・・
WindowsPhoneのインターフェースを見てほしい。
「タイル」と呼ばれる四角いアイコンは画面に対して左右には2個のみ縦には4個という並びになっていて全部で8個しか選択できません。
i-Phoneと比べて尚 少ないのです。
ただ、スムーズなスクロールと合わせて 見るなら 特徴に気が付くと思います。
パッと画面に目を落としたときに 横二つのアイコンは見逃さない事に。これが三つあると右と真ん中とか どうしても特徴的なアイコンなどがあるとそちらに視線が行くわけですが 二つの場合それがないのです。
統一されたカラーで 何かだけを無用に目立たせないような作りになっていて 大きく選択しやすくなっています。
例えば電話は 電話のアイコンなのだが常に同じ場所に固定されているわけでは無いが そんなにたくさん置けないので 指で少しスライドさせれば届くようになっています。
前述した要求される機能、どれもがアイコンとしてあって その中に自分の好きな順番に置けるようになっているわけです。
メールの到着なども ステータスバーに表示するのではなく そのアイコン上に数字を置いてそこで告知するようにして メールが気になった時しかメールを見ないで済むようになっているわけです。
使う機能だけを解りやすく置いてそれが もっとも理想に近いと考えたのでしょう。
 
もう一つ、Hubという考え方です。
実はこの考え方は多くの端末メーカーが独自で実装している機能なのです。
HTC は HTC Peepの中にTwitterFacebookを統合卯したり 、キャリアではAUがJibeというアプリケーションでSNSの統合を図ろうとしたりしているわけです。
TwitterTwitterのアプリケーションを使いFaceBookはそのアプリケーションという使い方は作業効率的には良いアプリなのですが インフォメーションと考えると 複数のメディアを巡回するという作業が利用する側に必要となるわけです。
例えばAndroidのSmartPhoneを使っていると解ると思いますが 「メールが来た」というだけでも
「SMS(ショートメッセージ)」、「MMS(キャリアメール)」、「GMailAndroid OSのメール)」と三つのメールがそれぞれ別のアプリケーションで閲覧する事になっています。
全部来たら アプリの起動と終了を3度繰り返すわけです。
それを一つにまとめれば少なくとも見る側は便利になるわけです。
で、こういう物は作られるわけですが WindowsPhoneではOSレベルでこれをやったわけです。
Osが標準で同じアプリケーションで受信するものは SMS、MMSは当然として G-MailにあたるLiveMail、それ以外のPC E-Mail、FaceBookTwitter、LinkDln、G-Mail等々をOSに登録する事ですべて一つのアイコンに集約されて時系列的に並べられ表示されます。
もちろん、何度も確認するという作業をOSベースで横並びに行う事も出来るようになり そういう意味でも効率を上げることが出来るわけです。
同じようにアドレス帳も Facebookの知り合いがリアルな住所で〜でTwitterのアカウントが・・・というのを一つに結びつけるような仕組みを作っているわけです。
 
勿論、細かい部分にも結構気を使われています。
例えば画面の左が妙に隙間が空いている点。これは紙に書かれた文章を見ればわかる通り そこに隙間があればここが紙の端っこであると無意識に意識するわけです。
つまり、そちら側を捲れば別のページに行くと解るように出来ているわけです。
縦もそうで、アイコンそのものは8個と書いていて縦は4個と書いていますが実は4.3個ぐらい表示されています。
つまりそちら側にまだ動く余地があると解るようにしているわけです。
i-PhoneやAndroidのアイコンは必ず画面にきれいに収まるように出来ているのと対照的です。
ボタンでは、「戻るボタン」が特徴的です。
Androidにもあるボタンですが、Androidの戻るボタンは スタートがホーム画面で そこまで順番に戻る為のボタンなのですが WindowsPhoneではそういった制約がありません。
個数に限界はありますが、Home画面に戻ってもそのひとつ前のアプリケーションに帰れるだけでは無く その時のアプリケーションの(一部ゲームなどはもちろん帰りません)操作画面の一つにまでアプリケーションがサポートされていれば戻るわけです。
何か操作中に別の仕事がやってきて、止む終えず他の事をした 何かしているときに予定表の確認をするというような作業の時に その後戻って作業が続くという物なのです。
もちろん、マルチタスクでやりかけの処理を止めていなければ 同じ事は出来るわけですが Androidはそれ故にバックグラウンドに動作中のアプリを多く抱えて気が付いたらバッテリーの消費を生み出したりするわけです。
モバイル端末の比較的チープな使用であれば シングルタスクが望ましいのはそういったタスク管理の難しさも入っているのだとは思うわけです。
WindowsPhoneはシングルタスクで 元のアプリケーションに戻る機能を持ったわけです。
 
ここまで見ると フューチャーフォンの代替えを目指すような端末の思想に見えなくも無い訳ですが ここまでを基本のプラットフォームとしたうえでWindowsPhoneはもう一つの顔を見せるわけです。
Aprication Marketに存在するのは多くのアプリケーションたちで、現在は少ない物の今後増えてゆくことが予想できるものなのです。
勿論、i-OSやAndroidに比べて現在の数が少ないというのは間違いが無いでしょう。
しかし、現時点でトップに100とかのアプリに関しては そのままの物で無い物も含めますが現時点で90%のカバー率を示しているのは、移植用のプログラムを用意したり
今までというより PC用の開発環境である .net Frameworkの環境でのアプリケーションの開発が可能なので 技術者の新しいプラットフォームへの参入を容易にする仕組みも作っている事からなのです。
そして、上記の「用途」にはわざと書かなかったわけですが「ゲーム」という用途です。
XBOX360というゲーム機がありますが 唯一、アーケード型ゲーム機とOSを提供し クロスプラットフォームでPCとも接続したゲームを作っている会社がマイクロソフトです。
XBOX360とPCでやっているゲームに SmartPhoneから参加するというようなこともできるわけです。
勿論、端末のスペックの最低限も規定しているわけですから 他のプラットフォームに比べて高性能なゲームも作りやすいわけです。
この辺りは キラーコンテンツとなるゲームが出てくれば・・・・なのですが 出てくる可能性がSonyとともに高い訳です。
ここに至っては、高性能なSmartPhoneという側面も持っているわけです。
 
ハードの仕様やソフトの優位性、環境だけで商品が売れるなら 売れている商品はたくさんあります。
ここまで書いてきたことは真実ですが、結果は解らないわけです。
私が書くぐらいの事は 既に分かっている事でその対抗策も何もしていないわけではありません。
宣伝や、有名な人が使った 例えばオバマ大統領がBlackBeryを使った事で日本でも有名になったという風につまらない切っ掛けが世の中を変えてしまう事もあるわけです。
ただ、結果は解らないものの 日本市場では この操作性には一定の評価を得られると思います。
DOCOMOが高級機種はすべてSmartPhoneにすると発表したように 今後その比率が増えれば 現在のフューチャーフォンからの乗り換え組の受け皿も必要なわけです。
ただ、スタートダッシュだけでいざ発売してしまうと i-Phone5の影に隠れて話も聞こえなくなってしまうようでは心配もあるわけです。
存在そのものは多いおなる意味を持っていて その後の・・・・という点に期待していいのかという点が


written by HatenaSync