i-Phoneが黙って売れたと思っているなら大間違いだ

i-Phoneは現在、Softbankの主力商品となり、AUが扱うという報道がなされるだけで株価にまで影響を与える 単体の商品としては「モンスター」と言っても良い物です。
それを 扱っていたからSoftbankは・・・という話が多い訳で 当然後半はそれが正しいわけですが 最初からそうではなかったのです。
 
発売当時というと 1世代目のGSMタイプのi-Phoneとなるのでしょうが これに関してはおそらく日本ではまったくと言って知る人はいないでしょう。
実際幾つかの記事を見ましたが、音楽プレーヤーに携帯電話機能を持たせたとか おもちゃという表現の仕方が多かったのです。
またしてもJobsが変わったものを出してきた なんて、同時にWalkManにも携帯機能が付くのかなんて記事まで見た覚えがあります。
GSMでもあったことからそういう意味のニュースにはなりましたが 実物を見ることはまずなく その時だけの話題で終わってしまいました。
順調と言って良いのかはわかりませんが それらはぼちぼちと販売をされていたわけです。
 
2世代目になって3Gサポートとなります。
ただ、3Gサポートであることから 3世代目のように思われる3Gと呼ばれています。
この名称の突き方からも 継続的な商品となるかどうかは必ずしも見えていたわけではないのだろうと思います。
この電話に関して言うなら ご存じのとおり大ヒットとなります。
Softbankのスタッフは優秀で、うまくこれを見つけてきて 日本での発売にこぎつけたわけです。
これが発売されたのが2008年で それまで第一世代目のi-Phoneが約600万台を販売していたのに対して この新しい端末はわずか三日間で100万台を販売するという 驚くべきヒットとなったわけです。
GSMでは通信機能を主としたこの端末を使うにはストレスが高かったのだろうと想像はつきます。
この時点でSoftbankはうまくやったなと 褒めるのは少し実は早かったわけです。
 
発売当初は 行列が出来るi-Phoneだったのですが 当時の販売台数のトップを見てもらえばわかる通り 決して順調だったという訳ではないのです。
SmartPhoneとしてはNOKIAの端末も WindowsMobileもあったわけですが とても順調とは言い難い彼らの戦いよりはスタートダッシュの分だけ良かった程度なのです。
見たことも聞いたこともないようなものをうまく売る手段なんてそうは無い訳です。
実際、どうやって売るかがディスカッションが あちこちでテーマとして聞かれたわけです。
 
とにかく、ある時から切り口がごろっと変わりました。
おしゃれで グローバルなi-Phoneから
遊べる・楽しいi-Phoneに切り替わるわけです。
それと 販売政策で優遇措置が取られたこと、販売方法を一気に変えたこと等々で 徐々にブレイクしてゆくわけです。
まあ、これはi-Phoneのことを盛り立てたいというのもあったでしょうが 正直、規定販売台数をクリアするためには ぼちぼち売れている程度の半端な売上では 山のような在庫を倉庫に抱えて その後一切のサポートを受けられなくなるという 最悪の事態を招いてしまう心配があったからでしょう。
SmartPhoneは売れない というのが世間のというかキャリアの常識だった時点で投入して 販売数を伸ばしたというのは結構エポックメイキングな事態だったわけです。
同じだけの努力をしていれば、WindowsMobilesも今でもメインストリームだったかもしれませんし、NOKIAは未だに覇者だったかもしれません。
日本の市場は思ったほど小さくないので 世界に少しは影響を与えるからです。
 
じゃあ、今の状況を見たら 勿論商品価値というのも大事ですが、そういった販売での努力も大きなものとしてあるわけです。
現在XperiaもGalaxyも世間の人の知るところにあるのは その後に日本も売れる市場だとそれだけの広告を大々的に投入したことが大きな原動力となっているわけです。
海外に一歩目を移すと ここ5年ぐらい 携帯電話というかSmartPhoneは巨大なポスターがビルの壁などに貼られている 広告が最も有効な商品の一つとして認められているわけです。
その努力をせずに、売れている商品だから販売しました・・・という方に必ずしも肩入れを出来るわけではないのですが それ故にある不満点を解消できずに今に至っているのも事実です。
 
もう一つ、会社と社長を同じものとして扱う人が多いことに驚きます。
会社と社長はいくらワンマンでも同じものではありません。
今の話でも、i-Phoneを販売するために苦労していた人たちの姿を私は見てきました。
社長個人の性格に対して どういおうが勝手ですが 勝手に売れたもので無い物をまるで商品だけで売れたかのように語られてしまうと あまりにもかわいそうな人たちがいて その人たちの集まりも会社の一部であるわけです。
口汚くいうのもどうかなと 自分をさておいて思うわけです。
 
とにかく、少なくとも日本という非常に閉鎖的な市場で この商品を売れるに至るまで導いた方々には 敬意を表したいし
そのおかげで いまこうやってSmartPhoneでチョコチョコ遊べているんだと思うと・・・・

written by HatenaSync