速度と通信

一般的にブロードバンドの世界では 速度が高速な通信は高く 低速な通信は価格が安くなるのが普通です。
所が携帯電話の世界では、どうもその仕組みが必ずしも適用されていないわけです。
 
携帯電話の通信は W-CDMAを例に出すとそれ以前のPDCと言われることが9600bpsでした。
そこから3GのW-CDMAになって約300Kという速度に増速されてブロードバンド時代の幕開けでした。
同じころ、PHSは64K、128Kそれからずいぶん遅れましたが256Kなどと続いていたわけです。
それからHSPDAの時代になり 
当初 3.6Mからスタートした通信は すぐに7.2Mに増速され いまは14.4Mとなっています。
HSDPAのまま増速したキャリアは DC-HSDPAで42Mに増速されていますが これに対応したSmartPhoneは今のところほぼないと言える状況です。
LTEに関しては 75M、WiMaxに関しては40Mとなるわけですが 結構不思議な価格体系となり 3G以降の通信コストは基本的に価格差がほぼないわけです。
速度と価格の比例関係が全く無い訳です。
 
じゃあ、家庭の回線を考えると セールだったりとややこしくなりますが 同じキャリアであれば ADSLの速度で価格が変わってくるわけです。
そして、割引率が多いので誤魔化されていますが 導入後1年を過ぎるといろいろな割引が切れて 光回線は徐々に高くなって 結構な価格で最後は終わるわけです。
そのまま継続し続けると割引が効かないので 高い事にびっくりしたりするわけです。
結果的に回線速度と価格が比例するのは正しく、同じ時間繋いで通信をしたとすると 高速の回線は伝送できるデータの量が増えるわけで結果的にデーター量に対する課金という観点からも正しくなるわけです。
データ通信の量に上限の無い 家庭用ブロードバンド(限度はあるけど)ならではの成り立ちです。
 
元々、データ通信量が高いという事もあるので 一概に言えないわけですが 日本の携帯電話事情としては高くなるという傾向はあまりありません。
このせいもあり 増速が繰り返されるたびに どんどんデータ量が増えてトラフィックが苦しくなっているわけです。
2Mも出れば快適というSmartPhone的にはほぼOKなのですが数字だけはどんどん上がって行って 実行速度はそう変わらないわけです。
勿論、未だLTEが試せてないという事もあるのですが・・・・
固定回線でいう所の データ転送速度がデータ転送量と比例するという考え方で行くと少し矛盾が発生するのが 上限が5Gとか7Gとかに抑えられているので速度が上がっても 結果的にデータ量に変化が無いという考え方になっている事です。
故にかどうかわからないのですが、ほぼ同じ価格でどれも利用できたりするわけです。
 
じゃあ、ユーザにとっては価格が変わらなくて良かったじゃんと思うわけですが 必ずしもそうも言えないわけです。
LTEになることで 電波の帯域の利用の効率は実は約3倍に上がっています。
簡単に言えば1本の線に5台のSmartPhoneがぶら下がっている状態でバランスしていたとすると、LTEに帰ると効率が3倍になるので 1本の線で15台までぶら下がっても 今までと変わらない程度の満足度は得られるはずなのです。
アンテナなどは共用で、施設のコストが下がり続けている今 過去のHSDPAの基地局に比べて現在のLTE基地局の施設の価格はそう変わらないどころか下がっているはずなので(結果的に施設の大半を共用しているので)ユーザー的には 同じコストでたくさんのユーザーを抱えているのだから価格が下がってもいいんじゃないかぐらいの計算が成り立たなくも無い訳です。
どうせ 速かろうが遅かろうが使えるデータの量は一緒なのですから 設備が安くなった分還元されてもいいんじゃないかという言い方も出来なくは無い訳です。
勿論、これから新規の施設に入れ替えるわけですから コストはかかっているので早期に回収したい気持ちはわかるのですが・・・・
 
速度と価格が比例しないという仕組みはやはりデータ量を抑えるという考え方でも矛盾を生むので 今後速度と価格が比例する価格帯を作りたいときっと思っているのだろうが 実際のところ それを行う事で実はそこまでの速度アップの必要はないので 遅い回線に契約の中心が集まってしまっては元も子もないわけです。
実際、どれぐらい逃げているかは知りませんが イオンの980円回線は好調のようですから・・・・
今後も増速したい考えはあるようですが スペックによる宣伝以上にユーザーが付いてくるかどうかは疑問でもあるわけですから。
 
実はXiなのですが このネーミングがずいぶん気になっています。
「クロッシィ」と読むのだそうですが この表記が今考えたにしては語感が悪いなと・・・・
例えばWiMaxが増速されたときには WiMax2になってますし、HSDPAはHSDPA+とか DC-HSDPAとかという名前になってゆきます。
勿論通信方式でLTE2とかいう呼び方もあるわけですが わざわざLTEという名称を使わず(現状はどこも追従できてないわけですから LTEDOCOMOと言ってしまった方が 多分宣伝的には成功したはずなので)Xiという愛称を使った点に どこともいえない違和感を感じるわけです。
じゃあ、Xiが増速されたときに Xi+とかXi2とかってものすごく語感が悪い事になり なにか気持ちの悪い感じになりませんかね?
でも、Xiの「i」が実は アルファベットの「i」だけでなく 数字の1の意味だったらどうでしょう。
増速は MIMOを使った倍速になるはずなので LTE x2という呼び方をそのまま認知させれば 他者がLTEに追いついた時に DOCOMO LTE x2とかって書けばAU LTE登場というのに対してインパクトはあるわけです。
なんとなく そういう物への布石のような気がしたりして・・・・
独占状態の時はそれなりに販売をしておいて、競争が激化する2012年 中ぐらいに増速を予定しているDOCOMOの販売戦略の為の伏線だとすると かなり頭がいいなと・・・・

written by HatenaSync