そういえば、昔 家の階段の足元にはケーブルカーが走ってました

今日、いつものように家を出たのですが 地下鉄の駅に向けて歩いていて あまりにも天気が良いので近鉄電車で行こうと歩く方向を変えたのです。
何が違うかわかりますか?
今里という駅からなのですが、地下鉄今里は言葉通り地下からスタートなのです。もちろん到着するのも地下なのです。
近鉄線は 高架からスタートなので 二階相当ぐらいの高さからスタートして鶴橋から上本町六丁目に行く途中で地下に潜るわけです。
日本橋に行くには わずかながらお日様を浴びながら出かけることができるわけです。
勿論、電波も届きますから(笑
 
駅に着くと、いろいろとゴールデンウイークを目指した広告があったわけです。
で、見ているうちに なんとなく行きたくなるわけです。
方向を180度変えると近鉄線は生駒の山の方向に走ってゆくわけです。
まあ、普通電車でゆっくり行くならなので一駅動いたところで乗り換えて そのまま生駒まで行くことにしたわけです。
と言っても快速急行にのるとわずか20分の距離なのです。
そちらに向かっている間に思い出したのですが 奈良川から生駒山に登ると 途中に「宝山寺」というお寺があるのですが その境内に名物の「草餅」があることを。
昔はもちろん 生駒の駅から歩いて登ってゆく最中に 一休みと休憩するのに途中でその境内に入ると 休憩ができるわけです。
思い出したら妙に行きたくなったので ケーブルカーに乗って出かけることにしたわけです。

なぜ、こんなことに思いをはせるかというと
むかし、小学校のころに自宅の 木造の古い古い家の木の階段の 手すりの下側に模型のケーブルカーが走っていたのです。
以前書いたかもしれませんが、子供のころはむちゃくちゃ貧乏な生活をしていました。
この当時としてもかなり貧乏な生活をしていました。
その際に、私のおじいさん(まあ、貧乏の原因の多くを担っていたとあとできるのですが そういう自由な生活のお爺さんのほうが子供は好きですよね)が作ってくれたのがこのケーブルカーだったのです。
Hoゲージという模型ぐらいのサイズで 全部がフルスクラッチです。
列車本体は ブリキの板で作られていて 真鍮の加工を私が生まれる前まではやっていたので その部材のあまりかなにかの部品と、模型のHOゲージの車輪などを組み合わせて作られていたようです。
ケーブルカーというのは ほかの電車と異なり実は列車の中には全く動力はついていません。
ケーブルカーの山側の駅にモーターがあって 両方の列車をワイヤーロープでつないで 片方が下がれば片方があがるという仕組みになっています。
線路が日本あるとよいのですが、それは勿体ないので 線路は真ん中部分以外は 単線で 真ん中で左右に分かれるように作られています。

これは実際のケーブルカーの線路ですが ポイントはついてなくて両方の車両の外側になる側の車輪に本来列車では脱線止めのためについている 車輪のつばの部分が外側にもついていて 外側になるべき線路に沿って走るようにできています。
ゆえに 右側列車と左側の列車はポイントの切り替えなしに交差することができるわけです。
もちろん、階段についていた模型も同じ仕組みで 内側にしたつばの無い車輪の外側には ブリキ板で作られたつばが車輪に半田付けされていました。
色は青だったり、茶色だったりと二度ほどモデルチェンジしてかっこ悪い色だと当時は思っていたわけですが 子供のおもちゃのためにわざわざペンキを買ってくれることも出来なかったのでしょう、何かのあまりのペンキだったので色のことまで気が回らなかったのでしょう。
 
モーターは小型の模型用のもので十分動きます。
実は両方の車両は同じ重さにできているので 乗客の差分だけ重さが違うだけで 後は動きにあたるこすれる分の運動エネルギーを与えてやるだけで動くという非常に省エネなつくりになっています。
今のエレベーターなどもそうなっていて カウンターバラストといわれる重りとエレベータのかごプラス数人の重さが均衡するようにできていて そのかごをモーターで引き上げることで1トン近い重さのある籠を比較的軽く上下動させることができるわけです。
昔、高い塔の展望台行きのエレベータなどは 二台を直結したつくりのものもあったそうですから。
電源は、子供が抱えるほどの大きなトランスが家にはあって それにせれんという半導体でできた整流器で直流化し、トランスで5V〜18Vぐらいまで可変できるものがもの語ごろついた頃からおいてあって(手作りだった)それを使いました。
車両も手作りで、ワイヤーロープを線路の真ん中の滑車に通して車両を上下させるわけですが 本物でない分軽くて このワイヤーがあっちへこっちへ暴れるので 気がついたら脱線なんて日常茶飯事。
また、小学校に上がるかどうかの子供が 階段を走る車両を追いかけるわけですから 何度か勢いあまって自分が滑落したこともあって なかなか動かしては見せてくれませんでした。
今考えたら 私でも子供が階段で遊んでいるのを見るのは怖いですし だいたい階段を使うたびに広くは無いわけですから そんなものがあったら邪魔でしょうがないわけです。
よく我慢して遊ばせてくれていたなと今でも思います。
そして、それを飽きるほど見たら 本物が見たくなって生駒山まで連れて行ってもらったわけです。

ただ、前述したとおりあまり裕福ではなかったので おそらく生駒までの電車代もままならず、途中の枚岡なんて駅から山越えして頂上の生駒山のケーブルカーの駅まで見に行くような状態でした。
と、いうのは生駒山を越えると 今の新阪奈道路でもそうですが 山を突き抜ければ10分足らずで大阪からならに抜けれるわけですが 山を登って降りると30分以上となってしまいます。
近鉄電車はその山を抜けるトンネルを作ったことで ほかの電鉄会社に比べて圧倒的に早い時間で奈良と大阪を結ぶ移動手段を提供したことで大きくなった会社です。
このトンネルには多大な価値があって、ゆえにこれを通るかどうかで電車の料金が大きく違ったわけです。
当時はケーブルカーに乗るのも高かったので どうせ山の上から見れるからと 大阪側から上ったんだと思います。
ただ、山登りも十分楽しいので 子供の私としては喜んでついていったわけです。
 
久しぶりに生駒の駅に降り立ってみると 昔の登山道の入り口というより ショッピングモールのある大きな駅という感じになっていたわけです。
ともあれ、子供時代には枚岡駅にしか行ったことがなかったわけですが この駅の周りには山に行くまでに両方におみやげ物や産が並んで たわいの無いビニール風船のおもちゃなどが並んでいて子供心はときめくわけですが 最後まで勝ってもらうことは無かったわけです。
これも今思えばなのですが 当時でも500円とか1000円とかして 電車代が100円ぐらいの時代に高すぎるおもちゃではあったわけです。
枚岡から生駒までの電車賃を削ろうかという親に無理なお願いを何度もしたと思うと 子供って残酷だなと思ったりもするわけです(自分のことだけど)。
そこから 全時代的なゲートをくぐって

昔も今もあまり変わっていないだろう 乗車料金は今となっては山登りするならと考えると十分安いもの

ただ、驚いたのは車両が・・・どう考えてもブリキ板を曲げては出来ないレベルになっていたこと。

これはにゃんこさんだそうです。
 
宝山寺という駅で一旦乗り換えて 生駒山上まで・・・・というのは実は目的ではありません。
生駒山を登る話を先ほど書いてますが いつもいつも大阪川から上るので 山の上でとまることが多かったのです。
つまり上りきったらもときたほうに帰ってゆくわけです。
それでも、余力があったときに 山を越えてそのまま奈良側にずんずん進んだ事が数度ありました。
そして 山を降りる方向に行った途中に 宝山寺というお寺があって そのお寺の境内で休憩した記憶があって それをさかのぼりたくて・・・
お寺の名前は実は覚えてなかったのですが ケーブルカーの止まる駅としては覚えていたのでここで間違いないわけです。
今日は、そのお寺までが目的です。
と、いってもお寺そのものが好きなわけでもないので どちらかというと食い気のほうの話。
 
駅を降りると、降りたことも無いのでびっくりなのですが 寺に行く道の両サイドには旅館が軒を連ねて お寺までに20件近い旅館があるわけです。



今でこそ閉まっていますが あちこちはもともとお店だったような佇まいです。
坂はかなりきつくて、ここで暮らすのはつらそうなレベルです。

交番もいい味を出しています。

 
山道を登ると大鳥居があって



お寺の中に入ります。


で、このまま上に上ると・・・・・なのですが 目的はそこに無いので 私はここどまり
 
目的はここ

名物 草もちなわけです。
思い出・・・といっても最後に言ったのは20数年前。
実は味なんか覚えてなかったのですが なんとなく記憶に残っているわけです。
ここで売っている草もちが名物なのですが 実はここで食べることも出来るのです。
細かい注文は出来ないものの 一皿にそのときしだいですが今回は草もちひとつと桜餅二つで400円という価格で食べれます。
お店は もう前に来たときにおばあさんだったと思うのですが 今見ても十分おばあさんで同一人物なのかどうかわかりませんが お店を見る限り時は20年前から進んでないように思われます。

という訳で お願いしたのは一皿。

お茶は ぶんぶく茶釜か!と突っ込みたくなるほど大きな茶釜にずっと火にかけられているもので 小さなやかんに注いでもらって自分で湯のみに入れて飲みます。
で、お茶代は お心づけを・・・と書いてあるので 100円だけ入れて 甘いものとセットで500円という形としました。

この日は もうじっとしていても日がさすと汗ばむ天気だったのですが
ここの日陰に入ると 風が強かったこともありスーッと汗が引いてゆきます。

もうこのセットでその雰囲気が十分伝わると思います。

もうこれだけで十分堪能してきました。
 
実はここまで 大阪から15分ほどで生駒までやってきて 10分おきに走るケーブルカーで約5分ほど。
そこから徒歩10分以上かかったのは 体力の関係でしょうか(笑
つまり約30分で大阪の市内から そのままこの空間にたどり着くわけです。
まあ、歩くという意味では少し物足りないかもしれませんが 気が向けば生駒から歩けばここまでたっぷり一時間とちょっとぐらい。
実は、上の駅から見通せば下の駅まで見えている距離なのです。

それだけの景観つきで 500円+ケーブル代で味わえるわけですから ホテルのトップラウンジでスイートをというのとコストはあまり変わらないわけです。
実は奈良に向かう龍脈の上に立つこのお寺は どちらかというと神社かと思わせる場所にあるわけです。
 
ただ、もう誰も訪れないのか十分寂れていました。
写真を撮るにも、歩くにも 結構よい距離で 疲れたらケーブルカーも使えるという絶好のロケーション。
鳥居のそばには近代的なというか どこにでもあるおみやげ物や兼のコーヒーショップも。
で、そこには人が3組ほど入っていて 私がここに来て30分以上でしょうか くつろいでいた時間私イガにお客さんはいませんでした。
おいしいかと聞かれると これは個人差の世界
と、言うのはここまで歩いて体力を使ってくればおいしく、そうでなければというのは 少し癖のある味なのです。
昔から営業しているのでしょう ここまで歩いてくること前提なので 少し塩が強めなのです。
でも、ここであったかいお茶 おそらく柿の葉茶か何かの感じのお茶と合わせると なんともいえない風情なのです。
こういったところがあまり混んでいても興を削ぐわけですが あまりにも人がいないと なくなってしまわないかと心配になるわけなのですが・・・・

written by HatenaSync